【歌舞伎】菊五郎と時蔵の「人情噺文七元結」は鉄板・2015年10月昼の部
ぽん太自身がちょっと疲れ気味だったこともあり、あんまり楽しめませんでした。公式サイトはこちら。
「音羽嶽だんまり」は、若手の顔見世という感じでした。いつもは女形の尾上右近の鬼童丸が珍しかったです。
松緑の「矢の根」は悪くはありませんでしたが、ここぞと目を引くところもありませんでした。藤十郎が曽我十郎でカメオ出演。このためにわざわざ東京に来てるのかしらん。
「一條大蔵譚」。仁左衛門のつくり阿呆の演技は確かに可愛らしかったですが、仁左衛門の自然な演技の中ににじみ出る可愛らしさの方が好きです。ぽん太はこの演目自体が、あんまり好きじゃないのかも。
ということで一番面白かったのは「人情噺文七元結」。菊五郎と時蔵の世話物夫婦役は鉄板ですね。安心して観ることができ、大いに笑いましたが、「新しさ」みたいなところは感じられませんでした。玉三郎が角海老女将お駒を演じましたが、なんか元気がなかった。「阿古屋」で疲れてるのかしらん?演技が重々しすぎて、ちと暗い感じ。もう少し軽妙に演じて、菊五郎とのテンポのいいやり取りを観たかったです。梅枝の和泉屋手代文七は、なかなかの美形でそれらく見えましたが、まだ間が悪い感じがしました。身投げを止めようとする文七に突き飛ばされて、「怪我をしたらどうするんだい」というところも笑いが少なかったです。文七にもらった手ぬぐい包みを投げ捨てようとして、それが本当に五十両であると気付くところも、なんだかずいぶん静止が長かったです。観客は元からそれが五十両であることはわかってるんだから、そんなにためられても……。
歌舞伎座
松竹創業120周年
芸術祭十月大歌舞伎
平成27年10月18日
昼の部
一、音羽嶽だんまり(おとわがたけだんまり)
音羽夜叉五郎 松 也
七綾姫 梅 枝
源頼信 萬太郎
鬼童丸 尾上右近
保昌娘小式部 児太郎
将軍太郎良門 権十郎
二世尾上松緑二十七回忌追善狂言
二、歌舞伎十八番の内 矢の根(やのね)
曽我五郎 松 緑
大薩摩主膳太夫 彦三郎
馬士畑右衛門 権十郎
曽我十郎 藤十郎
三、一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり)
檜垣茶屋の場
大蔵館奥殿の場
一條大蔵長成 仁左衛門
お京 孝太郎
鳴瀬 家 橘
八剣勘解由 松之助
吉岡鬼次郎 菊之助
常盤御前 時 蔵
二世尾上松緑二十七回忌追善狂言
四、人情噺文七元結(にんじょうばなしぶんしちもっとい)
左官長兵衛 菊五郎
女房お兼 時 蔵
鳶頭伊兵衛 松 緑
和泉屋手代文七 梅 枝
娘お久 尾上右近
角海老手代藤助 團 蔵
和泉屋清兵衛 左團次
角海老女将お駒 玉三郎
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