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2014/01/05

【歌舞伎】いつもより余計に傾(かぶ)いております・海老蔵の「壽三升景清」2014年1月新橋演舞場

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 本日の観劇は海老蔵の「壽三升景清」。歌舞伎座昼の部はちょっと地味でしたが、こちらはパッと目出たい舞台が期待されます。公式サイトはこちらです。
 「壽三升景清」は、「平家物語」に登場する悪七兵景清を主人公としたものだそうです。市川家のいわゆる「歌舞伎十八番」には、「関羽」「景清」「鎌髭」「解脱」と景清が登場する狂言が4演目あり、それらを取り入れて通し狂言として新作したのが、今回の舞台のようです。「三升」というのは、市川家の門「三升」の洒落ですかね。
 「景清」という人物は、無学なるぽん太は初めて耳にしました。困った時のWikipediaを見てみると、源平時代の平家方の武将。勇猛果敢で名をはせましたが、壇ノ浦の戦いで敗れた後に捕えられ、預け先の邸で絶食して果てたんだそうな。謎の多い人物のため、さまざまな伝説が生まれたんだそうです。『平家物語』にも出てるとのことなので、そのうちみちくさしてみたいと思います。
 「歌舞伎十八番」についてもWikipedia様を見ておさらいしておくと、七代目市川團十郎(寛政3年(1791年) 〜 安政6年(1859年))が天保3年(1832年頃)に選定した演目。具体的には、『外郎売』『嫐』『押戻』『景清』『鎌髭』『関羽』『勧進帳』『解脱』『毛抜』『暫』『蛇柳』『助六』『象引』『七つ面』『鳴神』『不動』『不破』『矢の根』の十八ですね。これでぽん太は歌舞伎十八番は15/18観たことになり、あと観てないのは『嫐』『象引』『不破』の三つです。『象引』は、團十郎がやったのを見逃しましたcrying
 とはいえ、「歌舞伎十八番」のなかには内容がほとんどわからなくなっているものも多く、おそらく今回の舞台も、明治時代以降に復活上演されたものを踏まえて作られているのでしょう。
 で、舞台の感想ですが、最初から最後まで荒事のスペクタクルの連続で、パワーと美形という海老蔵のキャラクターで引っ張り通した舞台でした。勢いがあって派手でよかったですが、ストーリーがないというか中身がないというか、名場面の並列で構成されており、複雑なストーリー展開はありませんでした。また、観ていて思わず感情移入して、ほろりと涙を流すような場面もありませんでした。ちょっと出てきた話しも、景清は頼朝を倒し、戦のない平和な世の中を作ろうとしていたが、実は頼朝も同じことを考えていた〜!そうだったのか〜!というもので、ちょとおこちゃま向きレベルでした。それでもそれでも、飽きさせずに最後まで観客を引きつける力は見事。最後は巨大なエビも登場して、お〜め〜で〜と〜う〜ご〜ざ〜い〜ま〜す。いつもより余計に傾(かぶ)いております、って、なんか染之助染太郎師匠を思い出すな〜。
 また、「景清」の立ち回りシーンでは津軽三味線とコラボ。上妻宏光という人だそうです。6人の連れ弾きは迫力がありました。「解脱」でも上妻宏光がソロで登場。こちらは打って変わって静かな曲。ギターのアルペジオのような音色で、洋楽のような響きが面白かったです。
 あと、ピーピー言いながらぴょんぴょん跳ねる奴の集団。元ネタは何なんでしょう。思わず吹き出しました。
 海老蔵って、ひょっとしてこういうプロデューサー能力があるのかしら。自分で考えて人を集めてたとしたら凄いな。あとは内容ですね。
 海老蔵、美形とパワーを生かして大活躍。高音が鼻に抜ける癖もだいぶよくなってきたし、観客が苦笑するような場面もありませんでした。
 芝雀が阿古屋。阿古屋ってあの阿古屋?ググってみたらあの阿古屋でした。な〜んだそうだったのか。どうせだったら、芝雀の琴や胡弓の演奏も入れればよかったのに。まあ、でも今回は海老蔵中心だからね〜。で、芝雀の阿古屋はとても美しく、傾城としてのプライドや、夫景清のためなら拷問をも恐れないという強さが感じられました。
  獅童は入道と重忠の二役。なかでも重忠は白塗りのこしらえが美しく、最初は獅童とわかりませんでした。芝雀の阿古屋とのツーショットは、ひな人形のようでした。これはしっかり精進を重ねて行けば、二枚目役者になれるのでは。声はちょっとだみ声だけど。
 萬太郎の若武者ぶりがりりしい。新悟は余裕。廣松健闘。市蔵、家橘、友右衛門、それぞれしっかり仕事してました。
 ぽん太がはまったのは花菱屋女房おさくの右之助。ちょっと痩せたのかしら。紺に梅を散らした着物がすらりと伸びて、どこかに物悲しさが漂う立ち姿は、さながら鈴木春信の美人画のようでした。

新橋演舞場
初春花形歌舞伎
平成26年1月4日
 
通し狂言 壽三升景清(ことほいでみますかげきよ)
   
  悪七兵衛景清 市川 海老蔵
  阿古屋 中村 芝 雀
  猪熊入道/秩父庄司重忠 中村 獅 童
  梶原源太 中村 萬太郎
  梶原妹白梅 坂東 新 悟
  尾形次郎 大谷 廣 松
  うるおい有右衛門/岩永左衛門 片岡 市 蔵
  花菱屋女房おさく 市川 右之助
  源範頼 市村 家 橘
  仁田四郎 大谷 友右衛門
  鍛冶屋四郎兵衛実は三保谷四郎 市川 左團次

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