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2014/06/13

【歌舞伎】祝!仁左衛門復帰。菊五郎の実盛も充実・2014年6月歌舞伎座昼の部

 仁左衛門の復帰がうれしい6月歌舞伎ですが、菊五郎の「実盛物語」が見応えありました。公式サイトはこちらです。

 まずは「春霞歌舞伎草紙」(はるがすみかぶきぞうし)。若手が勢揃いして華やかで、時蔵の阿国、菊之助の山三の二人も目の覚めるような美しさ。
 出雲の阿国が踊っていると、伊達男の名古屋山三の幻が現れるという話しだそうですが、名古屋山三って誰?
 「なごやさんざ」と読むらしい。Wikipedia様に「名古屋山三郎」という項目で出ていて(→こちら)、安土桃山時代の武将。出雲阿国のだんな、歌舞伎の祖とも言われるそうです。また、豊臣家の小姓だった不破万作(ふわばんさく)、石田三成の家臣の浅香左馬之助とともに、戦国三大美少年と言われるんだそうな。

 次の菊五郎の「実盛物語」が充実していて、歌舞伎を見たという満足感を得られました。冒頭の詮議にやってきた武将という怖さから、最後の孫を見るおじいちゃんのような好々爺ぶりまで、役者として培ってきた芸と、積み重ねて来た時だけが生み出すことができる味によって、一つひとつしっかりと演じてくれました。生締(なまじめ)の貫禄と格好良さや、太郎吉に対する時のちょっと素に戻った風なとぼけた感じは、菊五郎ならではですね。まわりを固めた役者陣も全員がすばらしかったです。
 ところで今回ぽん太が気になったのは、小万を生き返らせるとき、父の九郎助が家から外に出て、井戸に向かって小万の名を呼びかける場面。昔はこんな風習があったのでしょうか。
 ググってみると、goo辞書の「魂呼び(たまよび)」という項目にありました(→こちら)。いわく、「死者の名を呼んで、離れていく魂を呼び戻す儀礼。枕頭(ちんとう)や屋根の上で、あるいは井戸の底に向かって大声で呼ぶ。たまよばい。」むむむ、知らんかった。
 それから、登場人物に関して、今回は太郎吉くんを調べてみました。太郎吉くんは劇の最後で「手塚太郎光盛」という名前をもらいますが、Wikipedia様に出てました(→こちら)。上田市の手塚地区を本拠地としていたと考えられているとのこと。別所温泉の近くですね。木曽義仲の有力な武将の一人で、寿永2年(1183年)の篠原の戦いで斎藤実盛を討ち取った逸話が『平家物語』に出ているそうですが、巻第七の「実盛」ですね。老いて白髪となった実盛が、鬢を黒く染めて戦に望んだことなどが書かれておりますが、歌舞伎はこれをふまえているんですね。
 『平家物語』で実盛の首を見た木曽義仲は、「自分がむかし上野国へ越えたときに、幼い目で見たときは、白髪まじりだった」と述べますが、昔の義仲と実盛の出会いに関しては書かれていません。『源平盛衰記』の巻第二十六には、実盛が幼い義仲を預かり、信濃国に送ったことが書かれているそうです。
 さらにWikipediaによれば、手塚光盛は手塚良仙や手塚治虫の祖先と言われているそうです。

 お次ぎの「元禄忠臣蔵」はぽん太が嫌いな演目なので、感想は省略。なぜ嫌いかというと、ぽん太の勝手な思い込みかもしれませんが、なんか軍国主義的な気がするんです。みんな心を乱さず、粛々と死んで行け……みたいな。

 最後は仁左さん復帰祝いの「お祭り」。やっぱり歌舞伎の舞台には、仁左衛門のこの笑顔と可愛らしさが不可欠です。腕も上がっているようでした。体を大切にして、長く舞台を務めてほしいです。

チケットぴあ

歌舞伎座
六月大歌舞伎
平成26年6月12日・昼の部

一、お国山三 春霞歌舞伎草紙(はるがすみかぶきぞうし)   
    出雲阿国    時 蔵
    若衆    亀 寿
    若衆    歌 昇
    若衆    萬太郎
    若衆    種之助
    若衆    隼 人
    女歌舞伎    尾上右近
    女歌舞伎    米 吉
    女歌舞伎    廣 松
    名古屋山三    菊之助

源平布引滝
二、実盛物語(さねもりものがたり)  
    斎藤実盛    菊五郎
    小万    菊之助
    葵御前    梅 枝
    矢走仁惣太    橘太郎
    小よし    右之助
    九郎助    家 橘
    瀬尾十郎    左團次

元禄忠臣蔵
三、大石最後の一日(おおいしさいごのいちにち)
    大石内蔵助    幸四郎
    磯貝十郎左衛門    錦之助
    おみの    孝太郎
    細川内記    隼 人
    赤埴源蔵    橘太郎
    原田玄沢    松之助
    吉田忠左衛門    錦 吾
    堀部弥兵衛    桂 三
    早水藤左衛門    由次郎
    堀内伝右衛門    彌十郎
    久永内記    友右衛門
    荒木十左衛門    我 當

四、お祭り(おまつり) 
    鳶頭松吉    仁左衛門
    若い者    千之助

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