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2013/04/23

【歌舞伎】とにかく目出たい杮葺落、2013年4月歌舞伎座第3部

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 新しくなった歌舞伎座、ついに行ってきました♪
 隈研吾設計の新歌舞伎座、どうでしょうか?外観は建て替え前とほぼ同じで、「保存するほどの名建築かな」という疑問がわくことは、以前に書きました(どうせなら、戦前の形に復元すればいいのに)。入り口は前と同じく正面の二つのドアしかなく、あいかわらず入場で混み合います。地下から直接入れる入り口を作るのかと思ってました。建物内部の両側にエスカレーターが設置され、お年寄りには優しくなりました。そのせいで配置が難しくなったのか、一部の男子トイレに行くにはクネクネした長い廊下を歩かないと行けません。妻のにゃん子によれば、混雑で有名だった女子トイレは、改善されたようです。
 劇場内に入ると、「こんなに横長だったっけ?」と、舞台の左右の幅が広いのに改めて驚きます。しかし芝居が始まると、セットや役者がゆったりと納まり、この大きさが自然に感じられてきます。「そうだったよな〜これが歌舞伎座の尺だね〜」。まるで広げた絵巻物を見ているかのようで、ぽん太はとってもうれしくなりました。内部の装飾は、前とほとんど同じような気がします。
 今回の席は3階の最前列でしたが、花道の七三に立っている役者がちゃんと見えます。座席の前後の幅、左右の幅もこれなら十分です。音響も、舞台の奥の方にいるとやや聞き取りにくいのは仕方ないとして、天井に新設されたでっぱりが功を奏しているのか、悪くありませんでした。ただ、通路の階段を降りきったところの落下防止の補助柵を、舞台鑑賞の妨げにならないように、いちいち係員が手で取り外したり、また付けたりするのは大変そうです。一日数回、毎日まいにちこれをやるのはすごい手間ですし、そのうちだんだん歪んできてはまらなくなるのは目に見えています。開幕に工事が間に合わなかったのか、それとも最後に気づいて付け加えたのでしょうか。
 先走って書いておきますが、第1部は3階B席(3階の後ろの方)でしたが、そこからも前の人の頭が気にならずに舞台が見えました。第2部は3階の東袖の席で観ましたが、やはり舞台の手前側が見えないのは仕方ありません。が、ここで音響上の問題点を発見!袖の席だと、劇場左右の上部の広い平行な壁に音が反響して、ツケ打ちの音と、大向こうさんの掛け声が、鳴き龍のように響くのです。ただ、舞台や花道の上の役者の声は大丈夫です。これを改善するには、左右の壁の間で音が繰り返しこだましないように、反響板をつける必要があるのでしょう。でも、袖席は座席数も少ないし仕方ないとあきらめるしかないのかもしれません。
 それから字幕ガイド。解説、あるいはセリフを、字幕で見ることができます。なかなかいいアイディアですが、3階だと手で持ってないといけないのが大変です(けっこう重い)。セリフや義太夫はある程度聞き取れるぽん太ですが、所作事の長唄や清元などはほとんど何を言ってるのかわからないので、字幕ガイドが力を発揮するかもしれません。ただ、花道に集中するためという理由で、花道に役者がいるときは字幕が出ないようになっているのは、ちょっと不便です。花道にいるときも表示して欲しいと思いますが、そうすると一階のお客さんが、字幕を見たり花道を見たりで首を振るようになって、役者がやりにくいのかもしれません。
 さて、公演の感想に戻ります。公式サイトはこちら
 最初は「盛綱陣屋」。冒頭で仁左衛門と吉右衛門が並んで舞台に立つだけで、姿といい動きといいセリフといい、「ああ、いいな〜」と思います。やっぱり若手とは違います。ぽん太には具体的にどこがいいのか指摘できませんが、これが歌舞伎の「芸」というもんなんだと思います。金太郎くんが、いつの間にかおっきくなっていて、見た目も美しい若武者姿でした。まだ8歳とのこと。将来が楽しみです。大河くんはさすがにちっちゃすぎ。
 仁左衛門の佐々木盛綱は、偽首を見てからの演技が見事。心の段階的な変化を的確に表現しているだけでなく、一つひとつが絵になっており、リズムがあります。東蔵の微妙の情愛や、我當の時政の迫力も素晴らしかったです。
 もうひとつの演目は「又勧進帳」。松竹はやたらと「勧進帳」をやるので、ぽん太は「又勧進帳」と呼んでます。幸四郎の弁慶、菊五郎の富樫、梅玉の義経と役者が揃っていたのですが、なぜか感動が薄かったです。幸四郎の演ずる弁慶に、人間的な感情がありすぎ、ひょうきんさが目立つするせいでしょうか。それとも、杮葺落ということでの観客のウキウキした気分が役者に影響したのでしょうか。最後の花道での弁慶の一礼は、もちろん観客へのお礼も兼ねておりますが、本来は無事に危機を乗り越えたことを御仏に感謝する厳粛な礼のはず。ところが今日はそこで「日本一の弁慶!」の声がかかり、さらに六方に手拍子が湧くなど、なんだか地方公演のように盛り上がってました。おかげで弁慶の苦悩や真剣さが吹き飛び、目出たいお祭り騒ぎになってしまいました。


歌舞伎座新開場
杮葺落四月大歌舞伎
平成25年4月10日 歌舞伎座

第三部

  近江源氏先陣館
一、盛綱陣屋(もりつなじんや)
            佐々木盛綱  仁左衛門
               篝火  時 蔵
               早瀬  芝 雀
             伊吹藤太  翫 雀
             信楽太郎  橋之助
             竹下孫八  進之介
              四天王  男女蔵
                同  亀三郎
                同  亀 寿
                同  宗之助
          高綱一子小四郎  金太郎
          盛綱一子小三郎  藤間大河
           古郡新左衛門  錦 吾
               微妙  東 蔵
             北條時政  我 當
           和田兵衛秀盛  吉右衛門

二、歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)
            武蔵坊弁慶  幸四郎
              源義経  梅 玉
             亀井六郎  染五郎
             片岡八郎  松 緑
             駿河次郎  勘九郎
            太刀持音若  玉太郎
            常陸坊海尊  左團次
            富樫左衛門  菊五郎

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