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2015/01/22

【歌舞伎】正月らしいスペクタクル「南総里見八犬伝」2014年1月国立劇場

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 「南総里見八犬伝」を観るのは3回目。調べてみると、最初は2006年8月の歌舞伎座で、このときは三津五郎の犬山道節、染五郎の犬塚信乃、孝太郎の浜路でした。次が2012年1月の浅草歌舞伎で、亀治郎の道節、歌昇の信乃、壱太郎の浜路。
 場面構成は、2006年のが、発端 房州富山山麓の場・庵室の場/序幕 大塚村庄屋蟇六内の場・同表座敷の場/二幕目 円塚山/三幕目 滸我成氏館の場・芳流閣の場・行徳入江の場・庚申塚刑場の場/大詰 馬加大記館の場・同対牛楼の場。渥美清太郎脚色、今井豊茂補綴、となっております。
 一方2012年は、富山山中の場・大塚村庄屋蟇六内の場・円塚山の場、という短縮版で、石川耕士脚本・演出でした。
 今回の公演は、脚色が渥美清太郎となっており、場面構成も2006年のものと似ているようです。ただいくつか違いもあり、発端の伏姫と八房の下りがかなり省略されているようでした。また芳流閣の場では、前回は「がんどう返し」が使われましたが、今回は大屋根が回り舞台で90度回転するという趣向でした。そして前回は、庚申塚の処刑場で犬川荘助が火あぶりになりかけていたところを、犬士たちが村雨丸の力を借りて助け出し、対牛楼では犬坂毛野が女田楽に化けて馬加大記を籠絡して討ち取りました。しかし今回は、犬田小文吾が馬加大記の館の対牛楼に捉えられているのを、犬坂毛野が女芸人に化けて屋敷に入り込んで救い出す、という話しになってました。この場面は、セットも踊りも中国風ですが、こちらの2014年11月26日のインタビューで時蔵が言うには、菊五郎に「中国の女優チャン・ツィイーが映画で見せた剣の舞のようにしたいんだ」と言われたそうです。無知なるぽん太は、どの映画を指しているのかちとわかりません。また同じインタービューのなかで菊五郎は、過去の演出との変更点について語っています。最後に、白井城下で、犬山道節が刀売りに化けて扇谷定正に近づく場面が目新しいですが、もとは河竹黙阿弥が脚色したものだそうです。

 さて感想ですが、全体としては楽しくて勢いがあって美しくて派手でよかったですが、ぐっと感情移入するようなシリアスな場面がなかったのはちょっと残念でした。金の亡者・蟇六女房亀笹役の萬次郎の演技が、ぶっ飛んでいておかしかったです。尾上左近くん、犬の毛皮をかぶってちょこちょこと現れ、可愛かったです。時蔵、確かに剣の舞いは美しかったですが、「娘道成寺」の花子じゃないですけど、犬坂毛野の本性をかいま見せる所もあってよかったのでは?
 ところでふと思ったのですが、菊五郎と菊之助の間の世代の役者って、あんまりいませんね。本来ならその世代の役者が、次々と充実した舞台を見せてくれてるべきだと思うのですが……。


通し狂言 南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん) 五幕九場
2015年1月21日 国立劇場

曲亭馬琴=作
渥美清太郎=脚色
尾上菊五郎=監修
国立劇場文芸研究会=補綴
国立劇場美術係=美術

発 端 (安房)富山山中の場
序 幕 (武蔵)大塚村蟇六内の場
          本郷円塚山の場
二幕目 (下総)滸我足利成氏館の場
          同   芳流閣の場
三幕目 (下総)行徳古那屋裏手の場
四幕目 (武蔵)馬加大記館対牛楼の場
大 詰 (上野)白井城下の場
      (武蔵)扇谷定正居城の場

出演
犬山道節 尾上 菊五郎
犬坂毛野 中村 時蔵
網乾左母二郎/犬飼現八 尾上 松緑
犬塚信乃 尾上 菊之助
犬田小文吾 坂東 亀三郎
犬川荘助 坂東 亀寿
蟇六娘浜路 中村 梅枝
犬村大角 中村 萬太郎
馬加鞍弥吾 市村 竹松
里見家息女伏姫 尾上 右近
犬江親兵衛 尾上 左近
横堀在村 市村 橘太郎
巨田薪六郎 河原崎 権十郎
蟇六女房亀笹 市村 萬次郎
大塚蟇六/馬加大記 市川 團蔵
足利成氏 坂東 彦三郎
扇谷定正 市川 左團次

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