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2015/04/08

【国宝】運慶作・大日如来坐像@円成寺&木造仏頭@興福寺、中西与三郎の茶房「六坊庵」のぜんざい@奈良町

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 3月中旬の京都・奈良の旅、ぽん太とにゃん子は奈良の東にある円成寺(えんじょうじ)にやってきました。折しも、先ほどから降っていた雨がみぞれまじりの雪に変わり、寒いことさむいこと。円成寺の公式サイトはこちらです。
 円成寺と聞いても知らない人も多いかもしれませんが、運慶の最初の作品と言われている国宝の大日如来坐像があることで有名です。浄土式庭園の向こうに重要文化財の楼門が見えますが、楼門は通行止めになっていて、通用門から入ります。
Img_3149 こちらが多宝塔ですが、この中に大日如来さまが安置されております。下層の扉が開いて見える所に、実はガラスがはまっていて、ガラス越しに拝むという趣向です。
 多宝塔自体は新しいもので、平成2年(1990年)に再建されたものだそうです。以前の多宝塔は大正9年(1920年)に老朽化のため撤去され、その部材が鎌倉の長寿寺の観音堂に使われているそうです。ここもそのうちみちくさしてみたいですね。ただ公開は季節限定週末限定のようです(鎌倉ガイド)。
463pxdainichi_nyorai_unkei_enjoji_2 こちらが大日如来坐像です(写真はWikipediaからの著作権フリーのものです)。大正10年(1921年)に台座蓮肉天板裏面に運慶自著と思われる墨書銘が発見され、運慶の真作であることが明らかになりました。安元2年(1176)年、通常の制作期間よりはるかにながい11ヶ月を要して造られた、運慶渾身の作です。運慶はまだ20代だったと推定され、運慶の最初期の作です。さらに仏像に制作者の署名が書かれた現存最古の仏像でもあります。この頃から「作者」という意識が高まってきたんですね。
 大きさはほぼ等身大。肉体の奥行きはまだ控えめですが、両手で結んだ智拳印が通常より高く、かつ身体から離れた位置にあるため、胸の前に複雑な空間が生まれています。また条帛(じょうはく:左肩から斜めにかけたタスキみたいなもの)が別材から作られております。
 なんでこんなへんぴな所にある小さなお寺に運慶があるのかという気がしますが、廃仏毀釈以前はかなり栄えていたんだそうです。それにいまでこそ運慶は超有名ですが、当時はまだ若造扱いだったのかもしれません。
Img_3144 円成寺のもう一つの国宝がこちらの春日堂・白山堂です。向かって左が春日堂、右が白山堂ですね。とっても小さなお社で、日本最小の国宝建造物だそうです。安貞2年(1228年)の再建で、春日造社殿の現存最古のものなんだそうです。春日造と言われてもぽん太にはチンプンカンプンですが、Wikipediaには「切妻造・妻入であるが、屋根が曲線を描いて反り、正面に片流れの庇(向拝)を付したもの。庇と大屋根は一体となっている」と書いてあり、まさにその通りの形をしております。
Img_3148 本堂(重要文化財)は、文明4年(1472年)の建立。屋根の妻側の方向に入り口があるのが珍しいそうです。内部には本尊阿弥陀如来坐像と四天王立像(どちらも重要文化財)が安置されています。

 次に訪れたのは興福寺。お目当ては国宝館にある運慶作と言われる「木造仏頭」です。
 国宝館にはもうひとつ「銅造仏頭」があり、こちらは昨年東京藝術大学大学美術館で行われた「国宝興福寺仏頭展」でお会いしました。そのときの記事はこちらです。
 「木造仏頭」の方は、内部に「西金堂釈迦」と墨書されているため、いわゆる南都焼討のあと文治2年(1186年)頃に再興された西金堂の本尊釈迦如来と考えられます。しかし江戸時代の享保2年(1717年)に焼失。頭部と手だけが救い出されました。長く作者不明とされておりましたが、平成19年(2007年)に『類聚世要抄』(るいじゅせようしょう)に運慶が西金堂の釈迦像を建立したと書かれていることから運慶の作とされましたが、それがこの仏頭かどうかについては異論もあるそうです。螺髪などもだいぶ抜け落ち、痛々しいお姿です。額の白毫がないのが特徴で、「この像の眉間からは自然に光が発せられているようだったので、白毫は付けなかった」という古記があるそうです。他に仏手、光背化仏、飛天も残ってます。
 このほか、さすが国宝館、国宝の目白押しです。「板彫十二神将立像」は、前述の「国宝興福寺仏頭展」以来のご対面。国宝館が建つ場所にかつてあった食堂のご本尊、丈六の木造千手観音立像(鎌倉時代)はすごい迫力です。乾漆八部衆立像の阿修羅像も久々のご対面。細い鉛管のような腕など、運慶などとはまったく違った造形ですが、深みのある表情など、多くの人たちから愛されることがうなづけます。「木造天燈鬼・龍燈鬼立像」は、運慶の三男・康弁の作。滑稽味のある作品で、特に龍燈鬼の方は、ぱっちりお目めのまつげや、龍の背びれが金属でできてたりして、ラブリーでした。
 その後、東金堂で、重要文化財の銅造薬師如来坐像、銅造日光・月光菩薩立像や、国宝の木造文殊菩薩坐像・木造維摩居士坐像、木造四天王立像、木造十二神将立像などにご対面いたしました。

Img_3153 時おり小雪が舞う天気ですっかり冷えきってしまったので、奈良町の「中西与三郎」でぜんざいを頂きました。冷えた身体が温まりました。
Img_3154 入り口は和菓子屋さんですが、奥が町家を改装した喫茶になっています。ホームページはこちらです。

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