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2012年8月の9件の記事

2012/08/19

【登山】大迫力!浅間山外輪山を往く

Img_2304
 7月上旬、ぽん太とにゃん子は浅間山に登りに行ってきました。実はぽん太は浅間山は3回目です。最初は浅間山の登山規制がきびしく、黒斑山に登れば浅間山に登ったと見なされるという時代で、車坂峠から黒斑山まで往復しました。2回目は前掛山までの登山が許可されてからで、同じく車坂峠から草すべりを通って前掛山まで往復しました。今回は、黒斑山〜蛇骨山〜仙人岳と外輪山を歩くのを目的にしました。

【山名】浅間山(2568m)、黒斑山(2404m)、蛇骨岳(2366m)、仙人岳(2319.1m)
【山域】上信越
【日程】2012年7月5日
【メンバー】ぽん太、にゃん子
【天候】曇り〜晴れ
【ルート】車坂峠8:47…(表コース)…トーミノ頭…黒斑山10:23…蛇骨岳10:54…仙人岳…(Jバンド)…賽の河原…浅間山13:24…湯ノ平口…(草すべり)…トーミの頭…(中コース)…車坂峠15:59

(※大きい地図や3Dグラフはこちら
【見た花】ハクサンイチゲ、レンゲイワヤナギ、コケモモ、マイヅルソウ、イワカガミ、ツマトリソウ、ゴゼンタチバナ、ツガザクラ、ミツバオウレン、タカネスミレの一種(?)、ミヤマキンバイ、タカネグンナイフウロ、ユキワリソウ(?)
【マイカー登山情報】車坂峠を少し北に下った所に、広い駐車場があります。

 前日泊まった浅間山荘の裏から、火山館コースの登山道が延びているのですが、今回の外輪山を歩くコースでは車坂峠から登った方が歩行距離が短くなるので、車坂峠まで車で移動して、登山を開始しました。Img_2994
 登りは表コースを選択。様々な高山植物が咲いていました。写真の黄色いスミレは、葉っぱが厚くて光沢があるのでタカネスミレの一種と思われますが、山と渓谷社の『日本の高山植物』(1988年)によるとタカネスミレは東北地方に生えるようです。北アルプスや中央アルプスに分布するクモマスミレや、八ヶ岳に特産のヤツガタケキスミレというものがあり、花柱に突起がないことで区別されるようですが、今さら言われても写真を拡大してもボケてますし、よくわかりません。
Img_2297 トーミの頭で外輪山の稜線に出ましたが、浅間山はガスがかかっていて見えません。しかし時おりガスが晴れて、浅間山の独特の美しい山容が姿を見せてくれました。
Img_2298 こちらが、これから歩いて行く外輪山の稜線です。2千数百メーター級の山としては、なかなかの景観です。
Img_2307 蛇骨岳から北を見ると、嬬恋村の向こうに、四阿山や志賀高原の山々が望めます。
Img_2308 鋸岳の手前で、道標に従って右に折れ、急坂を下って行きます。この道はJバンドと呼ばれていますが、変わった名前ですが、由来はググってみたけどわかりません。写真は下から振り返ったJバンドです。
 時間がなかったら外輪山だけで浅間山は省略しようかとも思ったのですが、余裕があったので山頂を目指しました。とはいえ今は登山規制のため前掛山にしか登れません。前掛山は以前に登ったことがあるし、ホントの山頂でもないので省略し、シェルターのところで食事をして折り返すことにしました。
Img_2321 疲れきったところで草すべりの登りがしんどかったです。ところがあちこちにピンクの可愛らしい花が咲き乱れています。その時はハクサンコザクラだと思ったのですが、帰ってから調べてみると、ハクサンコザクラは日本海側の湿地に生えるようですし、また花弁の切れ込みが浅いところを見ると、ユキワリソウのようです。浅間山は、火山特有に地質や、長く登山客が立ち入ってないことから、ちょっと珍しい花が見れるようですね。
 帰りは時間が30分ほど短い中コースを選択しましたが、好天だったにもかかわらず滑りやすい泥道でしたから、雨の日は通らない方が良さそうです。

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2012/08/18

【温泉】オレンジ色の湯は温泉力抜群・天狗温泉浅間山荘(★★★)

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 昔々、今年の7月上旬だったかのう、ぽん太とにゃん子は浅間山に山登りに行ったんだのう。だいぶ間があいてしまいましたが、いまさらながらご報告です。
 浅間山の近くだと、高峰温泉がぽん太とにゃん子のお気に入りの宿ですが、せっかくなので泊まったことがない宿ということで、浅間山荘に泊まることにしました。公式サイトはこちらです(音楽が鳴るので注意)。
 誰ですか、「恐ろしい」と言ってるのは。ちょっと年配な方だと、連合赤軍のあさま山荘事件を思い浮かべるかと思いますが、あの浅間山荘と、今回泊まる浅間山荘は、なんの関係もありません。あの浅間山荘は、軽井沢の南にある別荘地内にありましたが、私有地の別荘地内ですから、場所はここには書きません。
P7050042 こちらが宿の建物です。こざっぱりとしております。敷地が広く、多くのコテージが点在しています。
Img_2278 コテージはキャンプの子供達が泊まってました。地元の小学生の林間学校や登山に利用される宿のようです。
Img_2275 客室もこざっぱりとしております。
 冒頭の写真が温泉です。オレンジ色っぽいまっ茶っちゃのお湯で、もちろん鉄泉です。なめると鉄味と炭酸味がします。う〜ん、これはなかなか温泉力が高いです。湯船の端からお湯がちょろちょろ流れ込んでいますが、泉温は低いようで、加水や循環をしているかどうかは、掲示が見つからずにわかりませんでした。泉質は単純鉄冷鉱泉(炭酸水素塩型)だそうです。
Img_2276 こちらが夕食です。山菜には遅く、茸には早いという時期でしたが、美味しい夏野菜をいただけました。
Img_2277 信州と言えばもちろんお蕎麦がついております。美味しゅうございました。
Img_2280 こちらが朝食です。ヘルシーで美味しゅうございました。
Img_2281 とにかくオレンジ色のお湯の温泉力が抜群で、建物や食事も悪くありません。浅間山の登山基地として利用価値大。もっと上手に宣伝したら知名度が上がるような気がするのですが、生徒さんたちの利用があるので、必死に客を増やさなくてもいいのかもしれません。

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2012/08/17

【バレエ】世界バレエフェスティバル・プログラムB

 夏だ、暑いぞ、バレフェスだ。本日はBプロ。公式サイトはこちらです。
 ポリーナとフォーゲルの「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」は、非常に柔らかくて優美でした。シャルキナ、シャコンのベジャール・ペアの「パルジファル」は、実在の二人と、背後に映った影との対比が面白かったですが、暑い中やってきて体が冷え始めたのか、このあたりから睡魔が襲ってきました。水香とゴールディングの「タイス」は、ぽん太にはどこがどう違うのかわからないのですが、プティらしいオシャレな感じが漂ってきません。ラドメーカーの「エフィ」は、「モペイ」を振り付けたゲッケの作品で、やはりコミカル楽しいダンスです。両手のひらをヒラヒラさせる動きが目につきました。「ドン・キホーテ」で情熱的な踊り、「ラ・シルフィード」では妖精らしい軽さを見せてくれたロホが、今日は「ライモンダ」で、高速のシェネや、3回転を交えたグラン・フェッテなど、超絶的なテクニックを披露してくれました。マックレーも負けじとジャンプやピルエットでアピール。客席は興奮の渦でした。
 第二部は、コジョカルとコボーの「ロミオとジュリエット」から。今日はマクミラン版です。コジョカルはかわいかったですが、コボーがおっさん過ぎて初々しさがないのは、残念だけど仕方がないです。ノヴィコワとサラファーノフの「ウィズアウト・ワーズ」はナチョ・ドゥアトの振付。肌色っぽい衣装にはステッチが入っていて、南欧の中世の雰囲気が漂います。形が彫刻のように美しかったです。ところでバレフェスの公演、最後に出場者全員が踊った衣装で登場するのですが、サラファーノフ君も、この衣装のまま4時間近く待っているのでしょうか?シャワーでも浴びてスッキリしたいだろうな。でもシャワー浴びて着替えた後、またフィナーレで汗だくの衣装を着るのもなんだか……などどいらぬことを考えてしまいました。「椿姫」は、ルテステュのねっとりとした濃厚な踊りに、ビュリョンがついていけなかった気がします。オブラスツォーワとガニオの「ラ・シルフィード」は、マリインスキーとパリオペが見事に融合した、古風でおっとりとして端正な美しさにあふれた舞台でした。
 第三部です。Aプロでドラマチックな「幻想〜『白鳥の湖』のように」を踊ったブシェ、ボァディンが「アダージェット」を踊りました。しっとりとした情感があり、とても感動しました。ブシェは手足が長くて、独特の不思議な魅力を持ったダンサーですね。今後、着目していきたいです。「シェラザード」。フォーキンの振付は、エキゾチックだけども、派手なテクニックの見せ場もなく、なんか古くさくて退屈だな〜とぽん太は思っていたのですが、ポリーナが踊るとこんなにも面白くなるものか!アラブっぽいクネクネした動きも色っぽく、ぽん太は悩殺されてしまいました。デュポンとオファルトの「アザー・ダンス」はオシャレで美しい踊りですが、バレフェスの演目のなかに入るといかんせん地味。さあ来たぜオシポワ、ワシーリエフの「海賊」。大柄なオシポワの力一杯の踊りで、舞台がなんだか小さく感じます。これはもう、ただただ拍手するしかありません。
 第四部、ヴィシニューワとマラーホフの「ル・パルク」は、しっとりとした大人の情熱。ザハロワ、メルクーリエフはBプロでもコンテンポラリーを踊りました。ロパートキナ、ゴメスの「『ジュエルズ』より"ダイヤモンド"」は、これまた「完璧」な踊りで、まさにバレエ界の女王の風格。ルグリの「オネーギン」第3幕のパ・ド・ドゥは、ぽん太は3回目。1回目がルディエール、2回目は今回と同じアイシュヴァルトと踊りました。これはもうるルグリの十八番というか、完成された芸ですね。3回目ということで、ちょっと冷静に眺めてみたのですが、「オネーギン」のオペラや原作では、いまさらながら恋に目覚めたオネーギンに対し、タチアーナはオネーギンに対する拙い初恋の情熱を胸に蘇らせながらも、グレーミン公爵の妻としての人生を全うすることを選び、(表面上は)毅然とした態度でオネーギンを拒絶します。ドストエフスキーによれば、以前は単なる田舎育ちの小娘だと思ってタチアーナの恋を退け、洗練された社交会の花となった姿を見て恋に落ちるオネーギンは、しょせんはタチアーナの本質を愛しているのではなく、見てさえいないのです。タチアーナは、そのようなオネーギンを見て、起こったのでも軽蔑したのでもなく、ただただ哀しかったのですが、バレエではさすがにそこまで複雑な状況を表現するのは難しいようで、「今頃になって好きと言ったって遅いわよ」みたいな感じになってました。そのうちバレエ「オネーギン」の全幕を見てみたいです。今度の東京バレエ団よりちょっといいキャストの公演があったら。
 〆の「ドンキ」は、本日はサレンコとシムキン。若々しくて勢いのある踊りでした。
 「ガラ」は切符が取れなかったので、ぽん太のバレフェスは今年はこれで終わりです。NBSさん、ガラの切符も2枚まで取れるようにして下さい。


第13回世界バレエフェスティバル  <プログラムB> 
8月12日(日) 東京文化会館

■第1部■ 
「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ポリーナ・セミオノワ フリーデマン・フォーゲル

「パルジファル」  
振付:モーリス・ベジャール/音楽:リヒャルト・ワーグナー
カテリーナ・シャルキナ オスカー・シャコン

「タイス」(「マ・パヴロワ」より)
振付:ローラン・プティ/音楽:ジュール・マスネ
上野水香 マシュー・ゴールディング

「エフィ」
振付:マルコ・ゲッケ/音楽:ジョニー・キャッシュ
マライン・ラドメーカー

「ライモンダ」
振付:マリウス・プティパ/音楽:アレクサンドル・グラズノフ
タマラ・ロホ スティーヴン・マックレー

■第2部■
「ロミオとジュリエット」より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー

「ウィズアウト・ワーズ」
振付:ナチョ・ドゥアト/音楽:フランツ・シューベルト
オレシア・ノヴィコワ レオニード・サラファーノフ

「椿姫」より第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:フレデリック・ショパン
アニエス・ルテステュ ステファン・ビュリョン

「ラ・シルフィード」第2幕より
振付:ピエール・ラコット/音楽:ジャン=マドレーヌ・シュナイツホーファー
エフゲーニャ・オブラスツォーワ マチュー・ガニオ
東京バレエ団

■第3部■
「マーラー交響曲第5番」より"アダージェット" 
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:グスタフ・マーラー
エレーヌ・ブシェ ティアゴ・ボァディン

「シェエラザード」 
振付:ミハイル・フォーキン/音楽:ニコライ・リムスキー=コルサコフ
ポリーナ・セミオノワ イーゴリ・ゼレンスキー

「アザー・ダンス」
振付:ジェローム・ロビンズ/音楽:フレデリック・ショパン
オレリー・デュポン ジョシュア・オファルト

「海賊」
振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴ
ナターリヤ・オシポワ イワン・ワシーリエフ

■第4部■ 18:35~19:30
「ル・パルク」
振付:アンジュラン・プレルジョカージュ/音楽:ヴォルフガング・A.モーツァルト
ディアナ・ヴィシニョーワ  ウラジーミル・マラーホフ

「コール・ペルドゥート」  
振付:ナチョ・ドゥアト/音楽:マリア・デル・マール・ボネット
スヴェトラーナ・ザハロワ アンドレイ・メルクーリエフ

「ジュエルズ」より"ダイヤモンド"
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ウリヤーナ・ロパートキナ マルセロ・ゴメス

「オネーギン」より第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
マリア・アイシュヴァルト マニュエル・ルグリ

「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクス
ヤーナ・サレンコ ダニール・シムキン

指揮:ワレリー・オブジャニコフ  
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 
 
ピアノ:髙橋 望 (「椿姫」「アザー・ダンス」「ル・パルク」)

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2012/08/16

【バレエ】世界バレエフェスティバル・プログラムA

 夏だ!バレフェスだ!
 様々なバレエ団に所属する、これだけのダンサーが集まるというのは、ホントに希有なことです。NBSさん、ありがとう。公式サイトはこちらです。
 まずはAプロ。次々と繰り広げられるステージにぽん太はただただ見とれるばかりで、一つひとつの感想を書くのも困難ですが、個人のメモ代わりに一言ずつ書き添えておきます。
 「スターズ・アンド・ストライプ」。スーザのマーチにのせて、軍隊風の衣装で、まるでアメリカのショーのようなステージでした。シムキン君とベルリン国立バレエのサレンコが、若々しく溌剌と踊りました。フォーゲルの「モペイ」はぽん太は2回目。フォーゲル君、この踊りが気に入ってるんでしょうか?背中の筋肉がとても美しかったです。ブシェとボァディンのハンブルクペアの「幻想〜『白鳥の湖』のように」は、情感あふれる舞台でしたが、ストーリーがさっぱりわかりませんでした。あとでググってみたら、「白鳥の湖」の王子をルートヴィヒ2世に重ねた作品出そうな。第一部の最後は水香ちゃんの「ドリーブ組曲」。お相手のマシュー・ゴールディングはぽん太は初めて見ましたが、カナダ人でオランダ国立バレエ所属のようですね。
 第一部ですでに「あ〜すごい」という感じなのに、第二部に入ってさらに一層レベルが上がります。オレリー・デュポンとルグリの「扉は必ず…」はキリアンの振付。初見のぽん太はまたしても設定がわからなかったのですが、なんかうまくいってない男女という感じ。機械的な動き、倦怠、欲望、あきらめ……。細かい動きで表現しているので、オペラグラス必携。なんでもフランスの画家フラゴナール(1732年〜1806年)の代表作のひとつ「閂(かんぬき)」を踏まえているそうです。
 続いてポリーナちゃんの「海賊」。お相手は……ゼ…ゼレンスキー?お、お懐かしゅうございます。なんで突然こんなところに出てきたんだ?1969年生まれだから、43歳のおっさんのはず。2006年にマリインスキー・バレエ団の来日公演で、ロパートキナと「白鳥」を踊ったのを見ましたが、その時すでに腰が悪そうで、リフトが少ない振付で、「全幕ものでの来日はこれが最後」みたいな触れ込みでした。完成された芸で安定しておりましたが、今回のプログラムのなかでは、年齢から来る身体能力の低下が目につきました。往年の名ダンサーを、こんなところに引っ張り出さなくてもいいのでは、と思いました。ポリーナちゃん、まばゆいばかりに光り輝いておりました。
 オシポワ、ワシーリエフの「セレナータ」は、南欧〜中東ふうのエキゾチックな音楽をバックに踊るコンテンポラリーダンス。動きの一つひとつが大きく、鋭い。オシポワの足の筋肉はすごい。なんか馬の筋肉や、カツオがぴちぴち跳ねている様子が頭に浮かびます。第二部最後はロパートキナの「瀕死の白鳥」。まさに至芸で、歌舞伎で言えば玉三郎のような完璧さ。若々しいとか綺麗だとかいうレベルを超越して、「芸」の力をみせてくれました。
 ようやく半分で続いて第三部。まずは「ロミオとジュリエット」のバルコニーのパ・ド・ドゥですが、クランコの振付はぽん太は初めて。アイシュヴァルトとラドメーカーのシュツッツガルトペアは、2年前の「マラーホフの贈り物」の「ボリショイに捧ぐ」で高度なリフトを披露してくれた記憶があります。今回も複雑なリフトを見せてくれましたが、ラドメーカーの方がなんかバタバタしている気がしました。クランコの振付も、見慣れたマクミラン版に比べると、ウルウル度が足りません。
 ルテステュとマルティネスの「『ジュエルズ』より"ダイヤモンド"」は、パリオペらしいエレガントな踊り。「ディスタント・クライズ」。ザハロワもコンテンポラリーを踊るんだ。でもやはり柔らかくて優美でした。ゴメス自身の振付の「パガニーニ」は、舞台上でヴァイオリニスト(チャールズ・ヤン)が弾く「24の奇想曲」にあわせてゴメスが踊るのですが、二人のコミカルな掛け合いが面白い。ヴァイオリンが弾き始める振りのフェイントをかけたり、完璧に踊ったゴメスが「どうだ」とばかりの仕草をしたり。純粋に踊りとしても悪くなかったです。ゴメスの振付に今後も期待。第三部の〆はロホとマックレーの「ラ・シルフィード」。今回のバレフェス、Bプロや全幕プロの「ドンキ」も含め、ぽん太はこのコンビにすっかり魅了されました。「ラ・シルフィード」では、ロホは「ドンキ」とは一転して妖精のように軽やかで、マックレーはすばらしい足さばきを見せてくれました。
 ぜいぜい、ようやく第四部。さすがにお尻が痛くなって来るとともに、ブログを書くのにも疲れてきました。エリザベット・ロスとジル・ロマンのベジャールペアの「ブレルとバルバラ」は、シャンソンにのせたムードあふれる踊り。ジル・ロマンの雰囲気によくあってました。コジョカルとコボーの「明るい小川」はかわゆらしい。マラーホフがマリインスキー・バレエのヴィシニョーワと「カンタータ」の世界初演。振付はミハイロフスキー劇場バレエ(=レニングラード国立バレエ)の芸術監督のナチョ・ドゥアト。マラーホフらしい精神性が感じられました。ポリーナとフォーゲルの「オネーギン」は、ルグリ先生が得意な第3幕ではなく、第1幕のパ・ド・ドゥ。タチアーナが恋するオネーギンに手紙を書きながら、彼と踊る夢想に浸るといった設定か。恋の喜びに包まれた二人の踊りが、第三幕の悲劇的場面と対比されて心を打ちます。Aプロ最後はノヴィコワとサラファーノフの「ドン・キホーテ」。サラファーノフはキレのある踊り。ノヴィコワは……う〜ん、忘れた。
 音楽はポール・コネリー指揮の東京フィル。ダンサーに負けず熱演してくれました……が、ホルンが不安定なのが気になりました。バレエ音楽では、見せ所でホルンがメロディーを奏でることが多いので、もちっと上手な人を投入して欲しかったです。

第13回世界バレエフェスティバル  <プログラムA> 
8月2日 東京文化会館

■第1部■ 18:00~18:45

「スターズ・アンド・ストライプス」
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ジョン・フィリップ・スーザ
ヤーナ・サレンコ ダニール・シムキン

「モペイ」  
振付:マルコ・ゲッケ/音楽:C.P.E. バッハ
フリーデマン・フォーゲル

「幻想~『白鳥の湖』のように」より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
エレーヌ・ブシェ ティアゴ・ボァディン

「ドリーブ組曲」
振付:ジョゼ・マルティネス/音楽:レオ・ドリーブ
上野水香 マシュー・ゴールディング

■第2部■ 19:00~19:45

「扉は必ず...」
振付:イリ・キリアン/音楽:ダーク・ハウブリッヒ(クープランの「プレリュード」に基づく)
オレリー・デュポン マニュエル・ルグリ

「海賊」
振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴ
ポリーナ・セミオノワ イーゴリ・ゼレンスキ

「セレナータ」
振付:マウロ・ビゴンゼッティ/音楽:アメリゴ・シエルヴォ
ナターリヤ・オシポワ イワン・ワシーリエフ

「瀕死の白鳥」
振付:ミハイル・フォーキン/音楽:カミーユ・サン=サーンス
ウリヤーナ・ロパートキナ

■第3部■ 20:00~20:55

「ロミオとジュリエット」より第1幕のパ・ド・ドゥ 
振付:ジョン・クランコ/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
マリア・アイシュヴァルト マライン・ラドメーカー

「ジュエルズ」より"ダイヤモンド"  
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
アニエス・ルテステュ ジョゼ・マルティネス

「ディスタント・クライズ」
振付:エドワード・リャン/音楽:トマゾ・アルビノーニ
スヴェトラーナ・ザハロワ アンドレイ・メルクーリエフ

「パガニーニ」
振付:マルセロ・ゴメス/音楽:ニコロ・パガニーニ
マルセロ・ゴメス

「ラ・シルフィード」第2幕より
振付:ヨハン・コボー オーギュスト・ブルノンヴィルに基づく/音楽:ヘルマン・S.レーヴェンスヨルド
タマラ・ロホ スティーヴン・マックレー

■第4部■ 21:10~22:10

「ブレルとバルバラ」 
振付:モーリス・ベジャール/音楽:ジャック・ブレル、バルバラ
エリザベット・ロス ジル・ロマン

「明るい小川」よりパ・ド・ドゥ  
振付:アレクセイ・ラトマンスキー/音楽:ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー

「カンタータ」 (世界初演)
振付:ナチョ・ドゥアト/音楽:ヨハン・セバスティアン・バッハ
ディアナ・ヴィシニョーワ ウラジーミル・マラーホフ

「オネーギン」より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ポリーナ・セミオノワ フリーデマン・フォーゲル

「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクス
オレシア・ノヴィコワ レオニード・サラファーノフ

指揮:ポール・コネリー 
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 
 
チェロ:遠藤真理、ハープ:田中資子(「瀕死の白鳥」)
ヴァイオリン:チャールズ・ヤン(「パガニーニ」)

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2012/08/10

【歌舞伎】根源的な悪にまで迫れず「桜姫東文章」2012年8月新橋演舞場昼の部

 8月の歌舞伎は、夜の部の海老蔵の「伊達の十役」は以前に観たことがあるので省略し、昼の部だけの観劇。公式サイトはこちらです。
 「桜姫東文章」は、鶴屋南北の作で文化14年(1817年)に初演された演目。南北らしい、奇想天外で何でもあり、おどろおどろしくも美しい芝居です。ぽん太は、2009年のコクーン歌舞伎で、この作品を元に串田和美が演出した「桜姫」を観たことがあります。
 今回の舞台は、8月の納涼エンタテイメントとして、ふつーに面白く仕上がっていたと思うのですが、ぽん太自身の好みからいうと、人間に潜む「悪」の深淵まであぶり出して、観る人を震撼させるようなところまで行ってほしかったです。仁左衛門の「盟三五大切」みたいに。
 白菊丸と桜姫を演じた福助は、稚児白菊丸やおぼこな桜姫を、妙なことをせずに可愛らしく演じておりましたが、やはり本領は三幕の「風鈴お姫」か。廓言葉と姫言葉がごちゃ混ぜになった勢いのいいセリフ回しも面白かったです。決まりきまりも錦絵のごとく美しかったですが、ゾクゾクするような猟奇的な美しさ、とまではいかなかったです。
 愛之助の清玄は、ちょっときれいで格好良すぎ。もっと情欲を前面に出して欲しかったです。「岩淵庵室」でのセリフ回しは海老蔵がうつったのか。客席から笑いが起こってました。
 海老蔵の釣鐘権助は、顔も怖いし確かに悪い奴ではありますが、六本木のチンピラレベルの悪に留まっていて、根源的な悪にまでは達していませんでした。
 右近の粟津七郎はツヤがあって安心して見られました。福助の息子の児太郎が吉田松若。入間悪五郎の亀蔵は、芸達者な人なのに今回は意外と目立たず。市蔵と萬次郎の残月・長浦のコンビが上手くて面白かったです。

 ところで、チラシの解説によると、この作品は「清玄桜姫」の物語と「梅若伝説」を取り入れて作られているそうな。といっても無学なぽん太はどちらも知りません。ということで、調べてみました。
 まず「清玄桜姫」ですが、こちらのWikipediaがわかりやすいです。歌舞伎の「世界」のひとつで、「清玄が桜姫を見染めるが逃げられ、自身も寺を追放される。落ちぶれた清玄のもとを桜姫が訪れ、恋慕の情を訴えるが殺されてしまう。しかし清玄は幽霊となって桜姫につきまとう」というようなものだそうです。江戸時代には、弥生狂言として、桜の咲く時期に毎年のように上演されたそうですが、近年は「桜姫東文章」を除いてほぼ廃れてしまったそうです。
 次いで「梅若伝説」ですが、例えばこちらの歌舞伎のおはなしをご覧下さい。コピペさせていただくと、「京都洛北の北白川に吉田少将行房という者が住んでいて、吉田家には"梅若丸"とうい名の幼い子供がいました。この梅若丸があるとき人買いにさらわれて、東国は武蔵の国、隅田川のほとりで病死しました。母親は子供を訪ねて旅を続けるのですが、悲しみのあまりとうとう発狂して隅田川のほとりをさ迷う」というものだそうです。能の「隅田川」もこの伝説を扱っているのですね。梅若丸を弔った塚は、現在は木母寺(もくぼじ)(公式サイト)となっているそうです。ぽん太もそのうち訪れてみたいです。


新橋演舞場
八月花形歌舞伎
平成24年8月 昼の部

桜姫東文章(さくらひめあずまぶんしょう)
  発 端 江の島稚児ヶ淵の場
  序 幕 新清水の場
      桜谷草庵の場
  二幕目 三囲の場
  三幕目 岩淵庵室の場
  四幕目 権助住居の場
  大 詰 浅草雷門の場

          白菊丸/桜姫  福 助
       清玄/稲野屋半兵衛  愛之助
            粟津七郎  右 近
           葛飾のお十  笑 也
            吉田松若  児太郎
             奴軍助  弘太郎
            端女お咲  歌 江
           入間悪五郎  亀 蔵
              残月  市 蔵
              長浦  萬次郎
   釣鐘権助/大友常陸之助頼国  海老蔵

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2012/08/09

【バレエ】バジルを尻にひきそうなロホのキトリ「ドン・キホーテ」世界バレエフェスティバル

 今年の世界バレフェスは「ドンキ」から。「ドンキ」といえばオシポワ/ワシーリエフ組を観たかったけれど、月曜日は無理なので、日曜日のロホ/マックレーを観に行ってきました。バジルは当初の予定のセルゲイ・ポルーニンからの変更ですが、これが良かったのか悪かったのかすら、ぽん太にはよくわかりません。公演の公式サイトはこちら
 恒例の小芝居もすんで広場のシーンとなり、キトリちゃんが登場してジャ〜〜ンプ!う〜ん、やっぱりこれはオシポワの超人的ジャンプにはかなわないな〜、などと思って観ていたのですが、だんだんろロホのキトリに魅了されてゆきました。ぽん太は、ロホの全幕物は「コッペリア」しか観たことがなく、そのときはとっても可愛らしい印象だったのですが、今回のキトリは、スペインらしい明るさと濃厚さがありました。フラメンコのようにねっとりとタメたり、要所ようしょをビシっと決める動きは、スペイン人のロホには生来身についているものなのでしょうか。迫力や風格もあり、キトリちゃんもバジルと結婚したら、子供を何人も生んで、でっぷり太って、父ちゃんを尻にひくんだろうな、と思いました。踊っているときの表情がとっても豊かで、笑ったり、真剣な表情になったり、ちょっとおどけてみたり、すましたりし、それが踊りにも現れてました。バランスがすばらしく、シェネも高速。グランフェッテはダブルの連続でした。
 バジルはスティーブン・マックレーは、英国ロイヤルの「ロミジュリ」で吉田都子の相手をしたのを観ました。バジルは全幕では初役だそうです。身体の線は細いけど、キレが良くてとても軽やかです。片手リフトがなかったのは、二人の体格からいって仕方ないか。将来が楽しみです。
 ドン・キホーテが高岸直樹、エスパーダが木村和夫と、男性幹部級ダンサー総出演。木村アニイ、ご苦労様でした。メルセデスの奈良春夏、動きにスペインらしいタメがなく、まるでどこかのマダムといった感じです。先ほど書いたようにタマラ・ロホが様々に表情を変えながら踊るのに対し、奈良春夏はいつも同じ笑顔で踊ってます。このあたりに表現力の違いが出て来るのでしょうか。ドリアードの女王の渡辺理恵、ちょっと緊張していた感じでしたが、エレガンスさが目に残りました。吉岡美佳が若いジプシーの娘。この踊り、ぽん太は嫌いです。実はぽん太は「ドンキ」全幕は東京バレエ団以外観たことないのですが、他の振り付けでもこの踊りがあるのでしょうか。なんか、楽しい「ドンキ」の物語のなかで、ひとり行っちゃった感じで鬼気迫る踊りを繰り広げ、なんかここだけ浮いてるし、見ていて怖いです。音楽もアニメ風に聴こえて違和感があります。高村順子のキューピッドはいつもながらのはまり役。ポール・コネリー指揮の東京フィルも、パンチとキレがあってよかったです。


第13回世界バレエフェスティバル 全幕特別プロ
「ドン・キホーテ」
2012年7月29日 東京文化会館

◆主な配役◆
キトリ/ドゥルシネア姫:タマラ・ロホ
バジル:スティーブン・マックレー
ドン・キホーテ:高岸直樹
サンチョ・パンサ:高橋竜太
ガマーシュ:松下裕次
メルセデス:奈良春夏
エスパーダ:木村和夫
ロレンツォ:永田雄大

【第1幕】
2人のキトリの友人:佐伯知香‐吉川留衣
闘牛士:長瀬直義、宮本祐宜、柄本弾、梅澤紘貴、森川茉央、安田峻介、杉山優一、松野乃知
若いジプシーの娘:吉岡美佳
ドリアードの女王:渡辺理恵
3人のドリアード:西村真由美、矢島まい、川島麻実子
4人のドリアード:森志織、村上美香、岸本夏未、阪井麻美
キューピッド:高村順子

【第2幕】
ヴァリエーション1:吉川留衣
ヴァリエーション2:佐伯知香

協力:チャイコフスキー記念東京バレエ学校

指揮:ポール・コネリー
演奏:東京フィルハーモニック交響楽団

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2012/08/08

【歌舞伎】猿之助の「黒塚」は哀しき哉。2012年7月新橋演舞場夜の部

 あ〜あ、暑くてだるくて頭も働かず、ブログも書けまひぇん。ぽん太です。七月の新橋演舞場、昼の部の「ヤマトタケル」は先月観たので、夜の部だけの観劇です。松竹の公式サイトはこちらです。
 まずは中車の山岡鉄太郎で「将軍江戸を去る」。脚本の真山青果は、理屈っぽいのでぽん太は嫌いです。以前に観たとき、「尊王と勤王の違いは〜」とか言ってたけど、どう違うんだかよくわからなかったので、今回は注意して台詞を聞いていたのですが、やっぱりよくわかりませんでした。 そこで家に帰ってから戯曲を読み直してみたところ(「真山青果全集 第7巻』講談社、1975年、に収録されております)、山岡の言うには、日本国の主権大権は天皇にあり、将軍家は一時的にそれを行使する役目を与えられているに過ぎない。そのことを忘れて、ただただ皇室を外面的にあがめているのは「尊王」にすぎない。皇室にこそ主権があることを認め、経済・軍事などもろもろの権力を皇室にお返しすることこそが真の「勤王」だ、ということのようです。
 う〜ん、やっぱ理屈っぽい。「江戸の町が火の海になるのを防ぎ、庶民の生活を守るため」などというのは全く関係ないようです。
 だいたい一度は江戸城を去ることを決めた慶喜が、再び反旗を翻そうと思った理由も、第十五代将軍として皇室に従い、大政を奉還するのは仕方ないが、それにつけても薩摩・長州にさんざんひどい仕打ちをされた恨みが忘れられず、今は一人の人間である徳川慶喜として、この汚辱を晴らしてくれよう、というもののようです。なんか小さいですね。
 話しは変わりますが、観劇から時間がたってしまって正確には覚えてないのですが、慶喜が突然「戦は二度と起こしてはならぬのだ〜」みたいなことを言いだして、軍国主義思想的な真山青果がそんなセリフを書いたのかとびっくりした記憶があるのですが、やはり原作にはそのようなセリフはありませんでした。戦後に付け加えたものでしょうか?
 市川中車が山岡鉄太郎。昭和8〜9年に発表された新歌舞伎だからやりやすいとはいえ、台詞でもって芝居全体を引っ張る難役。まさに体当たりの演技で、多少声をからしながらも、最初から最後までテンションを失わず、気魄を込めて演じきりました。ただ、台詞を張ったり、ふと声を落としたり、間をとったりというあたりはまだまだです。また、お辞儀をしたり、前に進み出たり、さっと退いたりといった所作も、形が決まりません。共演していた海老蔵が上手に見えましたhappy01
 慶喜を演じた團十郎は、言わずと知れた歌舞伎界の重鎮。対する中車は、初心者以前の赤子同然。二人の立場の差がそのまま舞台に出てしまった感じで、鉄太郎がただただかしこまり、平伏しつつ、将軍様にご意見申し上げている感じでした。山岡鉄太郎も人間の大きさをちらりと見せて、ぐっと慶喜に迫るようなところもあると良かったです。
 團十郎の様式的というか、リアルでないhappy01演技によって、舞台がとても歌舞伎らしく見えました。貫禄と居いい鷹揚さといい、最後の将軍の風格がありました。哀愁にひたったり、ぐっと気負い立ったり、ふと我に返って本音をもらしたりと、一つひとつの演技が見事。最後の江戸を去る場面も、個人的な思いはぐっと飲み込んで、歴史のなかでの自分の役割を果たそうとする姿が、ぽん太の胸を打ちました。
 口上は、猿之助、中車、團子と、團十郎、海老蔵という少人数。海老蔵が、猿之助が同じ本を3冊くれたとか、先月の團子の「猿翁さんより立派な役者になりたいです」という口上を聞いて、なんと大それたことを言うかと驚いただとか、軽妙な話題で笑いを誘ってました。
 口上を挟んで猿之助の「黒塚」。ぽん太は以前に右近で観ているはずですが、よく覚えてません。そのときの記事にも書きましたが、この舞踊は奥州安達が原の鬼婆伝説が元になっており、鬼婆の亡がらを祭った黒塚は、福島県二本松市の観世寺(Yahoo地図)にあるそうです。
 で、猿之助は、正体を現してからの迫力は言うまでもありませんが、救われると知った老婆が、童心に返って自らの影と戯れるという見せ場の、ちょっと猟奇的・倒錯的な詩情が素晴らしかったです。このあと阿闍梨が約束を破って家の中を覗くことによって、老女の喜びが束の間に終わることがわかっているので、なおささら哀しくてなりません。若い猿之助は、芸の力でもってこの踊りを踊ってみせたのですが、やがて猿之助自身が年老いたとき、どのような「黒塚」を踊るか観てみたいと思いました……が、そのときゃぽん太は死んでるか……。
 最後の「楼門五三桐」は何もかも切り詰めたとっても短いバージョンで、舞台の上で生身の猿翁を観れるというもの。ありがたや、ありがたや。カーテンコールで猿翁を支える黒衣が実は中車という演出も、既にあちこにか書かれていますが、自分のメモ代わりにあらためて書いておきます。


新橋演舞場
七月大歌舞伎
平成24年7月 夜の部

一、将軍江戸を去る(しょうぐんえどをさる)
                徳川慶喜       團十郎
               山岡鉄太郎       中 車
               間宮金八郎       猿 弥
               吉崎角之助       月乃助
                天野八郎       右 近
               高橋伊勢守       海老蔵

二、口上
  四代目市川猿之助・九代目市川中車 襲名披露
  五代目市川團子 初舞台
                      亀治郎改め猿之助
                           中 車
                        初舞台團 子
                           幹部俳優出演

三、猿翁十種の内 黒塚(くろづか)
         老女岩手実は安達原鬼女  亀治郎改め猿之助
               山伏大和坊       門之助
               山伏讃岐坊       右 近
               強力太郎吾       猿 弥
               阿闍梨祐慶       團十郎

四、楼門五三桐(さんもんごさんのきり)
                真柴久吉  猿之助改め猿 翁
                左枝利家       段四郎
              石川五右衛門       海老蔵

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2012/08/03

【登山】ちょっと過剰整備。夏晴れの平標山

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 あまりの暑さに東京を脱出したぽん太とにゃん子、登ったことのない手頃な山はないかと探したあげく、平標山に登ることにしました。暑さをしのぐためには、できれば標高2000メートルから登り始めたかったところですが、仕方ありません。
 平標山は、苗場山の西側に位置しており、苗場スキー場やかぐら・みつまた・田代スキー場でスキーをしていると、国道十七号線の反対側に、真っ白に雪をかぶった姿を見ることができます。

【山名】平標山(1983.7m)
【山域】上信国境
【日程】2012年7月26日
【メンバー】ぽん太、にゃん子
【天候】晴れ
【ルート】平標登山口駐車場9:07…松手山…平標山山頂12:33…平標山ノ家…(平元新道)…平標登山口駐車場15:31

(※大きい地図や3Dグラフはこちら
【見た花】アカモノ(実)、ヤマツツジ、ウツボグサ、オオヤマサギソウ、クガイソウ、クモキリソウ、オトギリソウの一種、クルマユリ、ハクサンシャクナゲ、ツルアリドオシ、タカネニガナ、コゴメグサ、ハクサンフウロ、ノンコンギク、シモツケソウ、ツリガネニンジン、オオバギボウシ、キオン、コメツツジ(初)、ヤマハハコ、ニッコウキスゲ、オタカラコウ、キンコウカ
【マイカー登山情報】平標登山口に大きな駐車場があります。料金500円也。
【注意事項】・越後湯沢から平標登山口までの国道17号線にはコンビニはありません。越後湯沢周辺で買い出しをお済ませ下さい。
・どっち周りのルートがいいかという問題ですが、ぽん太と同じ方向をおすすめします。平元新道は樹林帯のなか急な階段が延々と続くので、下山で利用した方がいいです。

Img_2603 駐車場に車を停めて登山開始。天気は快晴。日焼け止めを入念に塗り、水も1.5リッター準備して、こまめの給水を心がけます。
 平日だというのに駐車場には既に多数の車が停まっており、バスで到着した団体さんも。人気の山のようです。
 登山道は過剰ともいえるほど整備されており、階段が延々と続きます。さるやんごとなきお方が登ったのでしょうか?
 写真は道ばたに咲いていたラン系の花。帰宅して調べたところ、オオヤマサギソウのようです。初めてかと思ったら、図鑑に線が引いてあったので、以前に見たことがあるようです。
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 似ていますが、こちらはよく見かけるクモキリソウですね。
Img_2611 松手山を抜けると森林限界を越え、これから登る伸びやかな稜線が見えてきます。頂上は、写真中央やや右のピークです。天気がよくて(暑いけど)気持ちよいです。様々な高山植物も目を楽しませてくれます。
Img_2615 産毛のはえた小さな白い花。ツルアリドオシだそうです。これも以前に見たことがあるようです。
Img_2628 白いちっちゃなツツジ。コメツツジは、ぽん太は初めてです。
Img_2631 西側は雲に覆われていたのですが、一瞬だけ苗場山が姿を現しました。湿原をなす平らな山頂が、堂々たる風格です。
Img_2635 山頂から仙ノ倉山に続く稜線。せっかくなので往復したかったのですが、時間がないのであきらめました。
Img_2640 山頂から平標山ノ家に下る稜線は、キンコウカのお花畑でした。冒頭の写真は、山ノ家から山頂を振り返ったものです。
 こっからの下山は、花も展望もない林のなかの急な階段を、延々と下ります。麓が近づいてくると、なにやらビートのきいた音楽が聴こえてきます。明日から苗場プリンスで、フジロックフェスティバルが開催されるそうです。苗プリ周辺は、ロックっぽい服装の若者たちが、次々とつめかけていました。

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2012/08/02

【温泉】「明治時代部屋」は雰囲気あり。夏も良い貝掛温泉(★★★★)

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 7月下旬、あまりに東京が暑いので、節電も込めて東京脱出を決意。平標山に登ることとし、近くにある貝掛温泉に泊まることにしました。ホームページはこちらです。
 実はこの温泉に泊まるのは3回目。ところがホームページを見ていると、「明治時代部屋」と呼ばれる部屋があるらしい。しかもお値段は安め。古めかしい旅館が好きなぽん太とにゃん子は、迷わずこのお部屋を指定。トイレと洗面台はないそうですが、まったく気になりません。ふふふ、どんな部屋か楽しみです。
Img_2569 玄関付近の建物は築15年ほどで、ぽん太が最初に泊まった頃は出来たばかりで真新しい印象でしたが、年数が立って落ち着いた雰囲気になりました。これまでスキーの時にしか泊まったことがないのですが、今は窓にスダレをかけてすっかり夏の装いです。周囲も冬には深い雪に覆われていますが、いまは樹々の緑が美しいです。
Img_2571 本館は明治2年築とのこと。新しくリフォームされてありますが、年期の入った柱や梁、使い込まれた建具が、歴史を感じさせます。
Img_2573 こちらが客室です。とても落ち着く雰囲気です。気温は、東京より10度近く低い26度くらいでしたが、戸や窓を開け放つと、吹き抜ける風が心地よいです。のれんや屏風で、戸を開けてもなかを覗かれないように配慮されています。
Img_2570 こちらの窓も、なかなか細かい意匠がこらされています。ぽん太とにゃん子は「明治時代部屋」に大満足です。
Img_2576 さて、お風呂ですが、露天風呂付きの内湯が二つあり、夜の7時に男女入れ替わりとなります。お湯は無色透明ですが、なめるとちょっと塩っぱいです。温度はぬるめで、泉温は36.8度くらいだそうですが、加熱された浴槽もあります。ぬるめのお湯にゆっくり使っていると、体の芯から暖まります。
Img_2581 内湯は天井も高く広々としております。天井を支える梁が見事です。
 貝掛温泉は、江戸時代から、「目の温泉」として知られていたそうです。このことは、前回泊まった時はあまり強調されてなかった気がします(ぽん太が気がつかなかっただけかも)。
Img_2578 こちらが露天風呂。かなり広々としておりますが、湯量が豊富なおかげです。
Img_2583 露天風呂の横にあるお堂に、源泉があります。源泉がとうとうと流れ込んできます。
Img_2588 さて、夕食は食堂でいただきます。夏らしい素材を使った会席料理です。目に良い温泉に合わせて、お食事も薬膳粥や、メニューに目に良い魚と書かれた虹鱒など、ただ美味しいだけでなく、体に良いお料理が用意されております。
 また、平日だというのに、けっこう多くのお客さんが泊まっているのに驚きました。中高年の夫婦や、ご夫人の団体が多いようでした。
Img_2589 新潟と言えば日本酒。様々な銘柄の日本酒が用意されておりますが、どれも飲みたいぽん太は、三種類の利き酒セットを注文。
Img_2591Img_2592 岩魚の塩焼きや天ぷらは、アツアツで運ばれてきます。
Img_2593Img_2594 ご飯はもちろん地元のコシヒカリ。もちもちした感じではないのですが、とても美味しいです。
Img_2595 こちらは朝食です。干物はなんと高級魚ののどぐろ。栃尾揚げもついて、こちらも美味しゅうございました。
 もともと風情のある建物ですが、明治時代部屋がさらに気に入りました。温泉もぬるめですが湯量が豊富。「目の温泉」を掲げて、お食事も体にいいメニューを用意しています。冬だけでなく、夏もとってもよかったです。ぽん太の評価は4点。

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