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2013/12/27

【クラシック】声楽がすべてを持ってきました。読売日本交響楽団《第九》

 今年の第九は、例年どおり日程と会場の行きやすさから選んだところ、読売日本交響楽団に決定!公式サイトはこちらです。
 実は読響を生で聞くのはぽん太は初めてです。子供の頃に買った「白鳥の湖」と「くるみ割り人形」の組曲のレコードが、読響だった気がします。指揮は若杉弘だったかな?
 入り口で「プ、プログラムをくれない!」と驚いたら、小冊子のようなものがプログラムで、12月の演奏会分が全部入ってました。なるほど、こういうやり方もあるのか。

 指揮者はデニス・ラッセル・デイヴィス。これまたぽん太は初耳。プログラムを読んでみると、アメリカ人で、1944年生まれの70歳。伝統的音楽以外にもフィリップ・グラスなどの現代音楽にも熱心。読響とは初顔合わせとのこと。なになに、「熱烈な巨人ファン」ですって。さすが読売…。
 プログラムの最後の方にある楽団員の写真を見る。オリンピックのスピーチで有名になった高円宮妃久子さまが名誉顧問でした。メンバーは「男が多いね」とにゃん子。Wikipediaによれば、かつては団員を男性に限っていたんだそうな。なるほど。
 第九の前に二つの室内楽(ヴィオラ4重奏と、チェロ4重奏)がついてました。今年の読響の第九演奏家は6回ありますが、なぜか本日だけ室内楽つき。クリスマス・プレゼントかした。どちらも知らない曲でしたが、耳に優しく美しい小品で、クリスマス・ディナーの素敵なアペリティフでした。
 で、いよいよメインディッシュの「第九」です。最初の音が意外と大きいのでびっくり。テンポは速めの普通でした。デイヴィスは、指揮棒をけいれん的に鋭く振り、そこから引き出される音楽もブロック、ブロックに分割されてる感じで、ゴツゴツした印象。旋律や感情の時間的な流れはあまり感じられませんでした。強弱や速度の変化を使った劇的演出も用いられず、重厚感や崇高さもありません。昔風のロマンティックな演奏でもなく、現代的なスマートな演奏でもなく、あえて言えば、現代音楽のようなちょっと無機的で構築的な演奏でした。第二楽章で、普段なら盛り上がるところを逆にちょっと押さえたり、などのケレンも随所にありましたが、それほど効果的な感じはしませんでした。各パートを精緻にコントロールするというよりは、荒々しく激しい音楽でした。
 がぜん盛り上がったのは、声楽が入ってから。合唱は、ぽん太がオペラで普段から聴いている新国立劇場合唱団。以前からその力量は高い評価を受けており、ぽん太も何度も感動させていただきましたが、こんかいもすごかった。どちらかというと少なめの人数でしたが、大迫力でした。そこらの素人合唱団とはレベルが違います。普段からオペラを歌っているために、表現力があるのかもしれません。独唱も男性陣は新国立オペラでおなじみの人ばかり。バリトンの与那城敬は、イタリア風の明るく伸びのある声で、声量もたっぷりでした。ドイツ音楽には合わないのかもしれませんが、どちらかというと重苦しい楽器演奏が続いてきたところで、光が射してくるかのようでした。ソプラノの木下美穂子は初めて聞きましたが、ちょっと硬い声質ですが声量がありました。ほかの独唱も含め、ちょっとアンサンブルが乱れるなど粗さも感じられましたが、大変力強い歌声でした。
 そういえば、最初の合唱が終わって、静寂からマーチに入るところのデイヴィスの演奏は、現代音楽的で非常に新鮮に聴こえました。
 全体として、指揮者のデニス・ラッセル・デイヴィスがやりたかった音楽は十分にはわかりませんでしたが、最後に独唱と合唱がすべてをかっさらっていったという印象でした。読響がどうかについては、ぽん太にはよくわかりませんでしたが、低弦の厚みやティンパニ(岡田全弘氏でしょうか)が印象に残りました。
 今回の席はオペラシティの2階正面。オケはバランスよくしっかりと聴こえてきましたが、ちょっと遠くで細かい音色が聞き取りにくかったです。声楽はストレートに聴こえました。1階のもうちょっと前の方がいいのかもしれません。
 美味しいクリスマス・ディナーを満喫できました。

読響《第九》
2013年12月25日(水)
会場:東京オペラシティコンサートホール

指揮=デニス・ラッセル・デイヴィス
ソプラノ=木下美穂子
メゾ・ソプラノ=林美智子
テノール=高橋淳
バリトン=与那城敬
合唱=新国立劇場合唱団
合唱指揮=三澤洋史

【第1部】
《読響メンバーによる室内楽:ヴィオラ四重奏&チェロ四重奏》
ヴァインツィール:夜曲
(ヴィオラ:鈴木康浩、渡邉千春、長岡晶子、二宮隆行)

クレンゲル:“無言歌” “マーチ”(「4つの小品」op.33 から)
(チェロ:毛利伯郎、渡部玄一、髙木慶太、木村隆哉)

【第2部】
ベートーヴェン:交響曲 第9番 ニ短調 作品125 「合唱付き」

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