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2014/04/20

【オペラ】やっぱり不気味「ヴォツェック」新国立劇場

 新国立オペラの「ヴォツェック」は、2009年のプロダクションの再演です。公式サイトはこちら
 前回は、おどろおどろしい演出や、アルバン・ベルクの音楽に、あっけにとられるだけでしたが、今回は2回目ということで、少し冷静に聞くことができ、舞台を楽しむことができました。
 ベルクの音楽は、いわゆる「現代音楽」ですが、美しく豊かで面白く、壮大な音楽であることがわかりました。全体的な構成を感じ取る能力はぽん太にはありませんが、Wkipediaを見てみると、一見わやくちゃに聴こえる音楽も、実は緻密な古典的構成を有しているとのこと。次の再演までにもう少し聞き込んでおきたいと思います。
 不気味でありながらちょっと可愛い登場人物たちや、水を使った演出も面白かったです。ただ全体として「貧困のもたらす悲劇」として描かれているのは、「いまさらマルクス主義かい?」と思いました。普段から精神障害に関わっているぽん太としては、ヴォツェックの錯乱が「貧困」に還元されてしまうのは、ちと物足りなかったです。
 この作品のなかに出てくる「局部的錯乱」「第二種症状」「固定観念」などの医学用語に関しては、以前の記事で論じたことがありますので、興味のある方はご参照下さい(→「グリージンガーの『精神疾患の病理と治療』の抄訳を読む」
 タイトルロールのゲオルク・ニグルは、かつてはウィーン少年合唱団に所属する「天使」だったそうですが、いかにも神経質そうで、鬼気迫る感じがよかったです。マリー訳のエレナ・ツィトコーワは、新国立の「ニーべルングの指輪」のフリッカや、「タンホイザー」のヴェーヌスでおなじみの、細身の美人さん。こんかいは不気味な化粧で、貧困の苦しみから浮気に走り、一方でそのことを後悔するという下層階級の女性を好演。でも、ヴォツェックに対する愛や、次第に発狂して行く彼に対する恐怖との表現はもう一つかな。大尉のヴォルフガング・シュミットは、時おり混ぜるクラシック的でない発声が効果的でした。妻屋秀和の医者、前回同様気持ち悪い。


オペラ「ヴォツェック」/アルバン・ベルク
Wozzeck/Alban Berg
新国立劇場オペラパレス
2014年4月13日

指揮:ギュンター・ノイホルト
演出:アンドレアス・クリーゲンブルク
美術:ハラルド・トアー
衣裳:アンドレア・シュラート
照明:シュテファン・ボリガー

ヴォツェック:ゲオルク・ニグル
鼓手長:ローマン・サドニック
アンドレス:望月哲也
大尉:ヴォルフガング・シュミット
医者:妻屋秀和
第一の徒弟職人:大澤 建
第二の徒弟職人:萩原 潤
白痴:青地英幸
マリー:エレナ・ツィトコーワ
マルグレート:山下牧子

合 唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
[共同制作]バイエルン州立歌劇場

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