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2014/09/26

【歌舞伎】千之助の「連獅子」のキレと迫力。2014年9月歌舞伎座夜の部

 9月の歌舞伎座は、体調不良にて昼の部をパス。夜の部だけの観劇でしたが、こちらも体調万全とはいきませんでした。公式サイトはこちらです。

 まずは「絵本太閤記」。義太夫狂言の名作とのことですが、なんかドラマがなくて渋い演目です。吉右衛門の、時代がかった様式的な表現と、ちょっと世話物っぽい自然な動作との間を自由に行き来する演技には、さすがの味わいがありました。染五郎の武智十次郎も、若武者の色気と、討ち死にを覚悟しての悲哀が感じられました。米吉の初菊、遠くから観てるせいなのかもしれませんが、なんか表情が悲しそうに見えません。
 夜の部で一番面白かったのが、仁左衛門と千之助の「連獅子」。千之助はひょろりとした子供だと思ってたのですが、仔獅子の精となってからの動きのキレと迫力には驚かされました。仁左衛門の円熟した動きとの取り合わせが、とても面白かったです。
 最後は「曽我綉俠御所染」。染五郎がどんな御所五郎蔵を演じるのか楽しみにしてたのですが、ちょっと期待はずれでした。どうしても染五郎の線の細さが見えてしまって、大勢の子分を従えた侠客の貫禄や気っ風が感じられません。また、傾城皐月の嘘の愛想尽かしに逆上したあげく、間違えて傾城逢州を殺してしまうという、破滅へと一直線に突き進んで行く迫力がありませんでした。芸の力でもっと大きさを出すのか、それともいっそ惚れ惚れするような色男でいくのか、どうしたらいいのかぽん太にはわかりませんが、何とかして欲しいものです。
 星影土右衛門の松緑は、あいかわらずセリフが一本調子。黙阿弥の真骨頂ともいえる、冒頭の御所五郎蔵との七五調の掛け合いも、「聞いているだけでなんだか気持ちよくなってくる」というふうにはいきませんでした。
 芝雀の傾城皐月はさすがに上手。秀太郎の甲屋女房お松、ふわふわしたのが秀太郎のカラーだから仕方ないかもしれませんが、あの場面はもっときっぱりと演じて欲しいところでした。

歌舞伎座
秀山祭九月大歌舞伎
平成26年9月7日 夜の部

一、絵本太功記(えほんたいこうき)
  尼ヶ崎閑居の場
   
 武智光秀 吉右衛門
 武智十次郎 染五郎
 佐藤正清 又五郎
 初菊 米 吉
 真柴郎党 歌 昇
 同 種之助
 同 隼 人
 真柴久吉 歌 六
 皐月 東 蔵
 操 魁 春

二、連獅子(れんじし)
   
 狂言師右近後に親獅子の精 仁左衛門
 狂言師左近後に仔獅子の精 千之助
 浄土僧専念 錦之助
 法華僧日門 又五郎

三、曽我綉俠御所染(そがもようたてしのごしょぞめ)
  御所五郎蔵
   
 御所五郎蔵 染五郎
 星影土右衛門 松 緑
 子分 梶原平平 松 江
 同  新貝荒蔵 亀 寿
 同  秩父重介 亀 鶴
 同 二宮太郎次 廣太郎
 同 畠山次郎三 児太郎
 番頭新造千代菊 歌 江
 花形屋吾助 錦 吾
 傾城逢州 高麗蔵
 傾城皐月 芝 雀
 甲屋女房お松 秀太郎

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