« 【歌舞伎】歌舞伎座半世紀ぶり上演の「競伊勢物語」が泣かせるぜ/2015年9月歌舞伎座昼の部 | トップページ | 【オペラ】飯守泰次郎・東フィルの演奏がお見事「ラインの黄金」新国立オペラ »

2015/10/10

【クラシック】エッシェンバッハ&ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団2015来日公演・プログラムB

 ウィーンフィルがやってきた。今年は夏にザルツブルクで聴いたけど、時差ぼけで半分寝てしまいました。向こうから来てくれるのはありがたいです……でも、団員が時差ぼけだったりして。公式サイトはこちらかな?
 指揮はP席で指揮者の真正面。にゃん子はなんとこんな席で演奏中に居眠りを!「エッシェンバッハが睨んでたよ」と言うと、「寝てないもん」とのこと。後ろ側なので音のバランスは悪かったですが、オケから近いので迫力がありました。また、指揮者の動きや表情を見れるのがうれしいです。
 本日のプログラムは、ぽん太にはあまりなじみのない曲ばかり。モーツァルトの協奏交響曲はたぶん初めてだし、ハイドンの「オックスフォード」やベートーヴェンの1番は、「何か古い交響曲」という印象しかありませんでした。
 しかし、会場で配られていたプログラムの解説(ウィーン楽友協会資料室長のOtto Bibaという人が書いたものらしい)が、とっても参考になりました。1971年にハイドンはオックスフォード大学の名誉博士号を授与されましたが、それに際して開かれた演奏会でこの曲が演奏されたんだそうです。ハイドンは、演奏会では常に自分の最新作を演奏することを習慣にしてましたが、「オックスフォード」は既に1790年にパリで出版されていました。逆にいうとこの曲は、彼の習慣に反しても演奏すべきほど、「博士号授与」にふさわしいものだったということになります。タヌキのぽん太の耳には「古くさい交響曲」にしか聞こえませんが、実は当時としては非常に斬新で実験的な曲なんだそうで、緩徐楽章でトランペットとティンパニが使われていること、最終楽章がチェロの主音だけで始まること、半音階を多用する和声進行、当時は許されていなかった跳躍音程の利用などがあげられるんだそうです。
 ぽん太にとってはベートーヴェンの「初期の交響曲」でしかない『交響曲第1番』も、当時の観客にはショッキングだったそうです。調性のはっきりしない序奏に始まり、絶え間なく転調を繰り返す第1楽章、ソナタ形式の緩徐楽章、メヌエットというより後のスケルツォを想像させる第3楽章、ゆったりとした導入部を持つ終楽章。すばらしい解説のおかげで、二つの交響曲の良さがよくわかりました。
 「協奏交響曲」は実はモーツァルト自身が作曲したものではないことが定説となっているそうで、モーツァルトの音楽がどの程度反映されているのか、いったい誰がどのように編曲して現在伝わる形になったのか、いまだに議論が行われているそうです。そういわれてみれば最終楽章の変奏曲など、ちょっと凡庸な気もしました。

 ウィーンフィルは良かったです。柔らかくて優しくて、まさに音「楽」という感じ。アインザッツがちょっと乱れても、それがまた味になります。
 エッシェンバッハはいつぞやパリ管弦楽団で聴きましたが、正面から見ていたせいもあるけど、細かいニュアンスを丁寧に表現する指揮者だと思いました。ふっと静寂の間を置いたりするのも心地よいです。
 「オックスフォード」は各声部が微妙に絡み合っている感じがいいですね。ベートーヴェンは、オケ全体が単一なものとして構成されている感じがしますが、ハイドンでは、各声部が異質で独自性を保っている気がしました。
 「協奏交響曲」も、ソロパートの絡み合いが至福の美しさでした。
 アンコールは「プロメテウスの創造物」序曲 でした。
 そういえば、さる高貴なお方が聴きに来てました。


ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団2015年来日公演

クリストフ・エッシェンバッハ指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
2015年10月4日
サントリーホール

ハイドン 交響曲第92番 ト長調 Hob. I-92「オックスフォード」

モーツァルト オーボエ、クラリネット、ホルンとファゴットのための 協奏交響曲 変ホ長調 K297b
  オーボエ:クレメンス・ホラーク
  クラリネット:エルンスト・オッテンザマー
  ホルン:ロナルド・ヤネシッツ
  ファゴット:ハラルド・ミュラー

ベートーヴェン 交響曲第1番 ハ長調 op. 21

アンコール
ベートーヴェン プロメテウスの創造物 序曲 0p. 43

|

« 【歌舞伎】歌舞伎座半世紀ぶり上演の「競伊勢物語」が泣かせるぜ/2015年9月歌舞伎座昼の部 | トップページ | 【オペラ】飯守泰次郎・東フィルの演奏がお見事「ラインの黄金」新国立オペラ »

芸能・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74997/62411366

この記事へのトラックバック一覧です: 【クラシック】エッシェンバッハ&ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団2015来日公演・プログラムB:

« 【歌舞伎】歌舞伎座半世紀ぶり上演の「競伊勢物語」が泣かせるぜ/2015年9月歌舞伎座昼の部 | トップページ | 【オペラ】飯守泰次郎・東フィルの演奏がお見事「ラインの黄金」新国立オペラ »