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2014/09/27

【文楽】「双蝶々曲輪日記」の歌舞伎で観たことない段が面白い。2014年9月国立劇場第一部

 「双蝶々曲輪日記」といえば、ぽん太は歌舞伎ではよく観る演目ですが、文楽 文楽は初めてでした。ふだん観れない「段」が観れたのがよかったですし、また「引窓」は、歌舞伎とは違った味わいで、とっても感動いたしました。
 全段のあらすじは、以前の記事で書いたのでご参照いただければと思いますが、こんかいは「相撲場」に始まり、昨年歌舞伎で観た「井筒屋」などの廓での出来事は省略、歌舞伎では観たことがない「大宝寺町米屋の段」があって、昨年歌舞伎で観た「難波裏」、観たことない「橋本の段」ときて、最後はおなじみの「引窓」でした。
 元々全体の構成力に欠けると言われている「双蝶々曲輪日記」の、さらにダイジェスト版なので、大きなドラマとして盛り上がらなかったり、所々つじつまがあわなかったりするのは仕方ありません。
 「相撲場」は、与五郎の下りは省かれて、濡髪長五郎と放駒長吉のドラマに限定されてました。
 「大宝寺町米屋の段」は、酒やけんかに明け暮れる放駒を改心させようと、姉が近所の衆と仕組んで一芝居を打つという話しで、前半はちょっと緊迫感がありますが、最後はホンワカとなって、ちょっと楽しい雰囲気も。濡髪と放駒が義兄弟の契りを結場面もあり、長五郎と長吉で、二つ長長、「双蝶々」という題名の由来がはっきりしました。人間国宝の三味線の鶴澤寛治が残念ながら病気休演。代役の寛太郎はなんか若くて心配でしたが、見事に伴奏を務めました。あとで調べたら寛治さんのお孫さんで、27歳だそうです。
 「難波裏」は、歌舞伎では濡髪が4人を斬り殺すのが唐突に感じられましたが、文楽では不自然さはありませんでした。
 「橋本の段」は、吾妻と駆け落ちした与五郎が、本妻の実家に落ち延びるも、本妻の父ちゃんや、自分の父ちゃん、吾妻の父ちゃんまでも加わって修羅場になるという話し。与五郎の奴、本妻がいたんか〜。し、知らんかった。しかも駆け落ちで本妻の実家に助けを求めるとは。悪いやっちゃな〜。原作では与五郎が発狂するという天罰が下るようですが、こんかいは省略されてました。嶋大夫の語りは音楽的でいいですね〜。娘吾妻に切々と理を説く駕籠かき甚兵衛(勘十郎)も良かったです。
 最後は「引窓」。呂勢大夫・咲大夫の名調子にを聞きながら、紋壽さんが遣う長五郎母が泣かせました。

平成26年9月文楽公演
国立劇場小劇場
2014年9月11日

<第一部>
双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)

堀江相撲場の段     
 長五郎 松香大夫
 長吉  睦大夫
     團吾

大宝寺町米屋の段    
 靖大夫
 清丈

 津駒大夫
 寛太郎    

難波裏喧嘩の段
 長五郎    津國大夫
 郷左衛門  始大夫
 有右衛門  文字栄大夫
 吾妻     南都大夫
 与五郎   咲寿大夫
 長吉    小住大夫
       喜一朗

橋本の段
 嶋大夫
 錦糸

八幡里引窓の段
 呂勢大夫
 清友

 咲大夫
 燕三

濡髪長五郎  玉也
茶屋亭主   玉彦
放駒長吉   幸助
姉お関    勘彌
下駄の市   亀次
野手の三   簑紫郎
同行六兵衛  勘次郎
尼妙林    文昇
平岡郷左衛門 文哉
三原有右衛門 玉誉
山崎与五郎  文司
藤屋吾妻   清十郎
嫁お照    一輔
下女およし  紋臣
駕籠かき甚兵衛 勘十郎
駕籠かき太助 玉勢
橋本治部右衛門 玉女
山崎与次兵衛 勘壽
女房おはや  蓑助
長五郎母   紋壽
南方十次兵衛 和生
平岡丹平   蓑一郎
三原伝蔵   勘市

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