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2013/12/11

【オペラ】コミカルで楽しいけど最後はほろり「ホフマン物語」新国立劇場オペラ

 オッフェンバックというと、♪カステラ一番電話は二番の「天国と地獄」しか知らないぽん太、「ホフマン物語」を観るのはもちろん初めてでした。公式サイトはこちらです。
 オッフェンバック(Jacques Offenbach、1819年〜1880年)は、ドイツで生まれ、フランスで活躍した作曲家・チェリストだそうです。オペレッタ作家として名を馳せましたが、「地獄のオルフェ(天国と地獄)」(1858年)がとっても有名ですね。
 脚本はジュール・バルビエ。バレエファンには「シルヴィア」の脚本を書いた人と言えばわかるでしょう。
 当時のフランスは第二帝政 (1852年〜1870年)と呼ばれ、ナポレオン・ボナパルトの甥であるルイ=ナポレオン(ナポレオン3世)が皇帝の地位についていました。当初は権威的・弾圧的な政策を取りましたが、次第に自由主義的な政策に転換しました。産業革命が行われてブルジョワ社会が形成され、オスマン男爵のパリ改造も行われ、バブリーで浮かれた雰囲気がありました。1970年の普仏戦争の敗北によりナポレオン三世は失脚し、パリコミューンを経て第三共和制となります。政情が不安定ななか、享楽的な消費文化がますます栄え、ベル・エポックと呼ばれる時代が訪れます。しかし世界はやがて、第一次世界大戦へと突き進んでいきます。オッフェンバックが活躍したのは、このような時代でした。
 「ホフマン物語」は、オッフェンバックの唯一のオペラ作品ですが、完成を待たず、未完のままオッフェンバックは死去したんだそうです。
 ホフマンの三つの小説(「砂男」、「顧問官クレスペル」、「大晦日の夜の冒険」)を取り上げ、ホフマン自身を主人公として脚色し、ホフマンが次々と恋に破れた果てに自殺を図るが、ミューズによって詩人として甦るという物語になっております。
 コミカルで楽しく時には馬鹿馬鹿しいオペラですが、主人公のホフマンが女性の愛を求めながら(しかも人形と病人と娼婦ですから、最初から悲劇的結末になることはわかってます)、恋に破れて絶望して行くさまは、ちょっと感動を誘います。
 オッフェンバックの音楽は流麗で、重唱などなかなかよかったですが、とってもすごいというほどではなかったです。
 演出のフィリップ・アルローは、新国立で「アラベッラ」と「アンドレア・シェニエ」を観たことがあります。今回の舞台もなかなかオシャレで幻想的で、蛍光色も使った色彩が美しく、ポップで楽しい演出でした。
 タイトルロールはアルトゥーロ・チャコン=クルス。メキシコ人だそうですが、新国立得意の見た目からの人選でしょうか、細身でなかなかかっこよかったです。明るい声のテノールでしたが、ちょっと乾いた声で、艶やかさや色っぽさには欠けておりました。リンドルフなど4役を歌ったマーク・S・ドスが長身の黒人で、名前どおりドスがきいた歌声で迫力があり(たぶんこのダジャレはネット上にあふれまくってると思いますがcrying)、悪役にふさわしい存在感がありました。ニクラウスとミューズ役のアンジェラ・ブラウアーは、あまりアリアがなかったのでよくわかりませんでした。
 オランピアの幸田浩子は、<生け垣に鳥たちが>のコロラトゥーラはなかなかのものでしたが、演出のためだと思いますが「けったいな人形」という感じで、可愛らしさや切なさがみられませんでした。浜田理恵は声量があり、死んだしまうと知りながら歌を歌ってしまうアントニアを切々と歌い上げました。横山恵子のジュリエッタも貫禄がありました。高橋淳も4役をこなして健闘。
 全編でバレエが活躍。新国立のダンサーだったのでしょうか?また、いつもながら新国立劇場合唱団に拍手。特に一番最後の合唱は感動しました。


ジャック・オッフェンバック
ホフマン物語
Jacqus Offenbach : Les Contes d'Hoffmann
新国立劇場
2013年12月1日

スタッフ

指揮:フレデリック・シャスラン
演出・美術・照明:フィリップ・アルロー
衣裳:アンドレア・ウーマン
振付:上田 遙

キャスト

ホフマン:アルトゥーロ・チャコン=クルス
ニクラウス/ミューズ:アンジェラ・ブラウアー
オランピア:幸田浩子
アントニア:浜田理恵
ジュリエッタ:横山恵子
リンドルフ/コッペリウス/ミラクル博士/ダペルトゥット:マーク・S・ドス
アンドレ/コシュニーユ/フランツ/ピティキナッチョ:高橋 淳
ルーテル/クレスペル:大澤 建
ヘルマン:塩入功司
ナタナエル:渡辺文智
スパランツァーニ:柴山昌宣
シュレーミル:青山 貴
アントニアの母の声/ステッラ:山下牧子

合 唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

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