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2014/01/20

【歌舞伎】上方風の情感がある藤十郎と扇雀の「山科閑居」2014年1月歌舞伎座夜の部

 役者がそろった「山科閑居」が何といっても見物でしたが、正月から忠臣蔵?という違和感は以前に書いた通り。「東慶寺花だより」もわざわざ1月に出す演目かな〜という気がして、松竹の演目編成が崩壊しつつあるのではと心配になってきます。公式サイトはこちら
 年明けの忙しさで疲れがたまっているうえ、寒いなか歩いて来て暖かい劇場の椅子に落ち着いたら、猛烈な睡魔に襲われました。ということで、今回の感想は短めです。
 「山科閑居」は、これだけの役者がそろえば面白くないはずはありません。なかでも藤十郎の戸無瀬がすばらしく、文楽人形のような非人間的な動きの美しさ、セリフの格調、存在感にいつもながらため息が出ました。なかでも扇雀の小浪を殺して自害しようとする場面では、母と娘ではありながら、小浪の力弥への思いも加わって、近松門左衛門の心中物を見ているかのような、上方風の情愛が立ちのぼりました。幸四郎が加古川本蔵でしたが、なぜか幸四郎は丸本物になると、セリフが義太夫調になって聞き取りにくくなります。家に踏み込んでの無礼な振る舞いに荒々しさがなく、悪人ぽく見えてしまうのが残念。吉右衛門の由良之助、魁春のお石、梅玉の力弥、いずれも一級品。
 「乗合船惠方萬歳」を観たのは初めてかも。常磐津にあわせて、それぞれの登場人物が様々な踊りを披露するという楽しい舞踊。一つひとつの違いが面白く、常磐津の歌い分けも見事でした。そういえば新歌舞伎座になってから人間国宝の一巴太夫をお見かけしておりませんが、体調でも悪いのかしら。芸者の児太郎が福助そっくりでかわいらしかったです。
 「東慶寺花だより」は、4年前に亡くなった井上ひさしの遺作小説をもとにした新作歌舞伎とのことでしたが、まだ脚本が練れていない感じでした。現代演劇風に演出を加えて見せるのか、歌舞伎の世話物の本道でいくのか、なんか中途半端な気がしました。一つひとつのエピソードは面白かったですが、全体的なクライマックスがないし、例えば信次郎が様々な人との出会いを通して成長するという展開もありませんでした。なんか一本調子で平板な印象でした。とはいえ、それぞれの役者陣は大健闘で、さっき書いたように一つひとつのエピソードは面白かったです。特に秀太郎のお陸と翫雀の惣右衛門のやりとりは秀逸。秀太郎の人柄からか、いやらしくならず、明るく笑えました。虎之介の美代が、まだ子供こどもしていて可愛かったです。東蔵の法秀尼は見た目はまり役。


歌舞伎座
歌舞伎座新開場柿葺落
壽初春大歌舞伎
平成26年1月19日 夜の部

一、仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)
  九段目 山科閑居
   
    戸無瀬 藤十郎
    大星由良之助 吉右衛門
    お石 魁 春
    小浪 扇 雀
    大星力弥 梅 玉
    加古川本蔵 幸四郎

二、乗合船惠方萬歳(のりあいぶねえほうまんざい)
   
    萬歳 梅 玉
    通人 翫 雀
    大工 橋之助
    田舎侍 彌十郎
    芸者 児太郎
    白酒売 孝太郎
    女船頭 扇 雀
    才造 又五郎

井上ひさしの小説を新作歌舞伎に!
三、東慶寺花だより(とうけいじはなだより)
   
    信次郎 染五郎
    法秀尼 東 蔵
    柏屋主人源兵衛 彌十郎
    おぎん 笑 也
    堀切屋三郎衛門 松之助
    美代 虎之介
    おせん 孝太郎
    惣右衛門 翫 雀
    お陸 秀太郎

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