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2014/02/06

【オペラ】ヴルガリドゥの蝶々夫人はちと物足らず「蝶々夫人」新国立劇場オペラ

 新国立劇場の「蝶々夫人」は、ラストが印象的な栗山民也演出。公式サイトはこちらです。
 このプロダクションはぽん太は3回目なので、関心は歌手へと向かいます。しかし残念ながら、アレクシア・ヴルガリドゥの蝶々夫人は今ひとつ楽しめませんでした。声が硬質で柔らかさに欠け、日本人らしい細やかな感情表現ができず、ピンカートンを信じて待ち続ける哀れさが感じられませんでした。「ある晴れた日」も、こんなもんかな、という感じでした。1月30日の公演では代役が歌ったそうですが、体調が良くなかったのかしら。ヴルガリドゥは確かに美人なのですが、顔が整いすぎているために表情に乏しいという、藤原紀香現象がおきてました。特に出だしでは本調子ではかったのか、突然びっくりするような大きな声を出したりしてましたが、終盤になるにつれて安定してきました。最後にはあちこちからすすり泣きが聞こえ、ぽん太もウルウルでしたが、「蝶々夫人」ではこれくらいが普通でしょう。
 それにしても「蝶々夫人」というオペラは、日本を舞台にして、村社会や母子の愛など、まさしく日本的なテーマを取り上げており、そのまま歌舞伎にもなりそうです。日本の異国情緒を取り入れるだけでなく、日本の精神性を深く理解し、しっかり描いております。やはりプッチーニは天才だったんでしょうね。
 ピンカートンを歌ったミハイル・アガフォノフは、「アンドレア・シェニエ」のタイトル・ロールの素晴らしい歌声が耳に残っておりますが、今回もお見事でした。力強く、朗々たる歌声でしたが、蝶々さんの純情を踏みにじり、最後には「この場には辛くて居られない」と逃げ出すピンカートンにしては、ちと誠実で英雄的すぎるように思いました。
 シャープレスの甲斐栄次郎は、今回もウィーン国立歌劇場の専属歌手という実力を見せつけ、誠実で優しい領事を好演しておりました。
 指揮のケリー=リン・ウィルソンは、細身で長身の女性。指揮や演奏の良し悪しはぽん太はよくわからないのですが、ねっとりしたイタリア・オペラ風ではなく、夜明けのような春のような、ちょっと人を惑わせるような情感にあふれ、透明でどこか印象派の音楽を思わせる、よい演奏だった気がします。

オペラ「蝶々夫人」/ジャコモ・プッチーニ
Madama Butterfly/Giacomo Puccini
2014年2月2日
新国立劇場オペラパレス

指揮:ケリー=リン・ウィルソン
演出:栗山民也
美術:島 次郎
衣裳:前田文子
照明:勝柴次朗

蝶々夫人:アレクシア・ヴルガリドゥ
ピンカートン:ミハイル・アガフォノフ
シャープレス:甲斐栄次郎
スズキ:大林智子
ゴロー:内山信吾
ボンゾ:志村文彦
ヤマドリ:小林由樹
ケート:小野和歌子

合 唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京交響楽団

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