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2012/11/03

【バレエ】熊川哲也の気迫/Kバレエカンパニー「ドン・キホーテ」

 熊川哲也のバジルと聞いたら、観ないわけにはいきません。Youtubeで見た熊川が16歳のときのローザンヌ・コンクールでの踊りが目に焼き付いています。
 でもファンクラブを退会したら、3階席しかとれませんでした。ファンクラブを辞めたといっても、ファンをやめたわけではありません。ぽん太が数年前にバレエ鑑賞に目覚めたとき、「日本でバレエといえば熊哲だろう」とファンクラブに入会し、その後時間の許す限りほとんどの公演を観させていただきました。美しく楽しい舞台に感動するとともに、いろいろ勉強もさせていただきました。ほんとうにありがとう。ただ、Kバレエの客層と雰囲気は、中高年のおっさんタヌキのぽん太にはちょっと辛いものがあり、また熊川が出演しない公演も増えてきたため、これからは観たい公演を選んで普通にチケットをとって行きたいと思います。
 で、オーチャードホールの3階席は、意外と舞台を観やすいのに驚きました。舞台全体が見渡せるので、群舞や群衆シーンが楽しめ、一階席とは違った面白さが感じられました。ただジャンプの高さは一階の方が迫力ありますね。
 で、なんと、ぽん太がKバレエの「ドン・キホーテ」を観るのは今回が初めて。前回の公演は2007年だったようですが観ておりません。予定があわなかったのか、それとも熊川が直前の怪我で出演しなかったからなのか、理由はよく覚えていません。
 ぽん太がこれまでみた「ドンキ」は、ほとんど東京バレエ団のフィーチャリング版です。以前にボリショイでも観ましたが、このときはオシポワとワシーリエフの驚異的な身体能力に目を奪われて、その他の部分は記憶に残っていません。というわけで、いつもと違うバレエ団の「ドンキ」が観れるというのも楽しみのひとつでした。
 
 熊川のバジルは、「衰えを感じさせない」などという表現が恐れ多い、完璧なパフォーマンスでした。ジャンプの高さ、回転の早さや安定性、ピルエットでの姿勢の美しさなど、一つひとつの技に思わずため息が出そうになりました。動きの緩急のつけかたも、あいからわず絶妙。第3幕のソロでは、回転ジャンプのあと片足で着地してそのまま回転するという、ローザンヌでも見せた技を披露。ラストヴァリエーションのピルエットでは、あまりの速度に最後はよろけそうになりながらも、なんとかキメのポーズ。こらえた!こらえた!という感じ。どっかの元知事じゃありませんが、「若い人、しっかりしろよ」と言ってるみたいで、熊川の「気迫」が伝わってきました。
 キトリは荒井祐子。愛らしくハツラツとした可愛らしいキトリでした。グランフェッテもダブルを入れてましたね。バランスは得意でないのか、一回しかありませんでした。ただ、スペイン的なねっとり感やキレには少し欠けたかな。
 エスパーダの宮尾俊太郎、あいかわらずカッコいいですが、体幹の動きが小さく、踊りにキレが感じられませんでした。スペインの闘牛士なんだから、もっと芝居がかってキザっぽく踊ってもいい気がしました。浅野真由美のメルセデスも悪くありませんでしたが、やはりスペインらしい妖艶さがいまひとつ。森の女王は松岡梨絵。彼女が出て来ると、舞台がぱあっと華やかになります。
 全体として、明るく楽しくオシャレで美しい舞台でしたが、何と言っても熊川のパフォーマンスが印象に残りました。「いいものを観たなheart01」という感じで、とってもいい気分になりました。

 ところで東京バレエ団の演出と比較してですが、キューピッドが出てくる場面は、東京バレエ団の方が子供たちが出てきて可愛らしい気がします。東京バレエ版でぽん太が嫌いな「いっちゃっているジプシーの踊り」はKバレエ版ではありませんでした。やはりあれは東京バレエ独自の踊りなのでしょうか?

Tetsuya Kumakawa K-BALLET COMPANY Autumn Tour 2012
ドン・キホーテ Don Quixote
2012年10月28 Bunkamuraオーチャードホール

キトリ Kitri:荒井祐子 Yuko Arai
バジル Basil:熊川哲也 Tetsuya Kumakawa
ドン・キホーテ Don Quixote: スチュアート・キャシディ Stuart Cassidy
ガマーシュ Gamache :ビャンバ・バットボルト Byambaa Batbold
サンチョ・パンサ Sancho Panza :小林由明 Yoshiaki Kobayashi
メルセデス Mercedes :浅野真由香 Mayuka Asano
エスパーダ Espada:宮尾俊太郎 Shuntaro Miyao
ロレンツォ Lorenzo:ニコライ・ヴィユウジャーニン Nikolay Vyuzhanin
花売り娘 Flower Girls :白石あゆ美 Ayumi Shiraishi / 佐々部佳代 Kayo Sasabe
ドルシネア Dulcinea:浅川紫織 Shiori Asakawa
【第1幕 ActI】
闘牛士 Toreadors:秋元康臣 Yasuomi Akimoto / 伊坂文月 Fuzuki Isaka / 西野隼人 Hayato Nishino / 福田昴平 Kohei Fukuda / 池本祥真 Shoma Ikemoto / 川村海生命 Mikina Kawamura
【第2幕 第2場 ActII Scene2】
森の女王 Queen of the Dryads:松岡梨絵 Rie Matsuoka
キューピッド Cupid :神戸里奈 Rina Kambe
【第3幕 ActIII 】
第1ヴァリエーション 1st Variation :白石あゆ美 Ayumi Shiraishi
第3ヴァリエーション 3rd Variation :佐々部佳代 Kayo Sasabe
クラシカルジェンツ Classical Gents
秋元康臣 Yasuomi Akimoto / 西野隼人 Hayato Nishino
アントレ Entrée:日向智子 Satoko Hinata / 中村春奈 Haruna Nakamura / 井上とも美 Tomomi Inoue / 梶川莉絵 Rie Kajikawa / 森絵里 Eri Mori / 田中利奈 Rina Tanaka
闘牛士 Toreadors:伊坂文月 Fuzuki Isaka / 福田昴平 Kohei Fukuda / 浜崎恵二朗 Keijiro Hamasaki / 池本祥真 Shoma Ikemoto / 川村海生命 Mikina Kawamura / 杉野慧 Kei Sugino
町の娘たち / 町の男たち / 妖精 / ジプシー Spanish Ladies / Seguidillas / Dryads / Gypsies:
K-BALLET COMPANY ARTISTS
子供たち Kids K-BALLET SCHOOL
●芸術監督 Artistic Director 熊川哲也 Tetsuya Kumakawa
●演出/再振付/美術/衣裳 Production / Additional Choreography / Set and Costume Design 熊川哲也 Tetsuya Kumakawa
●原振付 Original Choreography マリウス・プティパ Marius Petipa / アレクサンドル・ゴールスキー Alexander Gorsky
●照明 Lighting Design 足立恒 Hisashi Adachi
●音楽 Music レオン・ミンクス Léon Minks
●指揮 Conductor 井田勝大 Katsuhiro Ida
●演奏 シアター オーケストラ トーキョー THEATER ORCHESTRA TOKYO

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