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2013/12/25

【歌舞伎】おかるの玉三郎の芸に見とれる「仮名手本忠臣蔵」2013年12月歌舞伎座夜の部

 12月の歌舞伎座の演目は、先月と同じく「仮名手本忠臣蔵」。公式サイトはこちらです。
 先月と上演する段もまったく同じで、俳優が違うだけ。たしかに名作には違いませんが、ちょっと飽きてきます。「忠臣蔵」が客が呼べるからなのか、それとも新歌舞伎座の杮葺落で「忠臣蔵」を演じたいという役者の要望なのか、まさか同じ舞台装置を使い回して経費節減というわけじゃないですよね。
 おまけに先月がベテラン勢で、今月が若手中心の配役。う〜ん、逆の方が良かったのに。ついつい先月の熟練した芸と比べてしまいます。
 そんななか群を抜いていたのが、当たり前といえば当たり前ですが、七段目の玉三郎のおかる。二階の障子が開いて登場となりますが、扇の動きを見ているだけでうっとりとしてため息が出て来てしまいます。背をそらして鏡越しに手紙を見る姿が美しく決まっているのはもちろんのこと、なにげない姿勢、一つひとつの仕草、細かな指の動きが全て素晴らしいです。二階から梯子で下りる時の「船に乗った様で恐いわいな」では、小刻みに体を動かしながら揺れる仕草をしますが、そういう細部が一つひとつきっちりと演じられており、かつそれぞれ美しいのです。体全体が常に芝居を演じており、コントロールされていない動きは、一瞬たりとも、体の一部であっても、ありません。本舞台の兄・寺岡平右衛門との花道でのやりとりも、ブリッコぶりが馬鹿馬鹿しくて見てられないものの、決して下品にはならず、思わずニコニコ微笑んでしまいました。刀を拾う時、黒衣さんに回収されずに落ちていた懐紙を一緒に拾って懐にしまった手際もお見事。
 寺岡平右衛門の海老蔵、素晴らしいとまではいきませんが、玉三郎の相手を十分に務めてました。最初の花道の出で、必要以上に身を小さくしていたのが面白かったです。幸四郎の大星由良之助、なんで笑いを取るような演技をするのでしょうか。児太郎が大星力弥でした。錦吾の斧九太夫は手慣れた芸。

 五・六段目、染五郎の早野勘平を見るは初めてだったので、どんな勘平になるか楽しみにしてたのですが、ちょっと期待はずれでした。花道の出で駕篭に乗ったおかると出くわすときの表情が、座席の位置関係で見えなかったのは残念でした。「与市兵衛内」に移ってから、畳の上につっぶしているシーンが多いわけですが、泣いているのか、悔やんでいるのか、恥じているのか、嘆いているのか、背中にまったく現れておりませんでした。母が目に留めた縞の財布をさっと奪う動作も、速すぎて現代っぽいというか、チンピラ風の動きに見えました。また、売られて行くおかるが最後の別れとばかりに勘平の傍らに身を伏したとき勘平は背を向けるのですが、これもタイミングが早すぎて、勘平の後ろめたさ、やるせなさが感じられませんでした。その他も動きに様式的な美しさが見られないのは、玉三郎と比べると一目瞭然。一つひとつの感情の表現もきっちりしてませんでした。その結果、全体として盛り上がりに欠ける芝居となりました。
 獅童の斧定九郎、爬虫類のようないやらしさに色気もあって良し。数日前に母親を失ったばかり。観客が暖かい拍手で応援。七之助のおかる、綺麗だし、腰元らしい格式がありましたが、もう少し可愛らしいさがある方がぽん太の好みです。吉弥の母おかやは健闘。萬次郎の一文字屋お才はやり手ババア風でした。
 五・六段目の型に関してはぽん太はよく知らないのですが(わかりやすく解説していあるサイトはないでしょうか?)、先月と続けて観たので、いくつか違いに気がつきました。母おかやが勘平を血だらけの財布で何度も叩く演出は、先月はなかったように思います。また染五郎は、最後に陥る前に首を切りませんでした。


歌舞伎座新開場柿葺落
十二月大歌舞伎
仮名手本忠臣蔵

平成25年12月22日 夜の部

通し狂言 仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)

 五段目 山崎街道鉄砲渡しの場
     同   二つ玉の場
 六段目 与市兵衛内勘平腹切の場
   
   早野勘平 染五郎
   斧定九郎 獅 童
   女房おかる 七之助
   母おかや 吉 弥
   判人源六 亀 蔵
   千崎弥五郎 高麗蔵
   一文字屋お才 萬次郎
   不破数右衛門 彌十郎

 七段目 祇園一力茶屋の場
   
   大星由良之助 幸四郎
   寺岡平右衛門 海老蔵
   竹森喜多八 松 也
   富森助右衛門 廣太郎
   大星力弥 児太郎
   斧九太夫 錦 吾
   赤垣源蔵 亀三郎
   遊女おかる 玉三郎

十一段目 高家表門討入りの場
     同 奥庭泉水の場
     同 炭部屋本懐の場
   
   大星由良之助 幸四郎
   原郷右衛門 友右衛門
   奥田定右衛門 宗之助
   矢間重太郎 竹 松
   富森助右衛門 廣太郎
   大星力弥 児太郎
   竹森喜多八 松 也
   小林平八郎 獅 童

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