【旅】伊勢マイナー観光(島崎又玄邸跡・駕籠たて松の潮湯跡など)
2月中旬、山田館に泊まったぽん太とにゃん子は、伊勢神宮とその周辺を観光しました。伊勢神宮は以前に一度参拝したことがあるのですが、式年遷宮してからは初めてです。
ただ、有名どころの情報はちまたにあふれているし、皆さんも見飽きていると思うので、マイナーな情報だけご案内。
まず上の写真は、宿から一月屋に行く途中、伊勢銀座しんみち商店街で見つけた古い建物。独特の木の塀が美しいです。 何の建物なのかググってみたけどよくわかりません。Youtubeのこちらの動画の12分30秒あたりに写っています。この商店街は、いまやシャッター商店街になってるんだそうです。
外宮の参拝のあと、あまりに寒かったので、参道からちょっと脇道に入った所にあるカフェ・ビアンカに入って暖をとりました。食べログはこちら。
この店の売りのバターブレンドコーヒーと、バターブレンドコーヒー・プレミアムを一つずつ頼んで、飲み比べました。とっても美味しかったです。どら焼きみたいなのは、あいだにクリームが挟まってたんですが、何だか忘れました。
バターブレンドコーヒーは、コーヒーにバターを浮かべて飲むわけではなく、焙煎した豆にバターをしみ込ませるのだそうで、バターの味はしません。
そういえば、以前にボルネオのキナバル登山をしたときに、マーガリン・コーヒーというのがありましたが……。ああ、こちらの記事です。これは、コーヒー豆にマーガリンを加えてから焙煎するもので、コーヒー豆が貴重だった時代に増量するために行われていたのが、現在に残っているものでした。買って帰って飲んだら、苦みが強く深炒りのような味がしました。 裏道で見かけた土塀です。粘土と瓦を交互に積み重ねて造られているようです。
裏道を歩いていたら、素晴らしい建物が目に入りました。近づいてみると畑肛門医院とのこと。ホームページによると、大正5年に建てられた旅館を移築して、リフォームしたものだそうです。旅館だったら泊まりたいところですが、ぽん太の肛門はいまのところノープロブレムです。
ぽん太は以前の記事で、「月さびよ 明智が妻の咄しせん」という芭蕉の句を取り上げました。貧しいながらも芭蕉を一生懸命もてなしてくれた又玄(ゆうげん)の妻に対し、明智光秀の妻が自分の髪を売って夫を助けた話しをして、褒めそやしたという句です。こんかいググって初めて知ったのですが、「木曽殿と 背中合わせの寒さかな」という句は、又玄が大津の義仲寺で詠んだ歌だそうです。
で、その又玄は、伊勢神宮の御師(おんし:宿泊や案内をする神官)でした。この又玄の家がどこにあったかは、たいへんぽん太の興味を引くのですが、ぐぐってみてもよくわかりません。唯一こちらのpdfファイルによれば、写真のあたりのようです(Yahoo!地図)。このpdfファイルは、三重県環境生活部文化振興課のサイトにあるので、信用できるかもしれません。 月夜見宮から外宮北御門に向かう神路通り(かみじどおり)です。
神様が夜になると、石垣の石のひとつを馬に変えてこの道を通ったそうで、人はこの道の真ん中を歩いてはいけないそうです。
シラセ(ホームページはこちら)で、バームクーヘンをゲット。
お昼ご飯は、内宮の参道にある「わらじや」(食べログ)で、伊勢うどんと手こねずしを頂きました。伊勢うどんはぶよぶよで、決して美味しいとは言えません。手こねずしはいわゆる漬け丼でしょうか。
式年遷宮が終わった皇大神宮の写真は載せないわけにはいきません。前回は向かって右にありましたが、今回は左側です。
夫婦岩で有名な二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)を訪れました。駐車場ですが、二見プラザ (株)夫婦岩パラダイスの向い側に無料の駐車スペースがあります。空いていたら利用しましょう。
ワラでできた不思議な円盤。輪注連縄(わしめなわ)というものだそうですが、ぽん太は初めて見ました。どういうものなのかちょっとぐぐってみましたが、あまりよくわかりません。
「駕籠たて松の潮湯跡」という案内板がありました。こ、こ、これは温泉ファンのぽん太の興味を引きつけます。
明治15年(1882年)に長與専斎という人の尽力で、我が国初の海水浴場がこの場所に開設されたこと、潮湯(海水浴場)の設備も男女別四槽できたこと、日本最初の潮湯であることが書かれています。
この案内板を論ずる理解するには、まず「潮湯」というものを理解しなければなりません。weblio辞書を引いてみると、(1)「塩風呂(しおぶろ)」に同じ、(2)塩分を含む温泉、(3)食塩を加えた白湯(さゆ)、とのこと。(2)や(3)ではないので、今度は塩風呂を引いてみると(Weblio辞書)、「海水や塩水を沸かした風呂。塩湯」と書かれています。つまり、海辺に浴槽をつくり、そこで海水を沸かして入浴するのが「潮湯」です。
それから「海水浴」ですが、皆さんは「海水浴」と聞くと、海で泳いだり、浜辺で背中を焼いたりビーチバレーをしたりするレジャーを思い浮かべると思いますが、コトバンクにも書かれているように、元来は療養を目的とするものでした。
おそらく日本人も古来から、海で泳いだり、塩水を沸かして入ったりはしていたはずだと思いますが、西洋的な療養の観点に基づく「海水浴場」が、日本で初めて作られたということなのでしょう。
ただ、Wikipediaを見ると、「日本最初の海水浴場」を標榜するところは複数あるようですが、二見浜は日本最古の海水浴所として「国に指定」されたと書かれています。
最後は「長與専斎」です。これはWikipediaに出てました。長與專齋(ながよせんさい)は、天保9年(1838年)に長崎県で生まれ、明治35年(1902年)に死去した医師・官僚。緒方洪庵の適塾で学んで塾頭を務めた後、ポンペに西洋医学を学びました。長崎の医学教育の近代化などを行った後、政府の衛生局の局長となるなどして、衛生行政に尽力したそうです。へ〜え、Hygieneの訳語として「衛生」をあてたのが、この長與さんなんだそうです。
いろいろぐぐっていたら、面白い論文が見つかりました。小口千明「潮湯の偏在性に関する地理的予察 ーー日本における海水浴普及との関連からーー」(城西人文研究第13号、1986年、57-74ページ)です(pdfファイルはこちら)。海水浴や潮湯に関するさまざまな知識が得られます。
また、こちらの三重県立博物館のサイトには、明治23年(1890年)の「二見浦真景之図」(ふたみうらしんけいのず)があります。海水浴場が、明治17年(1884年)にやや西側に移転してからの、二見浦の版画を見ることができます。
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