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2014/06/12

【歌舞伎】勘三郎なきあと串田和美がやりたいようにやった感じかしら「三人吉三」2014年6月シアターコクーン

 中村勘三郎と串田和美の二人三脚で行われて来たコクーン歌舞伎。勘三郎の急逝で昨年は海老蔵のABIKAIでしたが、今年は満を持しての再開。でも、これまでは座布団のかぶりつきで見てたのが、今回は3等席というあたりに、ぽん太の微妙な気持ちが表れています。勘九郎、七之助に話題の松也が加わって若者大奮闘の舞台でしたが、「勘三郎がいなくなって、串田和美がやりたいようにやった」というのが第一印象でした。松竹の公式サイトはこちら、会場のBunkamuraの特設サイトはこちらです。
チケットぴあ
 コクーン歌舞伎で「三人吉三」が上演されるのは、2007年以来7年ぶり。前回の公演を観ているはずなのに、全然覚えていないのが、われながらいさぎよいです。ぽん太のブログにも記事がなく、前回の舞台と比較することができないのが哀しいです。
 ただ、観ていて、「これは歌舞伎ではないな〜」と感じました。確かに勘三郎や七之助たちは頑張って演じてましたが、歌舞伎を原作とし、歌舞伎役者をフィーチャリングした、現代劇だと思いました。勘三郎の頃のコクーン歌舞伎は、例えばラップを取り入れるなど斬新な演出をしておりましたが、歌舞伎作者がもし現代に生きていたらどうするか、という軸がしっかりしてました。しかし今回の舞台には、そうした問いかけは感じられませんでした。
 では、具体的にどこにそれが現れているのかを、しっかりを記述できればぽん太も歌舞伎評論家になれるのでしょうが、とてもそんな力はなく、単なる印象としてしか言えないところが残念でございます。ただ、歌舞伎以外の役者が多かったのに、ちょっと違和感がありました。
 もちろん、串田和美の演出にも、はっとするところがありました。舞台の手前側と奥側をライティングで場面転換する手法とか、お嬢吉三とお坊吉三が寺で自害しようとするところでのオレンジ色の布の使い方など。
 しかし、三人吉三が現れるまでの前置きがちょっとだれてた気がするし、歌舞伎では重要な、すべては犬を殺したことに始まる因縁であるということはあまり強調されておらず、歌舞伎を知らない人にはわかりにくかったのでは。また最後の幕も、江戸時代の「木戸」の仕組みを知らないと理解しにくかったかもしれません。木戸の反対側にいたはずのお嬢とお坊が、いつのまにか一緒にいたのは、何ででしょう。
 歌舞伎役者陣は健闘。松也がなかなか演技がうまいのにはおどろきました。ただ、今回は現代劇調。AKBだなんだで話題になって喜んでないで、本業の力をつけて欲しいところです。七之助はあいかわらず素晴らしい。勘九郎、いつもながらの熱演。十三郎とおとせの首を斬ってからの下りは、引き込まれるものがありました。鶴松も悪くなし。新悟はちと押さえ気味だったのか、普段ほど目立ちませんでした。亀蔵、今回のメンバーのなかでは舞台を締めてました。出番が少なかったのが、ファンのぽん太は残念。
 笈田ヨシほか非歌舞伎陣の演技も素晴らしかったですが、歌舞伎以外の役者が多かったのも、非歌舞伎的な印象の一因となりました。
 そういえばこんかいは、大向こうさんが一人もいなかったですね〜。歌舞伎じゃないからと断ったんでしょうか。
 音楽は下座音楽なしでしたが、音楽担当の伊藤ヨタロウのツケ打ちのうまさに、むしろ感動しました。
 実は今回の公演のチラシの写真、ぽん太はいたく気に入ってました。勘三郎・七之助・松也が、息苦しい現代社会のなかで自分を貫こうとして、否応なくアウトロー化していく若者たちのように見えました。今回の舞台もどうせ非歌舞伎路線でいくなら、いっそそうした現代の若者の叫びにまで到達できたら素晴らしかったと思いました。また、お嬢とお坊のちょっと倒錯的な友情なども見たかったです。
 串田和美の演出は悪いわけではありませんが、「歌舞伎ファン」のぽん太としては、来年のコクーンはどうするかな〜と思いました。

渋谷・コクーン歌舞伎第十四弾
三人吉三(さんにんきちさ)
Bunkamura シアターコクーン
平成26年6月11日
 
◆演出・美術  串田 和 美
   
◆出演            
和尚吉三 中村 勘九郎
お嬢吉三 中村 七之助
お坊吉三 尾上 松 也
十三郎 坂東 新 悟
おとせ 中村 鶴 松
海老名軍蔵/八百屋久兵衛 真那胡 敬二
太郎右衛門/長沼六郎 大森 博 史
堂守源次坊 笈田 ヨ シ
土左衛門伝吉 笹野 高 史
研師与九兵衛 片岡 亀 蔵

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