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2013/12/17

【拾い読み】ガラメキ温泉の情報を入手。池内紀「ガラメキ温泉探検記」

 先日、榛名山麓にあるガラメキ温泉に入って来たぽん太ですが、「ガラメキ温泉探検記」(池内紀著、廣済堂、1990年)という本があることを知り、読んでみました。
 著者の池内紀は言わずと知れたドイツ文学者。カフカの翻訳で有名ですね。1940年生まれですから、この本を出版したのが50歳。なかなかの物好き温泉ファンですね。
 上記のようなタイトルですが、まるまる一冊ガラメキ温泉のことが書かれているわけではなく、様々な温泉が取り上げられております。「ガラメキ温泉探検記」は、そのうちの一章のタイトルですが、これを署名にするということは、池内先生にもよっぽど印象に残ったのでしょう。
 さて、いつもならここで本書全体の拾い読みに入るところですが、今回はガラメキ温泉に関することだけ。
 池内氏がいつガラメキ温泉を訪れたのかは、本文中にはありませんが、この章の初出が日本交通公社の『旅』の1989年10月号であり、また本文の書き出しが「台風が近づいていた」というところから察すると、1989年の夏〜秋と思われます。
 ガラメキは、「がら女き」あるいは「我楽目嬉」などとも書いたそうです。
 明治35年発行の『伊香保温泉場名所案内』には、「住古人皇十四代仲哀天皇の御宇発見し遠近の老若入浴し効験の著しき事を知れり」、「鉱泉旅舎は阿蘇山や方、富士見館、扇屋等にして夏季に至れば都鄙の浴客多し」と書かれているとのこと。
 榛東村の村役場にある「温泉源泉台帳」によると、所有者は大蔵省となっているので、国有林のなかにあることになる。群馬県衛生研究所によれば、泉温30.5度、無色透明、クロールソーダ、硫酸、塩水などを含む。明治31年に相馬温泉組合が設立され、御料地だったところを借地して開発したそうです。源泉のすぐ下に大黒天の碑があり、「明治二十一年・湯元・松本福次郎」とあり、また石垣の上方に小さなほこらがまつってあって、明治二十一年の年号と、「ガラメキ温泉」という名前が刻まれているそうです。
 この温泉地周辺には、明治43年に陸軍の演習場が置かれ、高崎のだい15連隊が使用したそうです。さらに昭和21年4月、この演習場はアメリカ軍によって接収され、ガラメキ温泉は強制立ち退きが命じられたそうです。
 ここが有名なジラード事件の舞台となったそうですが、無知なるぽん太は知らず。Wikipediaを見てみると、1957年(昭和32年)1月30日に、薬莢を盗むために演習地内へ不法侵入していた日本人主婦を、アメリカ兵のウィリアム・S・ジラード特務二等兵が射殺。裁判を日本でやるか、アメリカでやるかなどでもめて、大きな社会問題となったそうです。
 さて、本書のなかでも源泉は沢にあり、「うす暗がり中に石柱が一つ。その下にまん丸いコンクリートの穴があって、鉄の蓋がのっている。駆けよって蓋の把っ手に両手をかけて横にずらし、すきまから手を差し入れた。あたたかい!」と書いてありますから、現在と状況はあまり変わらないようです。例の鉄製の蓋も、当時のままなのでしょう。入っている分にはあたたかいが、外に出ると寒いので、三人で入浴したと買い照りますから、さぞかし窮屈だったことでしょう。

 本書から得た情報はこれぐらいですが、以前には見つけられなかったガラメキ温泉の画像が、いくつかみつかりました。まず「我楽目嬉」で画像検索をかけたところ、「やまだくんのせかい」というブログに当時の阿蘇山館の絵が載ってました(こちら)。また「富士見館」でぐぐると、「ハレルヤ美容院」のブログに、「上毛 我樂目嬉温泉 全景」と「富士見館 全景」という2枚の絵はがき(写真)がアップされておりました(こちら)。昭和8年4月6日の消印があります。当時の温泉場らしい鄙びた雰囲気がいいです。

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