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2013/04/20

【バレエ】まだまだ新たに進化し続けるルグリ《マニュエル・ルグリの新しき世界III》Aプロ

 3回目を迎えた「ルグリの新しき世界」ですが、予定していたホールバーグも出演中止となり、なんかあんまり知ってるダンサーがいません。客席もけっこう空席が目立ち、ちょっと気分は盛り下がってきたのですが、とっても素晴らしい公演でした。圧倒的なルグリのパフォーマンスだけでなく、他の演目も面白かったです。公式サイトはこちらです。
 まずは「カルメン」。昨年のウィーン国立バレエ団来日公演で「こうもり」のヨハンを踊ったクルラーエフは、ガタイがよくて顔もちょっと怖めですが、ドン・ホセの役柄がよく似合います。ポラコワとともに情熱的で迫力ある踊りで、幕開きを飾りました。コンテンポラリーな振付けで、音楽もビゼーのカルメンを含むリミックスという感じ。ラストシーンのドン・ホセがカルメンを刺し殺す場面のようです。振付けのダヴィデ・ボンバナDavide Bombanaという名はぽん太は初めて聞きました。ググってみると、日本では2012年のウィーン・フィルのニューイヤーコンサートでの振付けが有名なようですね(もちろんその時のウィーン国立歌劇場バレエ団芸術監督はルグリです)。Youtubeで見ると、物語仕立てになってたりして、なかなか斬新です。Wikipedia(とその翻訳)によれば、1958年にイタリアのミラノで生まれた振付家。ミラノ・スカラ座バレエ団やモーリス・ベジャール・バレエ団などを振り出しにダンサーとして活躍しましたが、バイエルン国立バレ団に所属していた1991年から振付けを始めたようです。おっと、ボンバナの公式サイトもありました(こちら)。
 続いてルグリではもうおなじみのパトリック・ド・バナの「ウィンド・アンド・クラウド」。音楽は地中海〜アジア風で、エコーがかかったようなビートと、それにアラベスクのように絡みつく弦の音が心地よく、揺らめくようなたゆたうような踊りでした。衣装は上半身裸で、下半身は半透明のブルーの腰蓑風スカート。
 ここで古典的な演目が入り、「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」。ヤコブレアが素晴らしく、にこやかで踊りも表情があり、とても魅力的でした。対するチェリェヴィチコはちょっとバタバタしていて、サポートもたどたどしかったですが、以前の自分の記事を読み返して見ると、昨年の「新しき世界」の「ドン・キホーテ」を誉めてたりするので、今回は急な代役だったせいなのかもしれません。
 お次ぎは東京バレエ団の群舞付きの「スプリング・アンド・フォール」。初めて観る演目……かと思ったら、2011年の「ギエム・オン・ステージ」でパ・ド・ドゥを観てるようです。ぜんぜん覚えてません。ダンサーはアッツォーニとリアブコのハンブルグ・ペア。しっとりとしたパ・ド・ドゥは、ルグリのような表情豊かな踊りが素晴らしかったです。でも群舞の振付けは、なんか変でした。振付けはノイマイヤーです。
 前半の〆の「こうもり」で待ちに待ったルグリの登場!ルグリが踊るウルリックが、ベラを美しく変身させるシーンです。絶品としか言いようがありません。表情も身体もすばらしく、シュトラウスの音楽のように流麗で、ただただ見とれるのみ。思わずこちらの表情もにこにこ微笑んできます。一部だけのなのに、全幕を観たかのような感動がありました。「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」で魅力的な踊りを見せたヤコヴレワが、ここでも見事な演技力を発揮。
 後半のハナはヘレナ・マーティンの「トリアーナ」。メタボなおばさんのスペイン舞踊です。確か2009年の「ルグリの新しき世界」でも踊ってましたが、ルグリと仲がいいのかしら。
 「バッハ組曲第3番」は、今回一番目を引いたヤコヴレワと、クルラーエフのペアでした。しっとりした踊りでよかったです。
 バナの「赤い涙」には見慣れない日本人女性が登場。秋山珠子という方で、スペイン国立ダンスカンパニーのソリストだそうです。日本の「舞踏」を思わせる身体の使い方が見事でした。
 アッツォーニ&リアブコの「ハムレット」は以前にも観ました。何の場面かいまだにわかりませんが、コミカルななかに現代の孤独と悲しみが感じられました。
 さあ、来たぞ、「ルートヴィヒ2世‐白鳥の王」!!思わずウキウキさせてくれた「こうもり」と違って、こんどは官能に満ちた苦渋で胸がいっぱいになりました。

《マニュエル・ルグリの新しき世界III》Aプロ
2013年4月17日/会場:ゆうぽうとホール

「カルメン」 より
振付:ダヴィデ・ボンバナ 音楽:ジョルジュ・ビゼーほか
ニーナ・ポラコワ、キリル・クルラーエフ

「ウィンド・アンド・クラウド」
振付:パトリック・ド・バナ 音楽:カイハン・カルホール、アリ・バーラミ・ファード
パトリック・ド・バナ

「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
振付:ジョージ・バランシン 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
マリア・ヤコヴレワ、デニス・チェリェヴィチコ

「スプリング・アンド・フォール」
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:アントニン・ドヴォルザーク
シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ
小出領子、後藤晴雄、東京バレエ団

「こうもり」 より
振付:ローラン・プティ 音楽:ヨハン・シュトラウス2世
マリア・ヤコヴレワ、マニュエル・ルグリ
矢島まい

「トリアーナ」
振付:ヘレナ・マーティン 音楽:イサーク・アルベニス
ヘレナ・マーティン

「バッハ組曲第3番」 より
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:ヨハン・セバスティアン・バッハ
マリア・ヤコヴレワ、キリル・クルラーエフ

「赤い涙」
振付:パトリック・ド・バナ 音楽:カイハン・カルホール、アリ・バーラミ・ファード
秋山珠子、ディモ・キリーロフ・ミレフ、パトリック・ド・バナ

「ハムレット」 より
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:マイケル・ティペット
シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ

「ルートヴィヒ2世‐白鳥の王」
振付:パトリック・ド・バナ 音楽:リヒャルト・ワーグナー
マリア・ヤコヴレワ、ニーナ・ポラコワ、マニュエル・ルグリ

ピアノ:髙橋 望(「トリアーナ」)
※音楽は特別録音による音源を使用。(「トリアーナ」のみピアノ伴奏)

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