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2015/05/19

【文楽】なんと女が男になるという。2015年5月国立劇場

 5月の文楽は、吉田玉女の二代目吉田玉男襲名披露。昼の部だけ観に行きました。公式サイトはこちら、二代目吉田玉男襲名披露特設サイトはこちらです。
 歌舞伎の襲名披露の口上は何度も見たことがありますが、文楽は初めて。幕が上がると、新吉田玉男を中心に、義太夫さん、人形遣、三味線方など、総勢20名以上が前後4列くらいになってずらりと並んでおりました。人形遣や三味線さんは、普段は話しをするのに慣れてませんから、歌舞伎の流暢なあいさつとはちょとちがって、たどたどしくて面白かったです。玉男さんご本人の挨拶がなかったのが残念でした。

 さて、演目の方はまず「五條橋」。京都の五条の橋での義経と弁慶の戦いを描いたものでしたが、義経がひらりと欄干の上に飛び乗ったり、弁慶が突き立てた槍の上に立ってみたりと、文楽であることを生かして、歌舞伎では絶対できない芸当を見せてくれました。

 続いて「新版歌祭文」より野崎村の段。こういうしっとりとした演目は文楽だといいですね〜。大夫さんが切々と語っているのを聞いていると、心にしみて来ます。特に最後の竹本津駒大夫。語りというより歌をうたっているかのようで、聞いてると気持ちよくなってきます。また吉田勘彌のお光がすばらしく、胸というか胴体のちょっとした動きが、いかにも娘らしく感じられました。
 ぽん太が好きな、盲目の母親がお光の出家姿に気付かずに、褒めそやす場面がなかったのが残念。
 歌舞伎では見せ場となっている、最後にお光が号泣する場面は文楽ではどうなのかと思って見ていたら、お光は舞台奥へフェードアウトしてしまい、別々に帰るお染・久松が描写され、船のお染が母親にヨシヨシされてました。

 口上を挟んで最後が襲名披露狂言の「一谷嫩軍記」。吉田玉男が熊谷次郎直実。玉男と同期だと口上で言っていた吉田和生と桐竹勘十郎が、相模と藤の局を遣いました。義太夫は竹本文字久大夫が、こちらは軍記物らしく勇ましく語り切りました。
 生首が息子小次郎と知った瞬間の相模の驚きが、やはり人形だとわかりにくい。また「十六年は 一昔、夢だ夢だ」の部分も歌舞伎の方が感動的で、やはりいろいろな人たちが工夫して練り上げた歌舞伎の演出は見事だと思いました。

平成27年5月文楽
吉田玉女改め二代目吉田玉男襲名公演
国立劇場
平成27年5月14日

【第一部】

「五條橋(ごじょうばし)」

  牛若丸 豊竹睦大夫
  弁慶  豊竹始大夫
      竹本小住大夫
      竹本文字栄大夫

      能沢喜一朗
      豊澤龍爾
      鶴澤清公
      鶴澤清允

  弁慶  吉田勘市
  牛若丸 吉田紋臣

「新版歌祭文(しんぱんうたざいもん)」
 野崎村の段

  中 豊竹芳穂大夫  鶴澤清馗
  前 豊田呂勢大夫  鶴澤清治
  奥 竹本津駒大夫  鶴澤寛治
            ツレ鶴澤寛太郎

  娘お光 吉田勘彌
  手代小助 吉田文哉
  丁稚久松 吉田清五郎
  親久作 吉田文司
  下女およし 桐竹紋吉
  娘お染 吉田一輔
  駕篭屋 桐竹勘次郎
  駕篭屋 吉田玉彦
  母お勝 桐竹紋壽
  船頭 桐竹紋秀

吉田玉女改め
二代目吉田玉男襲名披露
「口上」

襲名披露狂言
「一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)」

 熊谷桜の段
  豊竹松香大夫 鶴澤清友

 熊谷陣屋の段
  切 豊竹咲大夫 鶴澤燕三
  後 竹本文字久大夫 鶴澤清介

  妻相模 吉田和生
  堤軍次 吉田玉佳
  藤の局 桐竹勘十郎
  梶原平次景高 吉田玉志
  石屋弥陀六実は弥平兵衛宗清 吉田玉也
  熊谷次郎直実 吉田玉男(吉田玉女改め)
  源義経 吉田玉輝
  百姓 大ぜい
  奴 大ぜい
  軍兵 大ぜい

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