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2013/03/17

【オペラ】METなみの大スペクタクルだけど儚さに欠ける「アイーダ」新国立劇場

 ぽん太が前回観た「アイーダ」は、コンヴィチュニー演出のキワモノだったので、新国立の正統派の演出を楽しみにしておりました。公式サイトはこちらです。
 新国立の「アイーダ」は初めてでしたが、フランコ・ゼッフィレッリの演出による舞台は、うわさに違わず重厚で豪華絢爛でした。神像などは巨大すぎて、4階客席からは下半身しか見えないくらい。特に凱旋シーンでは、背景にエジプト風の円柱が少し斜めに配され、高さと奥行きが感じられました。そして、いったい何人いるんだろうと思うほど次々と通り過ぎる人々に加え、本物の馬まで登場(さすがにゾウは出ませんでしたが)。こんな舞台に出て驚かないなんて、よっぽどベテランの馬なんでしょうね。装飾類も黄金色に輝き、衣装もリアルに細かく作り込まれていました。まるでMETの舞台のようでした。トランペット部隊は舞台上での演奏でしたが、客席に配されているパターンも、会場全体が凱旋シーンに立ち会っているみたいな感じがして、ぽん太は好きです。
 ラダメス役のカルロ・ヴェントレは、以前にトスカで素晴らしい美声を聞かせてくれたので楽しみにしておりました。だけど最初の「清きアイーダ」がアレレという感じ。低音は声が割れたみたいだし、高音も伸びがなく、音程も不正確。調子が悪いのかと心配になるやら残念におもうやらでした。しかしだんだんと調子を上げてきたようで、ちょっと甘い感じの明るい美声を十分に堪能することができました。
 アイーダのラトニア・ムーアは、二の腕の太さが半端じゃないがっしりした体型の黒人女性。とにかく声量がすごかったです。第一幕は一人だけ突出して聞こえましたが、二幕以降は他の歌手と音量が合っていたように思います。ただ、はかなさや哀れさといった繊細な情感には欠けるところがあり、「おおわが故郷 」などもあんまり感動できませんでした。ラストシーンも、お墓と聞いただけで卒倒してしまいそうな乙女が、愛する人のために自ら墓に入る、という感じがいいんですが、ムーアのアイーダは、墓の中でもかなりのあいだ生き延びそうな生命力がありました。
 アムネリスのリアンネ・コルネッティも、ちょと太めで膝がつらそうでしたが、安定した歌唱としっかりした演技でした。堀内康雄のアモナズロが、声も演技もすばらしく、こんかいのアイーダの父親役としてまったく不足がありませんでした。ぽん太は以前に東フィルの「第九」で聴いたことがありますが、オペラでは多分初めて聴かせていただきました。妻屋秀和の魅惑の低音、若き戦国大名のごとき風貌の平野和にも満足。新国立合唱団も大迫力で、ぜひ最後に拍手を送りたかったのですが、カーテンコールに登場せずに残念でした。
 バレエは今回は東京シティ・バレエ団。華やかで迫力がありました。指揮のミヒャエル・ギュットラーはなかなかのイケメン。年齢も若そうですが、東京交響楽団を指揮して、舞台に負けない華麗な音楽を聴かせてくれました。
 舞台の前面に最初から最後までずっと紗幕が降りていたのがちと気になったのですが、必要だったのでしょうか。
 終演が午後6時だったので、幕間に予約して、初めてイタリアレストラン「マエストロ」に行ってみました。内装がちょっと殺風景な気がしましたが、お料理はとてもおいしかったです。「アイーダ」にちなんでエジプト豆のスープが入ってました。


新国立劇場開場15周年記念公演
「アイーダ」
Giuseppe Verdi : Aida
ジュゼッペ・ヴェルディ
2013年3月14日

【指揮】ミヒャエル・ギュットラー
【演出・美術・衣裳】フランコ・ゼッフィレッリ
【照明】奥畑康夫
【振付】石井清子

【アイーダ】ラトニア・ムーア
【ラダメス】カルロ・ヴェントレ
【アムネリス】マリアンネ・コルネッティ
【アモナズロ】堀内康雄
【ランフィス】妻屋秀和
【エジプト国王】平野 和
【伝令】樋口達哉
【巫女】半田美和子

【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京交響楽団
【バレエ】東京シティ・バレエ団、ティアラこうとう・ジュニアバレエ団

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コメント

こんにちは。
私も、「アイーダ」を鑑賞してきましたので、興味をもって読ませていただきました。私の気が付かなかった観点での感想も拝読し、大変勉強になりました。ありがとうございます。
私の感想としては、第2幕第2場は勇壮な凱旋の場の舞台が圧巻でした。
主役級の歌手と合唱のバランスもよく、私個人としては楽しめる舞台だったと思いました。
私もブログにオペラ「アイーダ」について書いてみました。
よろしかったら見て頂けるとうれしいです。
ご意見、ご感想などコメントしてくださると感謝致します。

投稿: dezire | 2013/03/30 22:04

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