« 【歩かないと行けない温泉(7)】雄大な自然のなかのレトロな建物/黒薙温泉旅館(★★★★★)歩行時間20分(付:黒部専用鉄道EB5) | トップページ | 【歩かないと行けない温泉(8)】黒部渓谷の広々した露天と野趣あふれる河原の露天風呂/祖母谷温泉(★★★★)歩行時間40分 »

2012/10/26

【歌舞伎】千穐楽なのになんか元気がなかった。2012年10月新橋演舞場昼の部

 千穐楽に行ってきました。
 「国性爺合戦」はぽん太は初めてでした。近松門左衛門の名作として名高く、題名は受験勉強の頃から耳にしておりましたが、ようやく舞台を観ることができました。
 「国性爺合戦」という名前から、どっかのオジさん二人が喧嘩する話しかと思ってましたが、全然違ってました。中国明代の実在の武将、鄭成功(ていせいこう)(1624年〜1662年)をモデルとした話しだそうです。詳しくはWikipediaを参照して下さい。元となる人形浄瑠璃は、正徳5年(1715年)に竹本座で初演されて人気を呼び、17ヶ月のロングランを記録したそうです。
 今回の上演は浄瑠璃の三段目だけでしたが、異国情緒ある舞台と衣装が美しく、老一官・渚と錦祥女の親子の情、妻を殺さねば見方は出来ぬという甘輝の武士道(?)精神、自らの命を犠牲にする錦祥女、川におしろいを流すが紅を流すかで答えを伝えるという趣向など、なかなか見応えがありました。
 なんといっても秀太郎の渚が印象に残りました。母親としての優しさや情はもとより、血気にはやる和藤内をいさめる冷静さ、錦祥女を守ろうとするときの毅然とした態度など、一つひとつの表現がすばらしかったです。和藤内の松緑は、こうした丸本ものの荒事は迫力があってよかったです。ちょっと顔がぷっくりしているのが気になる芝雀も、中国風の化粧をするととても綺麗でした。甘輝の梅玉は、美しく堂々たる武将ぶりでしたが、大将軍に見えてしまうのは致し方ないところ。染五郎がエネルギッシュに演じて、松緑と若者同士力をあわせて韃靼王に立ち向かっていく、というヴァージョンも見てみたかったです。
 「勧進帳」は、先日観た夜の部と配役を入れ替え、團十郎の弁慶と幸四郎の富樫。楽しみにしていたのですが、團十郎が声が出ないうえ、全体に元気がありませんでした。幸四郎の富樫は、松羽目物らしい様式感に欠け、『屋根の上のバイオリン弾き』という感じでした。義経一行の通行を許して立ち去る時に上を向く仕草も、表情で演技してしまっていて歌舞伎らしくなかったです。セリフも小節が利きすぎてる気がしました。藤十郎の義経はあいかわらず最高でしたが、全体として、ちょっと気迫や緊迫感に欠ける舞台になってしまいました。團十郎、昼夜「勧進帳」でお疲れなのでしょうか。染五郎丈とともに、早いご回復をお祈りしたいと思います。
 終演は2時30分と早い。疲れなくていいけど、その分料金を安くして欲しいです。また千穐楽というのに空席が目立ちました。演目の選択をもう少し考えた方がいいのではないでしょうか。


新橋演舞場
芸術祭十月大歌舞伎
七世 松本幸四郎 追遠
平成24年10月  昼の部

一、国性爺合戦(こくせんやかっせん)
  獅子ヶ城楼門
  獅子ヶ城内甘輝館
  同 紅流し
  同 元の甘輝館
                    和藤内  松 緑
                    錦祥女  芝 雀
                    老一官  歌 六
                      渚  秀太郎
                     甘輝  梅 玉

二、歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)
                  武蔵坊弁慶  團十郎
                  富樫左衛門  幸四郎
                   亀井六郎  友右衛門
                   片岡八郎  家 橘
                   駿河次郎  右之助
                  常陸坊海尊  市 蔵
                    源義経  藤十郎

|

« 【歩かないと行けない温泉(7)】雄大な自然のなかのレトロな建物/黒薙温泉旅館(★★★★★)歩行時間20分(付:黒部専用鉄道EB5) | トップページ | 【歩かないと行けない温泉(8)】黒部渓谷の広々した露天と野趣あふれる河原の露天風呂/祖母谷温泉(★★★★)歩行時間40分 »

芸能・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74997/55963988

この記事へのトラックバック一覧です: 【歌舞伎】千穐楽なのになんか元気がなかった。2012年10月新橋演舞場昼の部:

« 【歩かないと行けない温泉(7)】雄大な自然のなかのレトロな建物/黒薙温泉旅館(★★★★★)歩行時間20分(付:黒部専用鉄道EB5) | トップページ | 【歩かないと行けない温泉(8)】黒部渓谷の広々した露天と野趣あふれる河原の露天風呂/祖母谷温泉(★★★★)歩行時間40分 »