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2015/10/22

【クラシック】モーツァルトの最後の三つの交響曲に圧倒される。エッシェンバッハ&ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団2015来日公演・プログラムD

 だいぶ時間がたってしまいましたが、エッシェンバッハ指揮のウィーンフィル来日公演、10月8日のプログラムDの感想です。公式サイトはこちら
 モーツァルトの最後の三つの交響曲をぽん太が続けて聴くのは、演奏会はもとより、自宅でCDを聴くのを含めても初めてかもしれません。ひょっとして飽きてしまうんじゃないかと思ってましたがさにあらず。複雑なな構成のなかに次々と天才的な閃きが現れ、まるで一部屋ひとへや意匠をこらした巨大な宮殿のなかを歩むがごとしで、なにやら壮大で崇高なものに触れた感動がありました。
 ウィーン学友協会資料室長Otto Biba氏の優れたプログラム・ノートによれば、ニコラス・アーノンクールは、モーツァルとの最後の三つの交響曲は、三部からなる「器楽によるオラトリオ」のようなものとして、一度にチクルスとして演奏されるべきものである、と繰り返し語っているんだそうですが、まさにその言葉にうなづける類い希な音楽体験でした。
 前に聴いたBプロは、ぽん太が聞き慣れてない曲ばかりだったので、エッシェンバッハの特徴がよくわからなかったのですが、今回は耳になじんだ3曲だったので、彼の特徴をいくらか理解することができました。
 細かいニュアンスを大切にする演奏で、強弱や緩急の変化がけっこうあります。40番の第一楽章はゆったりしたテンポで始まりましたが、短い第一主題の提示だけで、すでに様々な「音楽」が聞こえてきました。優美なメロディーで始まる39番の第2楽章も、テンポを遅めにとったことで、同じフレーズが執拗に繰り返されながら徐々に変化して行き、ちょっとミニマル音楽っぽい不思議な感覚に捉われました。41番の最終楽章は反対に速いテンポ設定で、この激動感もエッシェンバッハ独特のものと思われました。41番と言えば、第1楽章の主題提示部の終わりの方で(101小節)、一拍目のヴィオラのピチカートが強調されているのが面白かったです。
 来日公演の最終日だというのに、アンコールが無くてちょっと残念。しかし考えてみれば、この3曲のあとに付け加えるべき曲などありませんよね。
 Otto Biba氏のプログラムノートには、さらにこの3つの交響曲は、「音楽修辞学」の傑作として聴く事ができると書いてありました。長年クラシックを愛好して来たぽん太ですが、初めて耳にしました。ぐぐってみるといろいろ情報があるようです(例えばMAB音楽資料室:音楽修辞学:音楽における代表的なフィグーラ)。こちらのpdfファイル「ヘンデル『ハレルヤ・コーラス』における音楽修辞フィグーラと数象徴」では、有名なハレルヤ・コーラスのフィグーラが解説されておりますが、良く聴く曲にこんな意味が隠されていたとは知りませんでした。モーツァルトの交響曲の修辞の解説も読んでみたいですが、ちとみつかりませんでした。そのうちみちくさしたいと思います。

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団2015年来日公演
クリストフ・エッシェンバッハ指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
2015年10月8日
サントリーホール

モーツァルト 交響曲第39番 変ホ長調 K543

モーツァルト 交響曲第40番 ト短調 K550

モーツァルト 交響曲第41番 ハ長調 K551「ジュピター」

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