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2013/12/08

【歌舞伎】梅玉の高貴な寺岡平右衛門/2013年11月歌舞伎座夜の部

 11月の歌舞伎座は、あまりの忙しさに混乱して仕事のある日に昼の部の切符をとってしまい、夜の部だけの観劇。公式サイトはこちらです。
 まずは菊五郎の勘平で五・六段目。精神医学的にいえば勘平は、性格的に欠点を抱えた人物です。常に真面目に一生懸命生きようとしているのですが、どこか思慮の浅いところ、軽率なところがあり、思いもよらない不幸へと彼を導きます。すでに三段目で勘平は、おかるとの逢い引きにうつつを抜かしたために、主君塩冶判官の一大事に立ち会えなかったという失態をおかしております。
 五段目でも勘平は、猪を間違えて人を撃ち殺すというミスを犯し、さらにその人が持っていたお金をくすねるという行動をとります。花道を家路に向かう勘平は、そうしたことも忘れて、これで仇討ちの一味に加われるとご機嫌な様子です。菊五郎の勘平は、人の良さと軽率さを併せ持っていて、「勘平、それじゃだめだろ」と叱りつけたいような、あるいは幼子のように抱きしめてあげたいような、不思議な気分にさせてくれます。
 五・六段目は何度も観てるし、そのうち何回かは菊五郎でしたが、例の縞の財布を観る場面は、けっこう写実的にじっくりと見るんだなと、初めて気がつきました。仁左衛門とかは、もっと様式的に大きい動きでやってた気がします。腹を切ってからの「如何なればこそ勘平は…」というセリフで、「百五十石(せき)」と言ってて、まさか菊五郎が間違えるわけないけど、「百五十石(こく)」だよな〜と思いましたが、家に帰ってから調べたら、ここでは伝統的に「せき」と発音する決まりになっているそうです。また、最後の落ち入るときに、自分の首をかっ切っていることも初めて知りました。何度見てても、見逃していることが多いんだな〜。ラストはやはり、「魂魄この土に止まって…」のセリフのあとに血判という順序でした。
 時蔵のおかるは、腰元あがりという格を感じさせつつ可愛らしかったです。東蔵の母おかやはけっこう押しが強く、勘平につめよるところなど迫力がありました。松緑の斧定九郎が期待していたせいかちょっと拍子抜け。あんまり気魄と色気が感じられませんでした。魁春と團蔵のおさい・源六は手慣れた芸。
 七段目は、吉右衛門の大星の鷹揚な明るさや、芝雀のおかるの可愛さはもちろんのことながら、梅玉の寺岡平右衛門が見物でした。こんな高貴な足軽は初めてです。梅玉がなだめる相手の三人侍が歌昇や松江ですから、どうみても奴の方が格が上です。最初はなんか違和感がありましたが、見ているうちにだんだん慣れて来ました。でも、水を汲みに行ったときの「いけない、俺が飲んじまった」とかいうセリフ、小声でぶつぶつ言わずに、もっとはっきり言って下さい(笑)。
 最後に討ち入りのチャンバラつき。


歌舞伎座新開場柿葺落
吉例顔見世大歌舞伎
仮名手本忠臣蔵
歌舞伎座
平成25年11月17日昼の部

通し狂言 仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)

 五段目 山崎街道鉄砲渡しの場
     同   二つ玉の場
 六段目 与市兵衛内勘平腹切の場  
    早野勘平 菊五郎
    女房おかる 時 蔵
    母おかや 東 蔵
    斧定九郎 松 緑
    判人源六 團 蔵
    千崎弥五郎 又五郎
    一文字屋お才 魁 春
    不破数右衛門 左團次

 七段目 祇園一力茶屋の場  
    大星由良之助 吉右衛門
    遊女おかる 芝 雀 
    富森助右衛門 松 江
    大星力弥 鷹之資
    鷺坂伴内 松之助
    斧九太夫 橘三郎
    竹森喜多八 歌 昇
    赤垣源蔵 権十郎
    寺岡平右衛門 梅 玉

十一段目 高家表門討入りの場
     同 奥庭泉水の場
     同 炭部屋本懐の場   
    大星由良之助 吉右衛門
    小林平八郎 錦之助
    竹森喜多八 歌 昇
    小汐田又之丞 種之助
    大鷲文吾 米 吉
    倉橋伝助 廣 松
    磯貝十郎左衛門 隼 人
    大星力弥 鷹之資
    勝田新左衛門 桂 三
    村松三太夫 由次郎
    原郷右衛門 歌 六

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