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2014/04/21

【温泉】源泉は素晴らしいんだけど……。元泉館@塩原元湯温泉(★★★)(付:二代目高尾大夫)

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 塩原温泉発祥の地と言われる塩原元湯温泉は、江戸初期には「元湯千軒」と呼ばれるほとの賑わいを見せたそうですが、現在は3軒の旅館がひっそりと身を寄せ合うだけで、温泉街の賑わいとはほど遠い静かな佇まいをみせてくれます。ぽん太はこれまで「ゑびすや」さんと「大出館」さんには泊まったことがあるので(ゑびすやの記事大出館の記事)、残るひとつの元泉館に泊まって参りました。公式サイトはこちらです。
Img_8341 秘湯とは相容れない真新しいコンクリート造りの建物です。
Img_8344 お部屋もこのとおり綺麗です。
Img_8345 浴衣の柄がちょっといいですね。
Img_8374 この宿の売りは、なんと言っても三つの自家源泉を持つことです。まずは「高尾の湯」。男女別の大浴場で、それぞれ露天風呂が付いております。お客さんでつねに賑わっていて、写真は撮れませんでした。灰緑色に濁ったお湯で、硫黄臭がしますが、なめると酸っぱさはなく、pH6.5です。むしろ苦みを感じますが、そんなにマグネシウムイオンが多いわけでもなく、よくわかりません。
Img_8375 硫化水素イオン19.7mg/kgはぽん太の知る限り最高レベル、炭酸水素イオン1039.1mg/kgも結構多いと思います。泉質は、含硫黄ーナトリウムー塩化物・炭酸水素塩温泉です。
 「高尾の湯」という名前の由来ですが、江戸時代の有名な吉原の遊女、二代目高尾太夫が、ここ奥塩原元湯の出身と言われているそうです。
 二代目高尾太夫というと、「吊るし斬り」で有名です。例えばこちらの「芳村直樹のブログ」ご覧下さい。伊達政宗の孫に当たる仙台藩主伊達綱宗は、二代目高尾にぞっこんとなり、身請けをしようと必死に口説いたものの袖にされたのを恨んで、大川(隅田川)の三つ又あたりで船上で逆さ吊りにした上で斬り殺したんだそうな。どうやらこれは作り話のようですが、江戸時代には広く知られていたようです。
 歌舞伎がお好きな方に言えば、「伽羅先代萩」の冒頭の「花水橋の場」で、廓での遊蕩にふけっている足利頼兼のモデルが、伊達綱宗ですね。
 現場となった隅田川の「三つ又」は、現在でいうと新大橋と清洲橋のあいだ、日本橋中洲のあたりです(goo地図)。上のタグから「明治の地図」を選択するとわかるように、浜町から箱崎に抜ける首都高の下は昔は川(箱崎川)になっていて、日本橋中洲はその名の通り中洲になってました。
 数日後、太夫の遺体が引き上げられましたが、人々はそこに神社を建てて供養しました。それが高尾稲荷神社で、詳しくはたとえばこちらをご覧下さい。実物の頭蓋骨が祭神として祀られているとっても珍しいお稲荷さんだそうです。
 二代目高尾太夫といえば、落語の「反魂香」にも出て来て、「そちゃ女房、高尾じゃないか」のセリフは有名ですね。
 郷土資料に基づいた高尾大夫の出生に関しては、こちらのサイトが詳しいです。
Img_8379 お次ぎは邯鄲の湯(かんたんのゆ)。混浴ですが、女性専用タイムがあります。岩風呂で、浴槽や床には結晶が析出し、なかなか趣きがあります。胃腸に良く効くそうで、朝食ではこの源泉を使った温泉粥を頂けます。
Img_8367 飲泉所も設けられております。
Img_8372 温泉分析表です。
Img_8373 右ページです。「邯鄲の夢」という中国の故事から取った名前だそうですが、狸のぽん太は聞いたこともありません。故事ことわざ辞典によると、邯鄲という町で貧しい若者が仙人から不思議な枕を借りて寝たところ、自分の一生の栄枯盛衰を体験しましたが、実はそれは束の間の夢に過ぎなかったという話しで、人の世の栄枯盛衰がはかないものであることのたとえだそうです。へ〜え、こりゃ勉強になったと思っていたら、なんと5月の明治座の花形歌舞伎に「邯鄲枕物語」という演目があるではないか(→こちら)。う〜ん、何とも不思議な因縁じゃな〜。
Img_8356 最後は宝の湯。男女別の檜風呂です。
Img_8358 こちらが温泉分析表の左ページ。
Img_8359 そして右ページです。
 泉質がちょっと似てるとはいえ、三種類の源泉をどれも掛け流しで入れるというのはなかなか得点が高いです。
Img_8365 しかし、ちょっと残念なのがお料理。写真でみると品数も多く、豪華に見えますが、よくある温泉旅館のお料理という感じでした。栃木の山の中で頂くのなら、ぽん太はマグロのお刺身よりも、地元の山菜を使った料理などが食べたいです。
Img_8366 箸袋の裏に地元の民謡の歌詞が書いているのは時おり見かけますが、一番左にあるのは「〽めでためでたの若松様よ」で始まる「花笠踊り」です。こ、これは山形の民謡ではないか。確かに塩原は、会津西街道で会津若松に到り、さらに米沢街道を辿れば米沢に通じておりますが、距離的には200kmぐらい離れてます。う、う、う、わからん。
Img_8376 こちらが朝食です。温泉粥がおいしゅうございました。
 とにかく源泉は素晴らしいのですが、建物を新しく建て替え、食事が温泉旅館料理ということで、栃木県内の人が泊まるにはいいのでしょうが、東京からわざわざ泊まりに行く宿ではなくなってしまいました。ぽん太の評価はちょっと残念な3点。

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