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2014/05/29

【展覧会】バルテュス展@東京都美術館

 東京は上野のバルテュス展に行って来ました。特設サイトはこちら。東京都美術館のサイトはこちらです。
 国内最大規模の回顧展で、バルテュス夫人の節子さんの全面的な協力のもとに、なかなか国内ではお目にかかれない作品が出品されているそうです。
 たしかに、バルテュスが13歳のときにリルケの協力を得て出版した絵本「ミツ」から(昔軽井沢で見たような気がします)、最晩年の1990年代の未完の作品(「ロシニエールの駅」)まで網羅されておりました。また、スイスのロシニエールのアトリエが再現や愛用品の展示も興味深く、「日本の少女の肖像」(1963年)や「朱色の机と日本の女」(1967-76年:日本初公開)など節子夫人をモデルにした絵もありました。
 可愛い猫はあんまりなかったのですが、エロチシズムと貴族性、静謐でありながら悪夢的な不安感を持つバルテュスの世界を堪能することができました。

 ところで、昔読んだフェリックス・ガタリのバルテュス論のタイトルが「Cracks in the street」(邦訳《街路のなかの亀裂》、『分裂分析的地図作成法』(宇波彰他訳、紀伊国屋書店、1998年)所収)で、当時はこのcracksという言葉の出所がいまひとつ分からなかったのですが、先日『バルテュス、自身を語る』(河出書房新社 、2011年)を読んでいたら、「クラック」という言葉が出てました。

 (シャガールの)「あの天真爛漫さは人為的だと思いました。あまりにも軽すぎるところがあって、リルケが「クラック」と呼んだ、すき間にある素晴らしい国へ入るのを禁じています。」(89ページ)
 「私は自分の描く肖像画は、十五歳になるかならない頃にリルケに言われたように、つねに「クラック」に入れる状況にしました。一日が夜に場所を譲り、夜が一日に場所を譲るわずかな空間で、やはりリルケが言ったように「ほかの素晴らしいもの」をかいま見る空間です。」(90ページ)
 「リルケの望みは詩的で精神的でした。私を「クラック」という場所に呼び出し、そのすき間を私は、教育を受けはじめた当初から、本当の現実に到達するために通らなければならなかった。
 とはいえ、クラックがなんであるかは結局よくわかりません。ぐぐっているうちに、「ユリイカ 2014年4月号 特集=バルテュス 20世紀最後の画家」に、江澤健一郎の「「裂け目(クラック)」の画家バルテュス」という論文が載っているのを知りました。(借りて)読んでみたいと思います。

「バルテュス展」
2014年4月19日〜6月22日
東京都美術館

作品リスト(pdf)はこちら。(リンク切れの場合は、解像度が悪いですけどこちら)のjpegファイルをどうぞ)

主な出典作品
「十字架の称揚」(日本初公開)1926年
「空中ごまで遊ぶ少女」(日本初公開)1930年
「キャシーの化粧 」1933年
「鏡の中のアリス 」1933年
「 猫たちの王 」1935年
「夢見るテレーズ 」1938年
「おやつの時間」1940年
「美しい日々」1944-46年
「地中海の猫」(日本初公開)1949年
「決して来ない時」1949年
「白い部屋着の少女」1955年
「目ざめ(1)」1955年
「樹のある大きな風景(シャシーの農家の中庭)」1960年
「朱色の机と日本の女」(日本初公開)1967-76年
「トランプ遊びをする人々」(日本初公開)1966-73年
「モンテカルヴェッロの風景(2)」(日本初公開)1994-95年

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