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2015/05/15

【歌舞伎】「男の花道」の脚本が感情移入できません。2015年5月明治座昼の部

 う〜ん、なんか、め・い・じ・ざって感じの公演でした。公式サイトはこちらです。
 
 猿之助の「男の花道」。なんか脚本が納得できませんでした。
 医者の土生玄碩が、自分の偏屈とプライドからお殿様の田辺嘉右衛門に媚びを売るのを拒否したくせに、それに加賀屋歌右衛門を巻き込んで、大事な舞台を途中で止めさせて呼びつけ、お殿様の前で踊りを踊らせるというのはどうなんでしょう。歌右衛門は、舞台以外のお座敷なので芸を披露しないというのをポリシーにしていたわけで、本当に親友だったら、歌右衛門に踊らせるくらいなら、土生玄碩は自分がプライドを捨てて踊るべきでしょう。それを、自慢げに「歌右衛門なら知り合いですよ〜」とか自分から余計なことを言い出して、歌右衛門に犠牲を強いるなんて……。
 歌右衛門にこんな過大な要求をするのなら、最初に手術をしたときにお金を受け取っておけばいいじゃないですか。「お金はいらぬ」とか断っておきながら、結局お金以上の要求をしたわけですから、ぽん太には恩着せがましく感じられます。
 それに歌右衛門に来て欲しいと手紙を書き、お殿様に「今は芝居の最中だぞ」と言われて「あっ!」て、お前は馬鹿かと。
 原作は、マキノ正博監督の映画「男の花道」(1941年)。脚本は小川英雄、歌右衛門が長谷川一夫、医者が古川緑波だそうです。簡単なあらすじがこちらのサイトにあります。この映画は1956年にリメイクされたようで、歌右衛門は四代目坂田藤十郎(現藤十郎ですね。当時は扇雀かしら?)、土生玄磧は伴淳三郎、監督は冬島泰三です。こちらはもう少し詳しいあらすじも読めます(例えばこちら)。
 猿之助と中車の演技も歌舞伎らしくなかった。猿之助も、この名前を継いでしまったゆえのしがらみもあるかもしれませんが、本格的な歌舞伎の演目もやって欲しいです。中車もセリフ回しや、身体の使い方、踊りの練習などもして欲しいところ。
 二幕の最初で、愛之助や秀太郎が出て、男女蔵が踊ったりしたあたりは歌舞伎らしい味わいがありました。
 ところで、愛之助が言っていた「猫じゃ猫じゃ」という踊りがどうしても気になり、後からぐぐってみました。江戸末期から明治に流行った端唄だか小唄だかだそうで(ぽん太は違いがわかりません)、例えばこちらで歌を聞くことができます。またこちらに現代の熱海芸者さんによる踊りもあります。
 劇中劇で猿之助の「櫓のお七」を久々に見れたのがよかったです。

 「男の花道」の前に右近の「矢の根」。荒事のなかにも右近らしい艶と柔らかさがあって、悪くなかったです。ただ、「矢の根」と「男の花道」というプログラム構成は、古典と新作という取り合わせなのかもしれませんが、ちょっと水と油という感じがしてしまいました。前半も新作系の方がよかったのでは?


明治座 五月花形歌舞伎
平成27年5月6日
昼の部

一、歌舞伎十八番の内 矢の根(やのね)
    曽我五郎 市川 右 近
    大薩摩文太夫 中村 亀 鶴
    馬士畑右衛門 市川 猿 弥
    曽我十郎 市川 笑 也

二、男の花道(おとこのはなみち)
    加賀屋歌右衛門 市川 猿之助
    土生玄碩 市川 中 車
    田辺嘉右衛門 片岡 愛之助
    山田春庵 市川 男女蔵
    加賀屋歌助 中村 壱太郎
    山崎順之助 市川 猿 弥
    按摩杢の市 市川 弘太郎
    松屋忠兵衛 市川 寿 猿
    富枝妹雪乃 市川 笑 也
    加賀屋歌五郎 中村 亀 鶴
    加賀屋東蔵 坂東 竹三郎
    田辺妻富枝 市川 門之助
    万八の女将お時 片岡 秀太郎

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