【温泉】明治後半の建物が残るアットホームな宿。三浦屋@肘折温泉・山形県(★★★★★)
2月中旬の話しですが、月山の東麓にあって、まるで時の流れから取り残されたようなレトロな温泉街、知る人ぞ知る肘折温泉に行ってきました。実はぽん太とにゃん子が肘折温泉を訪れるのは2回目。前回は和モダンに改装された丸屋旅館でしたが、今回は昔ながらの建物が残る三浦屋さんにお世話になりました。おもてなしもアットホームで、温泉力もあり、お料理もおいしくて、ぽん太の評価は5点満点です。ホームページはこちらのiタウンページかな?なんでも明治後半に建てられたものだそうです。木造三階建てですが、三階部分はちょっと様式が異なるようなので、後から建て増ししたのかもしれません。
豪雪で知られる肘折。途中の道の両側は御覧の通り。これでもここ2〜3日雨が降って、だいぶ雪が沈んだそうです。除雪はしっかりしており、また平成25年に肘折希望大橋が開通したので、アプローチは問題ありません。
玄関の様子です。ガラス戸には雪囲いがしてありますね。
二階の戸袋を利用した看板。文字が漆喰で盛り上げられています。「改良」というのは何でしょう?向かって左にはこけしの絵が書いてあります。肘折はこけしの山地としても有名です。こちらの山形県のホームページによると、鳴子と遠刈田のふたつの流れを汲んでおり、胴体は太くて真っすぐで地が黄色く、重ね菊やなでしこなどの草花の絵が描かれています。肩には段が入り、頭頂部に放射状の手絡(てがら:髪に巻き付けて飾る布)をつけています。現在作っている人は鈴木征一さんただ一人だそうですが、左の写真を良く見ると、「征一」というサインが入ってますね。鈴木征一さんの原画を模写したものでしょうか。
こちらのサイトに鈴木こけし店の訪問記があります。ぽん太も行けば良かったよ。次に肘折に行った時に寄ろうっと。 玄関を内側から見る。いいですねぇ。向かって左が囲炉裏のある部屋ですが、残念ながらプライベートルームとして使われております。
二階に上る階段。階段の下や、横の壁に、引き出しが作り付けられています。手すりは新しくなってますが、手すりを支える柱が美しいです。
二階の廊下です。
立派な梁ですね。天井は壁紙が貼られてます。
窓側の柵の造形です。にゃん子は何でこんなところに柵があるのかいぶかしがってましたが、昔は夏は窓というか戸を、全部戸袋に引き込んで全開状態にしていたので、柵が必要だったわけです。
別の部分の柵です。これもなかなか得点が高いです。
ガラス戸の桟もなかなかオシャレです。
予約時に古い建物が好きなことを伝えておいたら、古い部屋を用意してくれました。隣りの部屋とは襖一枚で混んでるとプライバシーはありませんが、空いていたので寝室と食事部屋と、合計3室を使わせていただきました。
このように、古い建物の裏側に新館が増設されているようです。でもせっかく泊まるなら、昔ながらの建物に泊まりたいところ。
浴室はけっこうこじんまりとしております。石造りの浴槽は悪くありませんが、壁には大理石がはめられ、女湯とのしきりは渓流の写真のパネルとなってます。これはちょっと俗っぽい……けど、鄙びた感じでいいです!
お湯は茶褐色のうす濁り。舐めると鉄味があり、塩分とカルシウムを感じます。床に茶色い結晶が付いているので、温泉力は強そうです。
温泉分析表です。泉質はナトリウムー塩化物・炭酸水素塩泉。源泉温度は86.4度と高温です。
泉温が高いので加水はしてますが、循環・消毒一切なしの源泉掛け流しです。あ〜あ、ありがたや。
自炊用の台所に、定番の瓦斯自動販売機を発見
夕食です。山菜やキノコなど、地元の食材を使った田舎料理。ぽん太とにゃん子は、温泉で食べるならこういうお食事が一番好きです。
こちらが朝食です。左上に山形の郷土料理「しそ巻」があります。金時豆の煮物もおいしゅうございました。
明治41年の温泉分析表が掲示してありました。署名は「山形市立病院済生館 院長医学士 友田保登」となってます。
こちらは昭和27年の温泉分析表ですね。
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