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2013/09/23

【歌舞伎】若手が生きいきアニメ歌舞伎!2013年9月歌舞伎座夜の部

 9月花形歌舞伎は、染五郎、海老蔵、愛之助、七之助、勘九郎、松緑、菊之助という、時代を担う役者が勢揃い。まずは夜の部からの観劇。演目は新作の「陰陽師」です。こちら
Img_3828 原作は夢枕獏の小説『陰陽師』。一連の陰陽師ブームのきっかけとなった作品で、映画化やドラマ化もされたそうですが、世情に疎いぽん太は読んだことも見たこともなし。こんかいが初陰陽師でしたが、「悪くはない」感じで、なかなか楽しめました。第一幕はちと退屈でしたが、二幕、三幕と進むにつれて、思わず引き込まれました。写真は、以前に訪れた京都の清明神社です。
 全体としては現代のアニメ風というか、友情が強調され、さまざまなキャラが奇想天外な闘いを繰り広げます。怒りと憎しみで鬼になっていくあたりは「スターウォーズ」のダースベーダーを思い出します。しかししっかり歌舞伎にもなっていて、20年にわたる因縁、善と悪の争い、「実は」の展開などがみられます。最後に平将門の怨霊が鎮められて消えていくさまは、碇知盛を彷彿とさせます。
 海老蔵が平将門を演じましたが、このような超人的な役は悪くないですね〜。以前に仁木弾正を演じたときの、圧倒的パワーを持つ殺人鬼ぶりに驚いたことがありますが、こんかいも迫力がありました。最後に興世王を道連れに消えて行く時のパワーと目力は、海老蔵の真骨頂でした。しかし、だんだんと怨霊化していく過程で、もっとメイキャップや衣装を変えてもよかったのに。歌舞伎なんだから最後は隈取りでもいいのでは。蘇生の時も、横たわっている状態でブヮーっと煙が上がって、中から超人化した将門が出て来るのかと思ったら、煙が消えても同じ姿勢で横たわったままだったのにはガックリきました。ま、この辺りは演出の問題ですけど。
 染五郎のちょっとひょうひょうとした安倍晴明と、勘九郎の真面目で実直な源博雅のコンビも良かったです。とくに勘九郎は、本人の性格そのものでした。「半沢直樹」の黒崎で大ブレイクの愛之助、おネエ言葉は封印して悪役を熱演しておりました。松緑の俵藤太は、ムカデとの立ち回りが見せ場。
 なんでも演じられる名脇役の市蔵と亀蔵が、さすがの貫禄で舞台をしめておりました。ただ、これも演出の問題ですが、亀蔵の蘆屋道満は普通のいい人という感じでしたが、もっと得体の知れない怪人物っぽいほうがいいのでは?ぽん太が密かに好きな亀三郎が賀茂保憲。爽やかで、声もいいですね。
 ストーリーとしては、いい人だった将門が、興世王のたくらみはあったにしろ、何であんなに人が変わってしまったのかがよくわかりませんでした。また、将門が怨霊と化したあと、もっと超人的なパワーで残虐の限りをつくす場面を描いておかないと、最後の「もどり」が生きないのでは?
 演出・美術的には、ここまでやるなら、もっと大胆に激しくやってもよかったのでは?舞台美術も地味だし、せっかくの愛之助の宙乗りも、あれだけでは寂しい。百鬼夜行もキャラが可愛いすぎる気がします。もっとグロテスクでおどろおどろしい方がいいかも。でも、染五郎のキツネの小芝居は、可愛くて面白かったです。道具方さんにも拍手です。
 問題点もあるにしろ、次代を担う役者が伸びのびとした演技を見せてくれて、今後の歌舞伎の発展が伺えました。


歌舞伎座
歌舞伎座新開場柿葺落
九月花形歌舞伎
平成25年9月22日

夜の部
新開場記念 新作歌舞伎
新作 陰陽師(おんみょうじ)
  滝夜叉姫
  第一幕 都大路
      「晴明、百鬼夜行に遇いしこと」より
  第三幕 貴船山中
      「将門復活。最後の戦いと大団円」まで
   
安倍晴明 染五郎
平将門 海老蔵
興世王 愛之助
桔梗の前 七之助
賀茂保憲 亀三郎
平維時 亀 寿
大蛇の精 新 悟
蘆屋道満 亀 蔵
平貞盛 市 蔵
雲居寺浄蔵 権十郎
小野好古 團 蔵
源博雅 勘九郎
俵藤太 松 緑
滝夜叉姫 菊之助

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