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2013/10/18

【歌舞伎】松竹はブラック企業か?2013年10月歌舞伎座夜の部

 右肩を痛めているという仁左衛門が転倒したとき、ぽん太は「あっ」と声をあげそうになりました。「木の実」で小金吾からお金を語り取ろうとするやり取りのなか、下手に走って行ったときに足を滑らせたのです。客席に背を向けるかたちで転び、痛めていた右肩を床に打ち付けました。一瞬の間をおいて仁左衛門は、宙に浮いた両足を美しく見える形に整えました。そして左手でゆっくりと、具合を確かめるかのように右肩を握りしめました。そのときぽん太は「やっちゃったかな〜」と思ったのですが、やがて身を起こした仁左衛門は、その後も芝居を続けました。「すし屋」の段で代役が出て来たらどうしようかと心配してましたが、花道から仁左衛門が出て来たときはほっとしました。
 10月の歌舞伎座は「義経千本桜」の通し。公式サイトはこちらです。
 仁左衛門が11月の歌舞伎座と12月の南座を休んで、右肩腱板断裂の手術を行うと発表されたのが今月(10月)の4日。いがみの権太役の仁左衛門は、肩関節を支点にして右腕を持ち上げることができないらしく、ほとんど右腕を懐手にしたまま演技をしておりました。肩を痛めていることを感じさせない仁左衛門の芸は大したものでしたが、見ていてヒヤヒヤして、痛々しく感じたのは確かです。無理せず一刻も早く休演して、手術を受けて欲しいと思ったのはぽん太だけでしょうか。
 怪我や病気でも舞台に穴をを開けないのが役者魂、怪我をそれと感じさせないのが役者の芸なのかもしれませんが、こういった考え方は現代にはそぐわないようにぽん太は思います。治療を受け、休養をとって、ベストの状態で舞台に立って欲しいとぽん太は思います。オペラ歌手の場合は、一流であればあるほど、調子の悪い時には舞台をキャンセルして代役を立てます。
 ここのとろこ、歌舞伎役者の他界や怪我・病気があいついでいるように思います。それをなんとかの呪いのせいなどにせず、役者の健康管理に努めて欲しいとぽん太は思うのです。昼夜通して1ヶ月間休みなしという公演の仕方も、役者にとって酷ではないでしょうか。昔からのやり方かもしれませんが、少し変えてみてもいいような気がします。
 
 ウォッホン、思わず力が入ってしまいましたが、感想に移りますと、仁左衛門のいがみの権太は今回もしばらしかったです。お金を語り取るところでのセリフの勢い、母お米に甘えるしぐさの可愛らしさ、妻子を身代わりに差し出すときの悲しみ、すべてに見とれてしまいました。
 梅枝は女形はお手の物ですが、若侍の小金吾もよかったです。秀太郎の小せん、遊女上がりの色気が漂う可愛らしい奥さんに見えるのが不思議。親子三人がホントにほのぼのとした家族に思えて来ます。孝太郎はぽん太が好きな役者のひとりですが、こんかいのお里はなんだかちょっとやり過ぎのような気がしました。お客を笑わそうとするような間の取り方をしすぎていたように思います。お米の竹三郎も子供が可愛くてしかたないお母さんを名演。時蔵、歌六、東蔵、我當はいつもながらの安心して見れました。
 何度も見てるつもりの演目でも、見るたびに「こんなだったかな」と思ったりします。権太が維盛の手配書を見る下りがなかった気がしました。身代わりとなった妻子を花道に見送る時、仁左衛門が陣羽織で頭を覆うのも、初めて気がつきました。それから、仁左衛門が鮨桶を持って行くとき、右から2番目ではなく、一番右を持ってってしまった気がしたのですが、ぽん太の勘違いでしょうか?
 
 「川連法眼館」は、菊五郎の狐忠信と、梅玉の義経という豪華な配役。菊五郎の演技は素晴らしく、佐藤忠信の品格や重々しさは立派でしたが、源九郎狐になってからは、体力の衰えがちと気になったというか、時の流れを感じさせました。時蔵の静御前も普通によかったです。


歌舞伎座新開場柿葺落
芸術祭十月大歌舞伎
平成25年度(第68回)文化庁芸術祭参加公演
歌舞伎座 平成25年10月11日夜の部

通し狂言 義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)

四幕目 木の実
    小金吾討死
   
  いがみの権太 仁左衛門
  若葉の内侍 東 蔵
  主馬小金吾 梅 枝
  猪熊大之進 市 蔵
  鮓屋弥左衛門 歌 六
  小せん 秀太郎

五幕目 すし屋
   
  いがみの権太 仁左衛門
  小せん 秀太郎
  弥助実は三位中将維盛 時 蔵
  お里 孝太郎
  お米 竹三郎
  鮓屋弥左衛門 歌 六
  若葉の内侍 東 蔵
  梶原平三景時 我 當

大 詰 川連法眼館
   
  佐藤忠信/忠信実は源九郎狐 菊五郎
  静御前 時 蔵
  駿河次郎 團 蔵
  亀井六郎 権十郎
  飛鳥 秀 調
  川連法眼 彦三郎
  源義経 梅 玉

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コメント

仁左衛門は仕事を断ったりしませんし、座組にNGも出しません。職安ですか?と思う様な座組でも、舞台を整えていきます。仁左衛門が改変して作り上げ、すし屋をかけているので、休演しなかったんだと思います。

投稿: 通りすがり | 2017/09/05 05:03

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