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2012/08/16

【バレエ】世界バレエフェスティバル・プログラムA

 夏だ!バレフェスだ!
 様々なバレエ団に所属する、これだけのダンサーが集まるというのは、ホントに希有なことです。NBSさん、ありがとう。公式サイトはこちらです。
 まずはAプロ。次々と繰り広げられるステージにぽん太はただただ見とれるばかりで、一つひとつの感想を書くのも困難ですが、個人のメモ代わりに一言ずつ書き添えておきます。
 「スターズ・アンド・ストライプ」。スーザのマーチにのせて、軍隊風の衣装で、まるでアメリカのショーのようなステージでした。シムキン君とベルリン国立バレエのサレンコが、若々しく溌剌と踊りました。フォーゲルの「モペイ」はぽん太は2回目。フォーゲル君、この踊りが気に入ってるんでしょうか?背中の筋肉がとても美しかったです。ブシェとボァディンのハンブルクペアの「幻想〜『白鳥の湖』のように」は、情感あふれる舞台でしたが、ストーリーがさっぱりわかりませんでした。あとでググってみたら、「白鳥の湖」の王子をルートヴィヒ2世に重ねた作品出そうな。第一部の最後は水香ちゃんの「ドリーブ組曲」。お相手のマシュー・ゴールディングはぽん太は初めて見ましたが、カナダ人でオランダ国立バレエ所属のようですね。
 第一部ですでに「あ〜すごい」という感じなのに、第二部に入ってさらに一層レベルが上がります。オレリー・デュポンとルグリの「扉は必ず…」はキリアンの振付。初見のぽん太はまたしても設定がわからなかったのですが、なんかうまくいってない男女という感じ。機械的な動き、倦怠、欲望、あきらめ……。細かい動きで表現しているので、オペラグラス必携。なんでもフランスの画家フラゴナール(1732年〜1806年)の代表作のひとつ「閂(かんぬき)」を踏まえているそうです。
 続いてポリーナちゃんの「海賊」。お相手は……ゼ…ゼレンスキー?お、お懐かしゅうございます。なんで突然こんなところに出てきたんだ?1969年生まれだから、43歳のおっさんのはず。2006年にマリインスキー・バレエ団の来日公演で、ロパートキナと「白鳥」を踊ったのを見ましたが、その時すでに腰が悪そうで、リフトが少ない振付で、「全幕ものでの来日はこれが最後」みたいな触れ込みでした。完成された芸で安定しておりましたが、今回のプログラムのなかでは、年齢から来る身体能力の低下が目につきました。往年の名ダンサーを、こんなところに引っ張り出さなくてもいいのでは、と思いました。ポリーナちゃん、まばゆいばかりに光り輝いておりました。
 オシポワ、ワシーリエフの「セレナータ」は、南欧〜中東ふうのエキゾチックな音楽をバックに踊るコンテンポラリーダンス。動きの一つひとつが大きく、鋭い。オシポワの足の筋肉はすごい。なんか馬の筋肉や、カツオがぴちぴち跳ねている様子が頭に浮かびます。第二部最後はロパートキナの「瀕死の白鳥」。まさに至芸で、歌舞伎で言えば玉三郎のような完璧さ。若々しいとか綺麗だとかいうレベルを超越して、「芸」の力をみせてくれました。
 ようやく半分で続いて第三部。まずは「ロミオとジュリエット」のバルコニーのパ・ド・ドゥですが、クランコの振付はぽん太は初めて。アイシュヴァルトとラドメーカーのシュツッツガルトペアは、2年前の「マラーホフの贈り物」の「ボリショイに捧ぐ」で高度なリフトを披露してくれた記憶があります。今回も複雑なリフトを見せてくれましたが、ラドメーカーの方がなんかバタバタしている気がしました。クランコの振付も、見慣れたマクミラン版に比べると、ウルウル度が足りません。
 ルテステュとマルティネスの「『ジュエルズ』より"ダイヤモンド"」は、パリオペらしいエレガントな踊り。「ディスタント・クライズ」。ザハロワもコンテンポラリーを踊るんだ。でもやはり柔らかくて優美でした。ゴメス自身の振付の「パガニーニ」は、舞台上でヴァイオリニスト(チャールズ・ヤン)が弾く「24の奇想曲」にあわせてゴメスが踊るのですが、二人のコミカルな掛け合いが面白い。ヴァイオリンが弾き始める振りのフェイントをかけたり、完璧に踊ったゴメスが「どうだ」とばかりの仕草をしたり。純粋に踊りとしても悪くなかったです。ゴメスの振付に今後も期待。第三部の〆はロホとマックレーの「ラ・シルフィード」。今回のバレフェス、Bプロや全幕プロの「ドンキ」も含め、ぽん太はこのコンビにすっかり魅了されました。「ラ・シルフィード」では、ロホは「ドンキ」とは一転して妖精のように軽やかで、マックレーはすばらしい足さばきを見せてくれました。
 ぜいぜい、ようやく第四部。さすがにお尻が痛くなって来るとともに、ブログを書くのにも疲れてきました。エリザベット・ロスとジル・ロマンのベジャールペアの「ブレルとバルバラ」は、シャンソンにのせたムードあふれる踊り。ジル・ロマンの雰囲気によくあってました。コジョカルとコボーの「明るい小川」はかわゆらしい。マラーホフがマリインスキー・バレエのヴィシニョーワと「カンタータ」の世界初演。振付はミハイロフスキー劇場バレエ(=レニングラード国立バレエ)の芸術監督のナチョ・ドゥアト。マラーホフらしい精神性が感じられました。ポリーナとフォーゲルの「オネーギン」は、ルグリ先生が得意な第3幕ではなく、第1幕のパ・ド・ドゥ。タチアーナが恋するオネーギンに手紙を書きながら、彼と踊る夢想に浸るといった設定か。恋の喜びに包まれた二人の踊りが、第三幕の悲劇的場面と対比されて心を打ちます。Aプロ最後はノヴィコワとサラファーノフの「ドン・キホーテ」。サラファーノフはキレのある踊り。ノヴィコワは……う〜ん、忘れた。
 音楽はポール・コネリー指揮の東京フィル。ダンサーに負けず熱演してくれました……が、ホルンが不安定なのが気になりました。バレエ音楽では、見せ所でホルンがメロディーを奏でることが多いので、もちっと上手な人を投入して欲しかったです。

第13回世界バレエフェスティバル  <プログラムA> 
8月2日 東京文化会館

■第1部■ 18:00~18:45

「スターズ・アンド・ストライプス」
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ジョン・フィリップ・スーザ
ヤーナ・サレンコ ダニール・シムキン

「モペイ」  
振付:マルコ・ゲッケ/音楽:C.P.E. バッハ
フリーデマン・フォーゲル

「幻想~『白鳥の湖』のように」より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
エレーヌ・ブシェ ティアゴ・ボァディン

「ドリーブ組曲」
振付:ジョゼ・マルティネス/音楽:レオ・ドリーブ
上野水香 マシュー・ゴールディング

■第2部■ 19:00~19:45

「扉は必ず...」
振付:イリ・キリアン/音楽:ダーク・ハウブリッヒ(クープランの「プレリュード」に基づく)
オレリー・デュポン マニュエル・ルグリ

「海賊」
振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴ
ポリーナ・セミオノワ イーゴリ・ゼレンスキ

「セレナータ」
振付:マウロ・ビゴンゼッティ/音楽:アメリゴ・シエルヴォ
ナターリヤ・オシポワ イワン・ワシーリエフ

「瀕死の白鳥」
振付:ミハイル・フォーキン/音楽:カミーユ・サン=サーンス
ウリヤーナ・ロパートキナ

■第3部■ 20:00~20:55

「ロミオとジュリエット」より第1幕のパ・ド・ドゥ 
振付:ジョン・クランコ/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
マリア・アイシュヴァルト マライン・ラドメーカー

「ジュエルズ」より"ダイヤモンド"  
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
アニエス・ルテステュ ジョゼ・マルティネス

「ディスタント・クライズ」
振付:エドワード・リャン/音楽:トマゾ・アルビノーニ
スヴェトラーナ・ザハロワ アンドレイ・メルクーリエフ

「パガニーニ」
振付:マルセロ・ゴメス/音楽:ニコロ・パガニーニ
マルセロ・ゴメス

「ラ・シルフィード」第2幕より
振付:ヨハン・コボー オーギュスト・ブルノンヴィルに基づく/音楽:ヘルマン・S.レーヴェンスヨルド
タマラ・ロホ スティーヴン・マックレー

■第4部■ 21:10~22:10

「ブレルとバルバラ」 
振付:モーリス・ベジャール/音楽:ジャック・ブレル、バルバラ
エリザベット・ロス ジル・ロマン

「明るい小川」よりパ・ド・ドゥ  
振付:アレクセイ・ラトマンスキー/音楽:ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー

「カンタータ」 (世界初演)
振付:ナチョ・ドゥアト/音楽:ヨハン・セバスティアン・バッハ
ディアナ・ヴィシニョーワ ウラジーミル・マラーホフ

「オネーギン」より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ポリーナ・セミオノワ フリーデマン・フォーゲル

「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクス
オレシア・ノヴィコワ レオニード・サラファーノフ

指揮:ポール・コネリー 
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 
 
チェロ:遠藤真理、ハープ:田中資子(「瀕死の白鳥」)
ヴァイオリン:チャールズ・ヤン(「パガニーニ」)

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