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2013/01/31

【バレエ】このエネルギーで復興だ〜!「ダイナミック・ダンス!」新国立劇場バレエ団

 2011年3月下旬に公演が予定されていながら、東日本大震災のために公演中止となっていた「ダイナミック・ダンス!」を、ついに観てきました。特設サイトはこちら、公式サイトはこちらです。
 まずはバランシンの「コンチェルト・バロッコ」。ぽん太は初めて観る演目です。バッハの「2つのヴァイオリンのための協奏曲」( B.W.V.1043)に振り付けられたいわゆる「抽象バレエ」です。予想通り、独奏楽器に見立てた2人の女性ダンサーと、オーケストラに見立てた群舞による踊りでした。ただ、ソロダンサーとコールドはうまく対比されていたのですが、二人のソロダンサーどうしの関係性は、今ひとつでした。バッハの曲では二つのヴァイオリンが、メロディと伴奏になったり、掛け合いをしたりと、様々に絡み合うのですが、ダンスの方ではそういった面白みは感じられませんでした。この作品が振り付けられたのは1941年。Wikipediaによれば、バレエ・リュスに関わっていたバランシンがアメリカに渡り、アメリカン・バレエ学校を創設したのが、1933年。1935年に卒業生からなるアメリカン・バレエを設立、1946年に現在のニューヨーク・シティ・バレエ団の前身の「バレエ協会」を設立しました。有名な「シンフォニー・イン・C 」の初演が1947年、「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」が1960年ですから、「コンチェルト・バロッコ」は、抽象バレエのなかでは初期のものなのかもしれません。第2楽章の、手をつないだダンサーたちがさまざまな複雑な動きをし、最後は渦巻きのように回転する動きは、はっとしました。
 小野絢子と長田佳世は、柔らかさと力強さが対照的でした。ヴァイオリンは漆原啓子と藤江扶紀。オケは「新国立劇場弦楽アンサンブル」と書いてありますが、その実体は?よーするに今回の公演のために寄せ集められたメンバーでしょうか?
 続いて、ビントレー振付の「テイク・ファイヴ」。オケピのなかにジャズ・カルテットが入ってるのは不思議な光景でしたが、迫力ある演奏でした。クラシックのテクニックを駆使しながら、大人のショー的な雰囲気をにおわすビントレーらしい振り付けでした。なんでもビントレーの父親は、ジャズ奏者だったそうな。新国のダンサー面々も頑張ってましたが、どうしても優等生的でジャズ的な妖艶さには欠けるところがあります。キム・ヨナのような色っぽさも身につけて欲しいところです。そのなかでも湯川麻美子は濃厚さありました。寺田亜沙子、井倉真未、加藤朋子の「スリー・トゥ・ゲット・レディー」は可愛らしかったです。八幡顕光が、キレのよい動きと、持ち前のアピール力で、大きな拍手を得ておりました。「トゥー・ステップ」は、先日の『シルヴィア』で力強い踊りを見せてくれた本島美和と、オラリオンの厚地康雄のコンビ。大きくて優雅な踊りでしたが、やはりプラスアルファの表現力が欲しいです。おそらくこの踊りのなかに、甘え、挑発、恍惚、誘惑、情熱、喜びといった、様々な男女の愛の様相が含まれていると思うのですが、それが見えてきませんでした。そういったものは、表情や視線、ちょっとした動きのなかに現れてくるものだと思うのですが。
 最後は「イン・ジ・アッパールーム 」。振付けのトワイラ・サーブは、新国立の「Ballet the chic」(2009年)で「プッシュ・カムズ・トゥ・ショヴ」を観たことがありますが、今回は、エネルギッシュでパワフルな舞台でした。でも、日本人だとやっぱり外人さんのような迫力がありませんね。縦縞の服を着た女性ダンサーたちはパジャマで踊っている女の子という感じで、キメのポーズも「せ〜の、ガンバ!」みたいで、なんだかかわゆく見えてしまいます。しかしラストは、フィリップ・グラスの反復しながら高まって行く音楽とあいまってとっても盛り上がりました。グラスの音楽は、このバレエのために作曲されたもののようですね。CDが出てるみたいです。スモークがたかれた舞台に、背景の黒い幕からダンサーが出入りすることによって、ダンサーが突然現れたり消えたりするように見せる効果も面白かったです。
 

「ダイナミック ダンス!」
新国立劇場バレエ団
2013年1月27日 新国立劇場中劇場

「コンチェルト・バロッコ」 Concerto Barocco
【音 楽】ヨハン・セバスティアン・バッハ(二つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調)
【振 付】ジョージ・バランシン
【指 揮】大井剛史
【演 奏】漆原啓子/藤江扶紀(vl.)、新国立劇場アンサンブル
男性プリンシパル:山本隆之
女性プリンシパル:小野絢子、長田佳世

「テイク・ファイヴ」 Take Five
【音 楽】デイヴ・ブルーベック/ポール・デスモンド
【振 付】デヴィッド・ビントレー
【美 術】ジャン=マルク・ピュイッサン
【演 奏】荒武 裕一朗(ピアノ)/菅野 浩(アルト・サックス)/石川 隆一(ベース)/力武 誠(ドラム)
テイク・ファイヴ:湯川麻美子
スリー・トゥ・ゲット・レディー:寺田亜沙子、井倉真未、加藤朋子
フライング・ソロ:八幡顕光
トゥー・ステップ:本島美和、厚地康雄
フォー・スクェア:八幡顕光、奥村康祐、古川和則、小口邦明 

「イン・ジ・アッパールーム 」In the Upper Room
【音 楽】フィリップ・グラス
【振 付】トワイラ・サープ
【衣 裳】ノーマ・カマリ
【照 明】ジェニファー・ティプトン
小野絢子、本島美和、厚木三杏、米沢 唯、丸尾孝子、大和雅美、盆子原美奈
福岡雄大、福田圭吾、古川和則、輪島拓也、小口邦明、清水裕三郎

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