« 【温泉・カニ】香住もいいけど松葉だね/きむらや(★★★★) | トップページ | 【バレエ】ロパートキナの異次元の踊り「ラ・バヤデール」マリインスキー・バレエ »

2012/11/15

【歌舞伎】見所満載・見応え不十分、猿之助の「天竺徳兵衛新噺」2012年11月明治座夜の部

 11月の明治座は、猿之助率いる澤瀉屋一門による公演。ちと用事が立て込んでいるぽん太は、これまで見たことがない演目の夜の部だけ観劇しました。公式サイトはこちらです。
 猿之助が早変わりに宙乗りに、木琴演奏をしたり幽霊になったりと大奮闘。自らがCM出演しているソルマックまで持ち出して大サービス。大ガマガエルが登場したり、「山門」のせり上がりなど仕掛けも目を引き、おおいに楽しめました。
 でも残念ながら、「歌舞伎」としての見応えは、あまりありませんでした。目を見張るような場面をずらりと並べたような芝居で、全体がぶつ切りな感じで、ドラマとしての盛り上がりやストーリー展開に欠け、感動するようなシーンもありません。「毛剃」の「元船」や、「山門」など、どこかで見た場面も多く、「歌舞伎名場面集」みたいでした。
 段四郎は休演。米吉はこれまであまり意識してなかったのですが、小平次妹おまきの演技が印象に残りました。顔はかわいいのに、男性関係に妙に積極的だったりして、変な娘です。
 今回の狂言の元となる「天竺徳兵衛韓噺」は、四世鶴屋南北の出世作なんだそうな。初演は享和4年(1804年) 江戸河原崎座とのこと。河原崎座は、木挽町(現在のマリオット銀座東武ホテル付近)にあった劇場ですね。
 四世鶴屋南北は、宝暦5年(1755年)に生まれ、文政12年(1829年)に亡くなりましたから、この芝居を作ったのが49歳のとき。意外と遅いデビューだったんですね。
 「天竺徳兵衛韓噺」に関しては、文化デジタルライブラリーに詳しい解説があります。この演目が初演された1804年は、ロシア使節のレザノフが長崎に来航したりして、庶民のあいだにも外国への関心が高まっていたんだそうです。猿之助の弾いた木琴も、ぽん太は「木琴」と聞くと「小学生」を思い出しますが、当時は中国から伝わった「外国の楽器」というイメージだったそうです。
 をゝ、天竺徳兵衛はなんと実在の人物とのこと。Wikipediaにも出ています。慶長17年(1612年)に播磨国加古郡高砂町(現在の兵庫県高砂市)で出生。鎖国(寛永16年(1639年))が行われる前に、商人として海外貿易に関わり、ヤン・ヨーステン(八重洲という地名の由来の人ですね)とともにインドまで行ったということで、「天竺徳兵衛」と呼ばれるようになったそうです。鎖国がしかれたのち、『天竺渡海物語』を書いて長崎奉行に提出をしましたが、中身はアヤシい部分が多いそうです。兵庫県高砂市の善立寺にお墓があるとのこと。そのうちみちくさしてみたいと思います。


明治座
十一月花形歌舞伎
平成24年11月 夜の部

三代猿之助四十八撰の内
通し狂言 天竺徳兵衛新噺(てんじくとくべえいまようばなし)
  市川猿之助宙乗り相勤め申し候

  序 幕 遠州灘元船の場より
  大 詰 梅津館奥庭の場まで

    天竺徳兵衛/小平次/女房おとわ  市川 猿之助
               尾形十郎  市川 右 近
                枝折姫  市川 笑 也
        木曽官の霊/馬士多九郎  市川 猿 弥
            小平次妹おまき  中村 米 吉
               百姓正作  市川 寿 猿
                奴磯平  中村 亀 鶴
              梅津桂之介  市川 男女蔵
             今川左馬次郎  市川 門之助
             今川奥方葛城  市村 萬次郎
           菊地大膳太夫貞行  市川 段四郎

|

« 【温泉・カニ】香住もいいけど松葉だね/きむらや(★★★★) | トップページ | 【バレエ】ロパートキナの異次元の踊り「ラ・バヤデール」マリインスキー・バレエ »

芸能・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74997/56117910

この記事へのトラックバック一覧です: 【歌舞伎】見所満載・見応え不十分、猿之助の「天竺徳兵衛新噺」2012年11月明治座夜の部:

« 【温泉・カニ】香住もいいけど松葉だね/きむらや(★★★★) | トップページ | 【バレエ】ロパートキナの異次元の踊り「ラ・バヤデール」マリインスキー・バレエ »