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2014/09/03

【バレエ】長年の活動に拍手!東京バレエ団 創立50周年〈祝祭ガラ〉

 東京バレエ団が今年でなんと創立50周年を迎えたんだそうな。おめでとーございます。継続は力なり。長年バレエ団を運営してきた努力に、心から賛辞をお贈りしたいと思います。
 ということで、創立50周年をお祝いするガラ。会場はなんとバカでかいNHKホールです。大きく出ました。3階の後ろの方はわかりませんでしたが、見える範囲は満席になってました。
 東京バレエ団とNBSゆかりのダンサー、マラーホフ、ルグリ、ギエムがお祝いに駆けつけ、ギエムは封印していた「ボレロ」を踊り、ルグリはお得意の「オネーギン」と、かなりベタなプログラムです。

 一ヶ月ほど前、2005年での引退を発表したギエム。もちろんこれから引退公演はあるんでしょうけど、「ボレロ」を観るのもひょっとしたら最後かも。前回に2011年の東日本大震災チャリティ・ガラの時は、打ちひしがれた我々を鼓舞するかのような力強い「ボレロ」でしたが、今回は引退を前にして、「ボレロ」という踊りを慈しみ、一つひとつの動作を丁寧に確認しているかのように見えました。

 ルグリの「オネーギン」も良かったですが、吉岡美佳さんを踊らせてあげてた、という感じでした。吉岡さんも実力のあるダンサーですが、ルグリと踊るとなるとちょっと見劣りしました。戸惑い、昔の恋心の甦り、理性と感情の戦い、一瞬燃え上がる心、そして毅然とした態度で撥ね付けるといった、その時その時の心の動き、感情表現がいま一つでした。

 マラーホフは「ペトルーシュカ」。いつぞやはぷっくりと太っていて驚いたマラーホフですが、今回はまた細くなっていたように見えました。でも顔は白塗りだったし、体の線が見えない衣裳だったし、席も遠かったので、ホントのところはよくわかりません。
 マラーホフの「ペトルーシュカ」は以前にも観ましたが、いつぞや観たイレールのような悲哀感が感じられないのが不満です。マラーホフの出身地のウクライナは、いまや欧米とロシアの狭間で国が引き裂かれ、内戦状態になっておりますが、そうした苦悩が伝わってくような踊りを見たかったです。「ペトルーシュカ」はおとぎ話ではなくて、社会に打ちひしがれる苦悩を表現した芸術だとぽん太は思ってます。
 というか、フォーキンの振付けは、なんかあんまり面白くない気がします。主役のペトルーシュカをはじめ、ダンサーたちの踊りらしい踊りがありません。雑踏シーンなども退屈で、ストラヴィンスキーの音楽はとても豊かで創意に満ちているのに、舞台の上では大したことが起こらず、肝心の舞台より伴奏の方が豊かに感じられます。
 また、東京バレエ団の美術も、ちと不満でした。幕に描かれた虫歯菌が空中を飛んでいるような絵柄も変です。さっき書いたように、「ペトルーシュカ」は怪談話ではありません。また統一性が感じられず、セットは童話風なのに、背景にはリアルなロシアの宮殿が描かれていたりします。
 なんかフォーキン以外に、もっと面白い振付けはないんでしょうか。ベジャールの「ペトルーシュカ」はまったく別のストーリーになってしまってますが。

 東京バレエ団は、コンテンポラリーの「スブリング・アンド・フォール」と、「ラ・バヤデール」より"影の王国"。「スプリング…」の方は、若手中心だったせいもあるのか、一生懸命体は動かしてましたが、バレエとしての面白さがなく、感情の動きが伝わってきませんでした。
 ということで、「ラ・バヤデール」の方が楽しめました。最初のバヤデールたちが出て来るところは、舞台転換の関係か斜めの部分が一段だけだったのが残念。久々に観た上野水香がとても良く、日本人が苦手な感情表現が豊かで、動きの緩急もあり、一つひとつの動作が美しく、とてもキュートでした。柄本弾も、動きによって得手不得手のばらつきはありましたが、得意のジャンプは高く大きくて、観客から盛大な拍手が沸き起こりました。
チケットぴあ

東京バレエ団 創立50周年 〈祝祭ガラ〉
2014年8月31日
NHKホール

◆主な配役◆
「ペトルーシュカ」
振付:ミハイル・フォーキン   音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー
ペトルーシュカ: ウラジーミル・マラーホフ
バレリーナ: 川島麻実子
ムーア人: 森川茉央
シャルラタン: 高岸直樹   ほか

「スプリング・アンド・フォール」
振付:ジョン・ノイマイヤー  音楽:アントニン・ドヴォルザーク
沖香菜子 - 梅澤紘貴
村上美香、吉川留衣、岸本夏未、矢島まい、河合眞里、三雲友里加
岡崎隼也、森川茉央、安田俊介、杉山優一、永田雄大、吉田蓮、原田祥博、岸本秀雄、入戸野伊織

「オネーギン」より第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ 音楽:P.I. チャイコフスキー
オネーギン: マニュエル・ルグリ
タチヤーナ: 吉岡美佳

「ラ・バヤデール」より"影の王国"
振付:ナタリア・マカロワ(マリウス・プティパ版による) 音楽:レオン・ミンクス 編曲:ジョン・ランチベリー
ニキヤ: 上野水香
ソロル: 柄本弾
第1ヴァリエーション: 岸本夏未
第2ヴァリエーション: 奈良春夏
第3ヴァリエーション: 高木綾   ほか

「ボレロ」
振付:モーリス・ベジャール  音楽:モーリス・ラヴェル
シルヴィ・ギエム
森川茉央、杉山優一、永田雄大、岸本秀雄   ほか

指揮:ワレリー・オブジャニコフ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
ピアノ:菊池裕介(「ペトルーシュカ」)
協力:東京バレエ学校(「ペトルーシュカ」)

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