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2014/05/27

【文楽】人形なればこそのアクションシーン/2014年5月国立劇場第二部

 5月文楽の第二部は、「女殺油地獄」と「勧進帳」という、歌舞伎ではおなじみの演目。公式サイトはこちらです。
 文楽初心者のぽん太は、とりあえず歌舞伎と比べてみるしかありません。少ない登場人物で動きもすくない演目は、歌舞伎よりも、義太夫さんが切々と語る文楽が面白かったりしますが、こんかいは二つともどちらかというとアクション系の演目。どうなることでしょう。

 まずは「女殺油地獄」。歌舞伎の場合だと、まずお吉の人物像が問題となってきます。単なる世話焼きなのか、それとも与兵衛に多少とも気があるのか、あるいは少し無防備なとのこがあるのかなど。この辺りは、文楽だとあまりはっきりわかりませんでした。また「豊島屋油店の段」の「いっそ不義になって貸して下され」というセリフは、歌舞伎だとぞくぞくっとするような色気があって、見せ所のひとつだと思いますが、ここも文楽だと意外とあっさりでした。
 一方で油にまみれての乱闘というアクションシーンが、かえって歌舞伎より迫力があったのは、意外な発見でした。舞台の端から端まで油で滑るなどは、生身の人間では決して不可能な動きでした。

 続いて「鳴響安宅新関」の「勧進帳の段」。なんか大夫さんや三味線を弾く人が、大勢登場し、見た目だけで圧倒されます。筋はだいたい歌舞伎の「勧進帳」と同じ。ずらっとならんだ太棹のユニゾンはすごい音量で大迫力でしたが、大夫さんの語りも含め、歌舞伎より「格式」があんまり感じられないような気がしました。歌舞伎の方は「厳粛な出し物」的な雰囲気がありますが、文楽の方は「大音響のエンターテイメント」という感じでした。最後の弁慶の見得も、手足が生身の人間ではありえへんくらいいバラバラになりながらの大見得でしたが、身体が「異化」した迫力がありました。

国立文楽劇場開場30周年記念
七世竹本住大夫引退公演
2014年5月11日

第二部

女殺油地獄
徳庵堤の段
  与兵衛 松香大夫
  お吉 三輪大夫
  森右衛門 津国大夫
  茶屋亭主 / 弥五郎 文字栄大夫
  七左衛門 南都大夫
  小菊 / 花車 咲寿大夫
  大尽蝋丸 小住大夫
  小栗八弥 / お清 亘大夫
  喜一朗

河内屋内の段
  口 芳穂大夫 寛太郎
  奥 呂勢大夫 清治

豊島屋油店の段
  切 咲大夫 燕三

  女房お吉 : 和生
  お清 : 勘次郎
  茶屋の亭主 : 玉彦
  河内屋与兵衛 : 勘十郎
  弥五郎 : 文哉(前半) / 簑紫郎(後半)
  善兵衛 : 玉勢
  小菊 : 清五郎
  花車 : 紋臣
  大尽蝋丸 : 勘市
  小栗八弥 : 紋秀
  森右衛門 : 幸助
  七左衛門 : 勘彌
  山上講先達 : 簑次
  河内屋徳兵衛 : 玉也
  徳兵衛女房お沢 : 勘壽
  河内屋太兵衛 : 文司
  稲荷法印 : 玉佳
  妹おかち : 一輔
  中娘 : 和馬(前半) / 簑之(後半)
  綿屋小兵衛 : 紋吉(前半) / 玉翔(後半)

鳴響安宅新関
勧進帳の段
  弁慶 英大夫
  富樫 千歳大夫
  義経 咲甫大夫
  伊勢 / 片岡 希大夫
  駿河 / 常陸坊 靖大夫
  番卒 咲寿大夫
  番卒 小住大夫

  清介
  宗助
  團吾
  清馗
  清丈`
  龍爾
  清公(前半) / 錦吾(後半)
  燕二郎(前半) / 清允(後半)

  富樫之介正広 : 清十郎
  源義経 : 勘彌
  伊勢三郎 : 紋秀(前半) / 玉勢(後半)
  駿河次郎 : 紋吉
  片岡八郎 : 玉翔
  常陸坊海尊 : 亀次
  武蔵坊弁慶 : 玉女

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