« 【観光】谷底にある神社・一之宮貫前神社@富岡市、織田信長の次男が造った楽山園@甘楽町 | トップページ | 【温泉】古民家再生ならぬコンクリート再生による隠れ家風の宿/四万温泉いずみや(★★★★) »

2014/11/08

【拾い読み】長年クマを調査して来た著者ならでは『山でクマに会う方法』米田一彦

 先日の記事に書いたように、山でクマであったので、についてちと勉強してみることにしました。今回読んだのは、『山でクマに会う方法』(米田一彦著、山と渓谷社、2011年)です。著者はフリーのクマ研究者。主にテレメトリー法(クマに発信器をつけて追跡する)によって、三十年近くにわたって多くのクマを観察して来たそうで、クマ経験(^_^)が豊富なようです。もちろん「山でクマに会う方法」というタイトルは逆説であって、本書によって「クマに会わない方法」を知ることができます。ちなみに本書で扱われているクマは、本州に生息する「ツキノワグマ」です。
 山でクマに会ったぽん太の疑問点は二つです。(1)クマは共食いをするのか、そして、(2)木の実を食べて暮らしてるのに何であんなに力が強いのか、です。残念ながら、この本ではどちらの疑問も解けませんでしたが、クマとじかに関わり続けてきた人ならではの、クマの生態を知ることができました。
 以下、いつもの通り、ぽん太が興味を持った部分の拾い読み。これは「書評」ではありませんので、興味を持った方は自分でお読み下さい。

 クマが秋に食べる堅果類は、ミズナラやコナラなどのドングリです。クリも、イガを剥き、皮だけ上手に吐き出して食べるそうです。クルミやハシバミなどの実も食べるが、著者の経験では、シイ、カシや、トチノキなどは食べないという。ブナの実に関しては、少量しか食べてないという研究もあるが、栄養価が高いので、ある程度の働きをしている可能性はあるという。
 6月頃になると、雌クマは「着床遅延」と呼ばれる独特な繁殖生理を持っていて、交尾して受精するのは6月頃ですが、受精卵はしばらく発育を休止し、子宮内膜に着床して妊娠が成立するのは11月頃だそうです。そして受精できるかどうかは、この間にしっかりと食事をとり、栄養状態がよかった場合に限られるそうです。
 夜のクマは、フラッシュのような閃光には反応しませんが、動く光や点滅する光にはよく反応するそうです。
 クマは冬眠すると言われてきましたが、「体温や代謝が低下して昏睡状態になる」という冬眠の定義を満たしていないため、最近は「冬ごもり」と呼ばれるそうです。冬ごもりの期間は、中部以北では6ヶ月に及ぶこともありますが、暖かい広島県では60〜70日くらいで、栄養状態が良くて体力があると、冬ごもり期間が短かったりするそうです。
 糞の調査では、冬ごもりを終えた4月下旬は、ブナの若葉が圧倒的に多く、5月になるとミズバショウ、ザゼンソウ、フキノトウ、アザミ類が出てくるそうです。フキ、ミズ、セリなどの山菜類も大好きで、6月になるとチシマザサ(ネガマリタケ)のタケノコも食べるそうです。6月下旬になるとキイチゴも食べます。
 7月になると昆虫をよく食べるようになります。アリやハチが主ですが、クワガタムシなどの甲虫も食べるそうです。8月下旬には、まだ殻が堅くなっていないオニグルミや、熟していないドングリを食べ始めます。
 捕殺したクマの胃からカモシカの毛が出て来ることはあるそうです。しかし著者がみた限り、クマがカモシカにちょっかいを出した時、カモシカは余裕で逃げ、クマもすぐ追うのを止めてしまったそうです。
 クマは基本的には耳と鼻がよく、人間に会わないように避けて行く。出会った時にクマが実を隠したら、クマに攻撃する気がない証拠。威嚇の場合は、小走りに近寄って来て、両足を30センチぐらい上げて地面に叩き付け、引き返して行く。著者は、この威嚇の後に襲われた経験はないといいます。攻撃する場合は、何の前触れもなく一気に襲ってくるそうで、マンガにあるような、仁王立ちになってうなり声を上げたりすることはありません。頭を下げて上目使いにこちらをにらみつけ、耳を伏せてアゴを引き、脇を締めて身構え、前足で弧を描くようなすり足で、声も出さずにすごいスピードで突進してくるそうです。
 クマの対処法。鈴をぶら下げるのは有効。火は怖がらない。出会った時に「話しかけてみる」というのは無意味どころかクマを刺激する可能性もある。無言でクマの目を見ながら静かに後退する。背中を見せて走って逃げると、クマは本能的に追ってくる。(仙人温泉小屋のおっちゃんは、こちらからふっと目をそらして、闘う意思がないことを示した方がいいと言ってました。)木に登って助かった人もいる。クマも木登りが上手だが、攻撃力が弱まるので防御しやすい。クマが下で待っている場合は、根比べとなる。いざ襲われた時はクマ撃退スプレーが有効。唐辛子のエキスで、これを浴びるとクマが大声で鳴くほどだそうな。しかしこのスプレーは、5メートル先までしか届かず、連続なら5秒間しかでないので、クマに襲われるという状況で正確にクマに命中させるのは難しいとのこと。

|

« 【観光】谷底にある神社・一之宮貫前神社@富岡市、織田信長の次男が造った楽山園@甘楽町 | トップページ | 【温泉】古民家再生ならぬコンクリート再生による隠れ家風の宿/四万温泉いずみや(★★★★) »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74997/60601580

この記事へのトラックバック一覧です: 【拾い読み】長年クマを調査して来た著者ならでは『山でクマに会う方法』米田一彦:

« 【観光】谷底にある神社・一之宮貫前神社@富岡市、織田信長の次男が造った楽山園@甘楽町 | トップページ | 【温泉】古民家再生ならぬコンクリート再生による隠れ家風の宿/四万温泉いずみや(★★★★) »