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2015年10月の10件の記事

2015/10/27

【ザルツブルク音楽祭とチロルの旅(3)】イーグル・ネスト

Img_5531 時間は前後しますが、2日目の午前中は、半日ツアーに加わってヒトラーの別荘「イーグルズ・ネスト」を見学し、午後は旧市街を散策しました。
Img_5504 たれ込めていた雲が晴れて、遠くの山々が見えました。
 午前中は、パノラマツアーズの半日観光(英語ガイド)に加わって、ヒトラーの別荘だった「イーグルズ・ネスト」を訪れました。イーグルズ・ネストはドイツにありますが、位置的にはザルツブルクの南(!)になります。ザルツブルク自体がドイツとの国境近くにありますが、その南側に、ドイツが入り込む形になっているのです。
 ちなみにヒトラーが生まれたのは、ザルツブルクの北にあるブラウナウ。現在はオーストリアで、当時はオーストリア=ハンガリー帝国。従ってヒトラーの国籍はオーストリア人です(のちにドイツ国籍を取りましたが)。これ、豆知識です。
Img_5534 さて、バスに乗って、EUになって自由に通過できるようになった国境を、シリア難民と同じように通過してドイツへ。やがて見えてくる荒涼たる岩山の上に目指すヒトラーの別荘があります。麓の駐車場で専用バスに乗り換え、つづら折りの山道を登ります。専用バスを降りると写真のようなトンネルがあり、この奥からエレベーターで昇ります。写真の崖の上に、別荘の建物がちらっと見えてます。
Img_5508 トンネルの中に入って行くと、突き当たりに真鍮製の豪華な内装のエレベーターがあります(撮影禁止です)。トンネルもエレベーターも、ヒトラーが自分の別荘のために造らせたものだそうです。さすが「独裁者」ですね。
Img_5511 内部は現在はレストランなどとして使われています。調度品は新しいものですが、天井や壁などは当時のままだそうです。
Img_5510 ムッソリーニが寄贈した赤大理石の暖炉です。ちなみに昭和天皇が送った九谷焼きの壷……などはありませんでした。
Img_5512 さすが岩壁の上にあるだけあって、別荘の裏手からは素晴らしい景観が望めます。恐らくは麓のベルヒテスガーデンの街並。
Img_5524 目を左に転じるとケーニヒス湖。
Img_5516 さらに左には、急峻な稜線線が見えます。ん?この花……
Img_5517 日本でいうヤナギランですね。ぐぐってみると、まったく同一の種のようです。へ〜。世界的に分布してるんですね。
Img_5520 するとこれはマツムシソウですが……。

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2015/10/26

【ザルツブルク音楽祭とチロルの旅(2)】「イル・トロヴァトーレ」「フィガロの結婚」

Img_5495 
 今回ぽん太とにゃん子が鑑賞したのは、一日目がヴェルディの「イル・トロヴァトーレ」、翌日がモーツァルトの「フィガロの結婚」です。チケットは牛さんが日本からネットでとりました。「イル・トロヴァトーレ」の方はチケットが2枚しか取れなかったのですが、牛さん夫妻がぽん太とにゃん子に譲ってくれました。
Img_5482 昼間は閑散としていたホール前ですが、いまや黒塗りの車が次々と到着し、着飾った人々が集まって来ています。
Img_5484 ザルツブルク音楽祭の服装、ドレスコードについては、ぽん太も気になったので事前にネットでいろいろ調べたのですが、礼服が必要というものからスーツで構わないというものまでいろいろでした。
 実際に訪れたぽん太の意見としては、今回でいえば「イル・トロヴァトーレ」のような、大劇場で行われるメインのオペラ公演に関しては、男性はタキシードや、黒いスーツに蝶ネクタイなどの正装が8割くらい、女性ならドレスやよそ行きの服が多いです。またチロル風の民族衣装を着た人も見ましたが、これも日本の着物のように、現地の正装なのでしょう。
 ぽん太は礼服にネクタイで行きましたが、スーツだとやや気恥ずかしいというか、気後れすると思います。
Img_5491 ただ、問題は気温です。今回はザルツブツグには丁度寒気が流れ込み、最高気温が24度くらいでした。ぽん太は夏用の礼服を持ってないので、スリーシーズン用の礼服で行ったのですが、ちょっと暑かったです。1週間ほど前は最高気温が34度くらいまで上がっていたそうで、もしそんな気候だったら茹だってました。
Img_5589 翌日の「フィガロの結婚」に集まる人々です。小さい「モーツァルトのための劇場」が会場で、演目も軽いものでしたらから、服装も全体にラフでした。正装は3割ぐらいで、スーツの人も多く、小さい劇場で熱がこもって暑かったせいか、ワイシャツ姿の人も見かけました。こちの公演なら、礼服ならまったく問題ないし、ちょっとオシャレなスーツでも十分という印象でした。ご参考にしてください。
Img_5483 その「イル・トロヴァトーレ」ですが、アルヴィス・ヘルマ二ス(Alvis Hermanis)の演出は、現代の美術館という設定で、歌手たちも最初は美術館の職員ですが、やがて絵に描かれた15世紀スペインの人物に変わっていくというものでした。
 最初予定されていたドミンゴが降板したのは残念でしたが、どの歌手も素晴らしい歌声で、特にレオノーラのアンナ・ネトレプコの歌唱の素晴らしさには感動しました。演技云々ではなく、純粋に声が素晴らしかったです。
 ついでに言うと、舞台の上方にドイツ語と英語の字幕が出ます。速くて読み切れませんが、なんとなく意味がつかめるのでありがたかったです。
 そして、ノセダ指揮、ウィーン・フィルの演奏も素晴らしかったです。

Img_5592 そして翌日の「フィガロの結婚」は、東フィルでおなじみのダン・エッティンガーの指揮。スヴェン=エリック・ベヒトルフの演出はすごくオーソドックスでした。野田版「フィガロ」と同じように、みんなげらげら笑いながら観てました。
Img_5594 しかし、もったいないことに、丁度時差ぼけのピークのぽん太、前半は5割、後半は8割寝てしまいました。終演が現地時間でも11時半。日本なら朝の6時半ですから。う〜ん、3万円分くらい寝てもうた。オペラを観る日は、日中は観光せず、昼寝をしたりして体調を整えた方がいいと思います。

ヴェルディ「イル・トロヴァトーレ」
2015年8月17日
祝祭大劇場

指揮:ジャナンドレア・ノセダ
演出・美術:アルヴィス・ヘルマ二ス
演奏:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

マンリーコ:フランチェスコ・メーリ
レオノーラ:アンナ・ネトレプコ
ルーナ伯爵:アルトゥール・ルシンスキ
アズチェーナ:エカテリーナ・セメンチュク
イネス:ディアナ・ハラー
フェランド:アドリアン・センペトゥレアン

モーツァルト「フィガロの結婚」
2015年8月18日
モーツァルトのための劇場

指揮:ダン・エッティンガー
演出:スヴェン=エリック・ベヒトルフ
演奏:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

フィガロ:アダム・プラシェトカ
スザンナ:マルティーナ・ヤンコーヴァ
アルマヴィーヴァ伯爵:ルカ・ピサローニ
伯爵夫人:アネット・フリッチュ
ケルビーノ:マルガリータ・グリツコーヴァ
マルチェリーナ:アン・マレイ
ドン・バルトロ:カルロス・ショーソン
ドン・バジリオ:パウル・シュヴァイネスター
バルバリーナ:クリスティーナ・ガンシュ
アントニオ:エリック・アンスティーネ
ドン・クルツィオ:フランツ・スッパー

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2015/10/25

【ザルツブルク音楽祭とチロルの旅(1)】世界遺産の街ハルシュタット観光

Img_5492
 ぽん太とにゃん子はこの夏、ザルツブルク音楽祭に行ってきました。牛さん夫妻と4人連れの個人旅行で、チケットや宿の手配はすべて、旅慣れた牛さんにお願いしました。ザルツブルク音楽祭に行けたというのが一番の収穫ですが、団体旅行では味わえない楽しい旅でした。
Img_5411 宿は、ザルツブルク中央駅近くの高層ホテル、オイローパです。
Img_5404 これが客室です。
Img_5409 窓からの眺めです。奥の向かってやや左、小高い丘の上にある建物がホーエンザルツブルク城塞で、その手前側が旧市街となり、そこでコンサートが開かれます。
Img_5410 反対方向の眺め。向かって右がザルツブルク中央駅。駅前広場はバスやトロリーバス(オーブス Obus と呼ばれます)のターミナルになってます。
Img_5406 夜遅くホテルに付いたので、翌日の朝食はホテルのレストランでいただきました。ソーセージにチーズ、ドイツパン、どれも美味しゅうございました。
Img_5415 午前中は旧市街を軽く偵察。写真が音楽祭のコンサートが開かれる祝祭劇場です。向かって右が大劇場、左側が小さめの「モーツァルトのための劇場」(Haus für Mozart)です。
Img_5417 祝祭劇場の北西にあるカラヤン広場。背後はすごい絶壁になってます。
Img_5419 劇場のカラヤン広場側の外壁にあるレリーフ。ぽん太にはこれを論評する知識はなく、「だはは」と笑うしかできません。
Img_5422 モーツァルトの生家です。内部は博物館になってます。
Img_5429 午後は、ザルツブルク発の半日観光ツアーで、世界遺産に指定されている美しい街、ハルシュタットに行きました。お世話になってのは、パノラマ・ツアーです(英語ガイド)。写真は途中のフシュル湖。湖水の色がきれいです。
Img_5433 こちらはヴォルフガング湖。手前がザンクト・キルゲンという街で、モーツァルトの母アンナが生まれ、また姉ナンネルが嫁いだところです。
Img_5436 こちらがハルシュタット。ハルシュタット湖の西側にある美しい街です。
 ケーブルカーで背後の山に登って、街を眺めるというのが定番のコースのようですが、小雨がぱらつく天気で展望がのぞめそうもなかったので、のんびりと街をふらつくことにしました。
Img_5442 二宮尊徳の像です。ハルシュタットには世界最古の塩坑があり、現在もまだ操業中だそうです。塩坑の労働者に関連する石像でしょうか?
Img_5446 窓に飾られたゼラニウムがとってもきれいです。
Img_5447 これは伊根の舟屋か?
Img_5449 こちらも、色とりどりの花で飾られてます。
Img_5452 細い路地の間から教会の尖塔が。
Img_5453 崖にへばりつくように街があることがわかります。
Img_5457 ヘリテージ・ホテルの喫茶店で珈琲をいただきました。
Img_5459 坂の上のカトリック教会へ。墓標が木で出来ていて、屋根がついていて、なんか可愛らしいです。
Img_5460 教会の裏手にあるバインハウス。なかに入ると……。
Img_5461 ぎっしりと骨が並べられています。
Img_5467 日本語の説明書です。地形的に墓地の敷地が限られているため、毎相後10〜20年で掘り起こし、頭蓋骨などを取り出して彩色し、このお堂に納める習慣があったそうです。最も新しい骨は、1983年に亡くなった女性のものだそうです。
Img_5466 御覧のようにきれいに彩色され、名前や没年が記されてます。
Img_5468 高台から湖を見下ろす墓標群。
Img_5472 カトリック教会の内部です。

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2015/10/24

【歌舞伎?】エンターテイメントとしてはいいけど・スーパー歌舞伎II「ワンピース」2015年10月新橋演舞場

20151021_134112 猿之助のスーパー歌舞伎IIの2作目は「ワンピース」。特設サイトはこちら、公式サイトはこちら
 第1作の「空ヲ刻ム者」でも思ったことですが、やっぱりこれは「歌舞伎」ではなくて、歌舞伎役者による「演劇」だと思います。では「演劇」としてどうかというと、大衆向けエンターテイメントという感じで、観ていて楽しかったですが、芸術的感興はありませんでした。
 以下、良かった点。
 客席前方の壁や天井にまで及ぶ、映像やプロジェクションマッピングを利用した演出は面白かったです。地面が揺れるシーンでは2階の桟敷席がブルブル揺れてましたね〜。上演中にホントの地震もあったし。本水に宙乗り、早変わりあり、客席に俳優が降りて歌って踊るショーもあればフラッグ演技もあり。たくさんのキャンドルを捧げ持つシーンもキレイで、見所満載でした。
 歌舞伎役者だけでなく、俳優さんも混ざっていたようです。三谷映画や野田の舞台にも出ている浅野和之は、パントマイムが特技なだけあって、動きやリズム感がいいですね。特にニューカマーランドのおかまのイワンコフは最高で、目を釘付けにされました。
 それからもう一人、やはりオカマのボン・クレーのハイテンションな演技が素晴らしかったです。いったい何て俳優さんが演じているのかと思って、幕間に舞台写真コーナーに確認しに行ったら、なんと巳之助とのこと( ゚д゚)。見間違いじゃないかと思って何度も確認してしまいました。う〜ん、ついに巳之助が新境地を開いたか。でも、あっちの世界に行っちゃわないでね。80歳を超えた竹三郎がベラドンナ。歌舞伎役者ってなんでもできるんですね。
 


新橋演舞場

松竹創業120周年
平成27年度(第70回)文化庁芸術祭参加公演平成27年度(第70回)文化庁芸術祭参加公演
スーパー歌舞伎II(セカンド)
ワンピース
平成27年10月21日

ルフィ/ハンコック/シャンクス 市川 猿之助
白ひげ 市川 右 近
ゾロ/ボン・クレー/スクアード 坂東 巳之助
サンジ/イナズマ 中村 隼 人
ナミ/サンダーソニア 市川 春 猿
はっちゃん/戦桃丸 市川 弘太郎
アバロ・ピサロ 市川 寿 猿
ベラドンナ 坂東 竹三郎
ニョン婆 市川 笑三郎
ジンベエ/黒ひげ(ティーチ) 市川 猿 弥
ニコ・ロビン/マリーゴールド 市川 笑 也
マゼラン 市川 男女蔵
つる 市川 門之助
   
エース 福士 誠 治
ブルック/赤犬サカズキ 嘉島 典 俊
レイリー/イワンコフ/センゴク 浅野 和 之

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2015/10/23

【歌舞伎】菊五郎と時蔵の「人情噺文七元結」は鉄板・2015年10月昼の部

 ぽん太自身がちょっと疲れ気味だったこともあり、あんまり楽しめませんでした。公式サイトはこちら

 「音羽嶽だんまり」は、若手の顔見世という感じでした。いつもは女形の尾上右近の鬼童丸が珍しかったです。

 松緑の「矢の根」は悪くはありませんでしたが、ここぞと目を引くところもありませんでした。藤十郎が曽我十郎でカメオ出演。このためにわざわざ東京に来てるのかしらん。

 「一條大蔵譚」。仁左衛門のつくり阿呆の演技は確かに可愛らしかったですが、仁左衛門の自然な演技の中ににじみ出る可愛らしさの方が好きです。ぽん太はこの演目自体が、あんまり好きじゃないのかも。

 ということで一番面白かったのは「人情噺文七元結」。菊五郎と時蔵の世話物夫婦役は鉄板ですね。安心して観ることができ、大いに笑いましたが、「新しさ」みたいなところは感じられませんでした。玉三郎が角海老女将お駒を演じましたが、なんか元気がなかった。「阿古屋」で疲れてるのかしらん?演技が重々しすぎて、ちと暗い感じ。もう少し軽妙に演じて、菊五郎とのテンポのいいやり取りを観たかったです。梅枝の和泉屋手代文七は、なかなかの美形でそれらく見えましたが、まだ間が悪い感じがしました。身投げを止めようとする文七に突き飛ばされて、「怪我をしたらどうするんだい」というところも笑いが少なかったです。文七にもらった手ぬぐい包みを投げ捨てようとして、それが本当に五十両であると気付くところも、なんだかずいぶん静止が長かったです。観客は元からそれが五十両であることはわかってるんだから、そんなにためられても……。


歌舞伎座

松竹創業120周年
芸術祭十月大歌舞伎
平成27年10月18日

昼の部

一、音羽嶽だんまり(おとわがたけだんまり)
    音羽夜叉五郎 松 也
    七綾姫 梅 枝
    源頼信 萬太郎
    鬼童丸 尾上右近
    保昌娘小式部 児太郎
    将軍太郎良門 権十郎

  二世尾上松緑二十七回忌追善狂言
二、歌舞伎十八番の内 矢の根(やのね)
    曽我五郎 松 緑
    大薩摩主膳太夫 彦三郎
    馬士畑右衛門 権十郎
    曽我十郎 藤十郎

三、一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり)
  檜垣茶屋の場
  大蔵館奥殿の場

    一條大蔵長成 仁左衛門
    お京 孝太郎
    鳴瀬 家 橘
    八剣勘解由 松之助
    吉岡鬼次郎 菊之助
    常盤御前 時 蔵

  二世尾上松緑二十七回忌追善狂言
四、人情噺文七元結(にんじょうばなしぶんしちもっとい)
    左官長兵衛 菊五郎
    女房お兼 時 蔵
    鳶頭伊兵衛 松 緑
    和泉屋手代文七 梅 枝
    娘お久 尾上右近
    角海老手代藤助 團 蔵
    和泉屋清兵衛 左團次
    角海老女将お駒 玉三郎

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2015/10/22

【クラシック】モーツァルトの最後の三つの交響曲に圧倒される。エッシェンバッハ&ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団2015来日公演・プログラムD

 だいぶ時間がたってしまいましたが、エッシェンバッハ指揮のウィーンフィル来日公演、10月8日のプログラムDの感想です。公式サイトはこちら
 モーツァルトの最後の三つの交響曲をぽん太が続けて聴くのは、演奏会はもとより、自宅でCDを聴くのを含めても初めてかもしれません。ひょっとして飽きてしまうんじゃないかと思ってましたがさにあらず。複雑なな構成のなかに次々と天才的な閃きが現れ、まるで一部屋ひとへや意匠をこらした巨大な宮殿のなかを歩むがごとしで、なにやら壮大で崇高なものに触れた感動がありました。
 ウィーン学友協会資料室長Otto Biba氏の優れたプログラム・ノートによれば、ニコラス・アーノンクールは、モーツァルとの最後の三つの交響曲は、三部からなる「器楽によるオラトリオ」のようなものとして、一度にチクルスとして演奏されるべきものである、と繰り返し語っているんだそうですが、まさにその言葉にうなづける類い希な音楽体験でした。
 前に聴いたBプロは、ぽん太が聞き慣れてない曲ばかりだったので、エッシェンバッハの特徴がよくわからなかったのですが、今回は耳になじんだ3曲だったので、彼の特徴をいくらか理解することができました。
 細かいニュアンスを大切にする演奏で、強弱や緩急の変化がけっこうあります。40番の第一楽章はゆったりしたテンポで始まりましたが、短い第一主題の提示だけで、すでに様々な「音楽」が聞こえてきました。優美なメロディーで始まる39番の第2楽章も、テンポを遅めにとったことで、同じフレーズが執拗に繰り返されながら徐々に変化して行き、ちょっとミニマル音楽っぽい不思議な感覚に捉われました。41番の最終楽章は反対に速いテンポ設定で、この激動感もエッシェンバッハ独特のものと思われました。41番と言えば、第1楽章の主題提示部の終わりの方で(101小節)、一拍目のヴィオラのピチカートが強調されているのが面白かったです。
 来日公演の最終日だというのに、アンコールが無くてちょっと残念。しかし考えてみれば、この3曲のあとに付け加えるべき曲などありませんよね。
 Otto Biba氏のプログラムノートには、さらにこの3つの交響曲は、「音楽修辞学」の傑作として聴く事ができると書いてありました。長年クラシックを愛好して来たぽん太ですが、初めて耳にしました。ぐぐってみるといろいろ情報があるようです(例えばMAB音楽資料室:音楽修辞学:音楽における代表的なフィグーラ)。こちらのpdfファイル「ヘンデル『ハレルヤ・コーラス』における音楽修辞フィグーラと数象徴」では、有名なハレルヤ・コーラスのフィグーラが解説されておりますが、良く聴く曲にこんな意味が隠されていたとは知りませんでした。モーツァルトの交響曲の修辞の解説も読んでみたいですが、ちとみつかりませんでした。そのうちみちくさしたいと思います。

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団2015年来日公演
クリストフ・エッシェンバッハ指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
2015年10月8日
サントリーホール

モーツァルト 交響曲第39番 変ホ長調 K543

モーツァルト 交響曲第40番 ト短調 K550

モーツァルト 交響曲第41番 ハ長調 K551「ジュピター」

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2015/10/11

【オペラ】飯守泰次郎・東フィルの演奏がお見事「ラインの黄金」新国立オペラ

 新国立オペラの「ラインの黄金」を鑑賞。飯守さん、振ることができてうれしいだろうな〜。公式サイトはこちら
 新国立では何年か前に、えらくポップな演出のリングをやりましたが、今回はそれとは別のプロダクション。フィンランド国立歌劇場のご協力だそうです。こっちの方がエレガントで感情移入しやすいです。でも二人の巨人は、近未来の掃除夫みたいな出で立ちでした。そして雷神のドンナーはボクサー風。やっぱりこんな風になっちゃうんですね。
 飯守さんの指揮をあれこれ言う能力はぽん太にはないのですが、東京フィルがこんな音を出すのかと思うような重厚な音で、4階席までしっかりと音が届きました。
 歌手ではアルベリヒのトーマス・ガゼリの演技力が印象に残りました。このちょっと下衆で屈折した人物を見事に演じ、そして歌いました。ローゲのステファン・グールドも明るく朗々たる歌声で、今後の「指環」でジークムントやジークフリートを聴くのが楽しみです。ヴォータンのユッカ・ラジライネンは前回の公演と同じ。ちょっと老けたか。そのときのフリッカはキャリアウーマン風でしたが、今回のシモーネ・シュレーダーは、いかにも神様の奥様という感じでした。日本勢も、巨人の妻屋秀和をはじめに皆よかったと思います。
 素晴らしい舞台でしたが、2時間45分休憩なしは、さすがに長かったです。終演後トイレが大混雑でした。
 


リヒャルト・ワーグナー
「ラインの黄金」
楽劇「ニーベルングの指環」序夜

2015年10月7日 新国立劇場オペラパレス

指揮:飯守泰次郎
Conductor : Iimori Taijiro
演出:ゲッツ・フリードリヒ
Production : Götz Friedrich

美術・衣裳:ゴットフリート・ピルツ
Scenery and Costume Design : Gottfried Pilz
照明:キンモ・ルスケラ
Lighting Design : Kimmo Ruskela
演出補:イェレ・エルッキラ
Revival Director : Jere Erkkilä
舞台監督:村田健輔
Stage Manager : Murata Kensuke

ヴォータン:ユッカ・ラジライネン
Wotan : Jukka Rasilainen
ドンナー:黒田 博
Donner : Kuroda Hiroshi
フロー:片寄純也
Froh : Katayose Junya
ローゲ:ステファン・グールド
Loge : Stephen Gould
ファーゾルト:妻屋秀和
Fasolt : Tsumaya Hidekazu
ファフナー:クリスティアン・ヒュープナー
Fafner : Christian Hübner
アルベリヒ:トーマス・ガゼリ
Alberich : Thomas Gazheli
ミーメ:アンドレアス・コンラッド
Mime : Andreas Conrad
フリッカ:シモーネ・シュレーダー
Fricka : Simone Schröder
フライア:安藤赴美子
Freia : Ando Fumiko
エルダ:クリスタ・マイヤー
Erda : Christa Mayer
ヴォークリンデ:増田のり子
Woglinde : Masuda Noriko
ヴェルグンデ:池田香織
Wellgunde : Ikeda Kaori
フロスヒルデ:清水華澄
Flosshilde : Shimizu Kasumi

管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
Orchestra : Tokyo Philharmonic Orchestra
協力:日本ワーグナー協会
Cooperation : Richard-Wagner-Gesellschaft Japan
芸術監督:飯守泰次郎
Artistic Director : Iimori Taijiro

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2015/10/10

【クラシック】エッシェンバッハ&ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団2015来日公演・プログラムB

 ウィーンフィルがやってきた。今年は夏にザルツブルクで聴いたけど、時差ぼけで半分寝てしまいました。向こうから来てくれるのはありがたいです……でも、団員が時差ぼけだったりして。公式サイトはこちらかな?
 指揮はP席で指揮者の真正面。にゃん子はなんとこんな席で演奏中に居眠りを!「エッシェンバッハが睨んでたよ」と言うと、「寝てないもん」とのこと。後ろ側なので音のバランスは悪かったですが、オケから近いので迫力がありました。また、指揮者の動きや表情を見れるのがうれしいです。
 本日のプログラムは、ぽん太にはあまりなじみのない曲ばかり。モーツァルトの協奏交響曲はたぶん初めてだし、ハイドンの「オックスフォード」やベートーヴェンの1番は、「何か古い交響曲」という印象しかありませんでした。
 しかし、会場で配られていたプログラムの解説(ウィーン楽友協会資料室長のOtto Bibaという人が書いたものらしい)が、とっても参考になりました。1971年にハイドンはオックスフォード大学の名誉博士号を授与されましたが、それに際して開かれた演奏会でこの曲が演奏されたんだそうです。ハイドンは、演奏会では常に自分の最新作を演奏することを習慣にしてましたが、「オックスフォード」は既に1790年にパリで出版されていました。逆にいうとこの曲は、彼の習慣に反しても演奏すべきほど、「博士号授与」にふさわしいものだったということになります。タヌキのぽん太の耳には「古くさい交響曲」にしか聞こえませんが、実は当時としては非常に斬新で実験的な曲なんだそうで、緩徐楽章でトランペットとティンパニが使われていること、最終楽章がチェロの主音だけで始まること、半音階を多用する和声進行、当時は許されていなかった跳躍音程の利用などがあげられるんだそうです。
 ぽん太にとってはベートーヴェンの「初期の交響曲」でしかない『交響曲第1番』も、当時の観客にはショッキングだったそうです。調性のはっきりしない序奏に始まり、絶え間なく転調を繰り返す第1楽章、ソナタ形式の緩徐楽章、メヌエットというより後のスケルツォを想像させる第3楽章、ゆったりとした導入部を持つ終楽章。すばらしい解説のおかげで、二つの交響曲の良さがよくわかりました。
 「協奏交響曲」は実はモーツァルト自身が作曲したものではないことが定説となっているそうで、モーツァルトの音楽がどの程度反映されているのか、いったい誰がどのように編曲して現在伝わる形になったのか、いまだに議論が行われているそうです。そういわれてみれば最終楽章の変奏曲など、ちょっと凡庸な気もしました。

 ウィーンフィルは良かったです。柔らかくて優しくて、まさに音「楽」という感じ。アインザッツがちょっと乱れても、それがまた味になります。
 エッシェンバッハはいつぞやパリ管弦楽団で聴きましたが、正面から見ていたせいもあるけど、細かいニュアンスを丁寧に表現する指揮者だと思いました。ふっと静寂の間を置いたりするのも心地よいです。
 「オックスフォード」は各声部が微妙に絡み合っている感じがいいですね。ベートーヴェンは、オケ全体が単一なものとして構成されている感じがしますが、ハイドンでは、各声部が異質で独自性を保っている気がしました。
 「協奏交響曲」も、ソロパートの絡み合いが至福の美しさでした。
 アンコールは「プロメテウスの創造物」序曲 でした。
 そういえば、さる高貴なお方が聴きに来てました。


ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団2015年来日公演

クリストフ・エッシェンバッハ指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
2015年10月4日
サントリーホール

ハイドン 交響曲第92番 ト長調 Hob. I-92「オックスフォード」

モーツァルト オーボエ、クラリネット、ホルンとファゴットのための 協奏交響曲 変ホ長調 K297b
  オーボエ:クレメンス・ホラーク
  クラリネット:エルンスト・オッテンザマー
  ホルン:ロナルド・ヤネシッツ
  ファゴット:ハラルド・ミュラー

ベートーヴェン 交響曲第1番 ハ長調 op. 21

アンコール
ベートーヴェン プロメテウスの創造物 序曲 0p. 43

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2015/10/09

【歌舞伎】歌舞伎座半世紀ぶり上演の「競伊勢物語」が泣かせるぜ/2015年9月歌舞伎座昼の部

 だいぶ時間がたってしまいましたが、9月歌舞伎昼の部の感想です。公式サイトはこちら
 歌舞伎座では半世紀ぶりの上演という「競伊勢物語」が見応えありました。解説には「王朝を舞台にし、『伊勢物語』の趣向を取り入れて……」などと書いてあったので、ちゃらい芝居を想像していたのですが、なかなかどうして重厚で本格的でした。
 文楽の床本は、「ようこそ文楽へー鶴澤八介メモリアル「文楽」ホームページ」のなかのこちらにアップされているので読むことができます。ありがたや、ありがたや。
 時は平安、朝廷では文徳帝の跡目争いが起き、惟喬親王と惟仁親王が対立しています。大和国のとある村に小由(こよし)というお母さんが住んでおります。その娘が信夫(しのぶ)で、信夫ちゃんの夫が豆四郎。豆四郎は惟仁親王に恩のある身で、忠義を立てるために、惟喬親王方に奪われた神鏡を奪い返そうとします。信夫は夫のために、ご禁制の池に潜って神鏡を手に入れます。
 小由の家を紀有常(きのありつね)が訪ねてきてからが物語の眼目。実は信夫は有常の娘で、生まれてすぐ小由に預けられていたのです。有常は、信夫を返してくれと言い出します。在原業平とできちゃった井筒姫の身代わりとして、信夫を都に上げると言うのです。小由は再初は断ろうとしますが、ご禁制の池に立ち入った罪で処刑されるよりはと、泣くなく信夫を引き渡すことに同意します。ところが有常は、信夫とその夫豆四郎の首を刎ねます。実は二人は井筒姫と業平のお身代わりだったのです……。
 あらすじはこんな感じです。
 何といっても東蔵が演じた母小由が秀逸。さすが東蔵、憐れな母親を演じさせたら日本一。信夫は罪が母に及ばないように勘当されようとして、わざと母親に憎まれ口をきくのですが、母親は娘の憎まれ口にとまどいながらも、なにかの理由で機嫌が悪いのだろうと、娘をなだめようとします。この姿が、日本人の心のDNAに刻み込まれた「良い母親」そのもので、既に胸がキュンとなります。
 そして、貴族の装束を着て見違えるような美しさの信夫を見てよろこぶ小由。お身代わりに殺されるとも知らないで、別れを惜しんで、信夫の琴にあわせて小由が砧を打つに至っては、客席のあちこちからすすり泣きが聞こえてきます。ぽん太は「にゃ〜んだおまいらこんなんで泣きおって」と心の中で笑ってたのですが、まわりのすすり泣きを聞いてるうちに、だんだんウルウルしてきました。
 手法としては、「野崎村」で髪を切って出家姿になった娘おみつを、盲目の母親が、白無垢に綿帽子の花嫁衣装だと思って褒めそやす場面に似ておりますが、なかなかの感動シーンでした。
 ちょっと童顔の東蔵が、あんぐりと口を開けて嘆く表情に、ぽん太は山海塾を連想しました。
 このような感動シーンもしっかりある上に、「実ハ」の意外なストーリー展開もあって、さらに歌舞伎らしい荒唐無稽さも兼ね備えております。なんとこの小由が、福島県にある歌枕の「信夫摺り」(しのぶもじずり)の由来となった人で、台所においてある石が「もじずり石」とのこと!それから、お公家様の有常は以前東北で小由の隣りに住んでたという設定で、小由が有常に「ああ、あの太郎助か」と言った時、ぽん太は思わず目が点になってしまいました。
 吉右衛門の紀有常は、小由との昔話の間にも雅やかさを失わず、最後に信夫と豆四郎の首を刎ねる時には、武将のような厳しさが感じられました。このような素晴らしい芝居を復活したことに、拍手を送りたいです。
 菊之助の信夫が美しく、母小由に感動されようとして見え透いた悪態をつくあたりは可愛らしく、そうして最後の琴の場面は泪を誘いました。銅羅の鐃八の又五郎はいつもながらいい仕事。大谷桂三の息子井上公春くんが初初お目見得。
 「初代そっくり」とか声をかけたおじさんがいて、「昭和10年の舞台を観てんのかよ」と思ったら(参考)、今度は同じ人が「いい供養になった」って、感想かよ!変なタイミングで声をかけまくってる女性もいました。地方公演ならいざ知らず、歌舞伎座ではやめてちょーだいと思いましたが、そんだけ皆が興奮する舞台だったと言えるでしょう。
 「伊勢物語」や能の「井筒」を取り入れている部分、きっといろいろあるのでしょうけど、今回はみちくさはやめておきます。

 最初の演目は「双蝶々曲輪日記」から「新清水浮無瀬の場」。「双蝶々曲輪日記」というと、「角力場」や「引窓」が単独で上演される場合が多いですが、「新清水浮無瀬の場」を観ても全体像が見えて来ないというか、かえって分かりにくくなるということは、以前の記事で書きました。芝居としても、この場だけではあまりストーリーが面白くないのでは?手代権九郎が指を切らされた上に、犯人と間違えられて捕まってしまうのも、ちょっとかわいそうですネ。
 でも、梅玉の南与兵衛と魁春の藤屋都の演技は見事で、錦之助の演じる山崎屋与五郎も色男っぽくてよかったです。

 「紅葉狩」。染五郎は、棒立ちの姿勢といい、発声といい、お姫様には見えませんでした。さすがに鬼女になってからは迫力ありましたが。竹本、常磐津、長唄の掛け合いで、派手はでしい舞台でしたが、なんか幽玄さに欠けました。金太郎君が山神。おっきくなりましたね〜。

歌舞伎座
秀山祭九月大歌舞伎
平成27年9月23日

昼の部

一、双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)
  新清水浮無瀬の場
    南与兵衛 梅 玉
    藤屋吾妻 芝 雀
    平岡郷左衛門 松 江
    太鼓持佐渡七 宗之助
    堤藤内 隼 人
    井筒屋お松 歌女之丞
    手代権九郎 松之助
    三原有右衛門 錦 弥
    山崎屋与五郎 錦之助
    藤屋都 魁 春

二、新歌舞伎十八番の内 紅葉狩(もみじがり)
    更科姫実は戸隠山の鬼女 染五郎
    局田毎 高麗蔵
    侍女野菊 米 吉
    山神 金太郎
    腰元岩橋 吉之助
    従者左源太 廣太郎
    従者右源太 亀 寿
    平維茂 松 緑

  紀有常生誕一二〇〇年
三、競伊勢物語(だてくらべいせものがたり)
  序幕 奈良街道茶店の場
     同  玉水渕の場
  大詰 春日野小由住居の場
     同  奥座敷の場

    紀有常 吉右衛門
    絹売豆四郎/在原業平 染五郎
    娘信夫/井筒姫 菊之助
    絹売お崎 米 吉
    同 お谷 児太郎
    旅人倅春太郎 初お目見得 井上公春(桂三長男)
    およね 歌女之丞
    川島典膳 橘三郎
    茶亭五作 桂 三
    銅羅の鐃八 又五郎
    母小由 東 蔵

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2015/10/06

【ボクシング】初めてのボクシング観戦・山中慎介VS.アンスルモ・モレノ

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 生まれて初めてプロボクシングの試合を見てきました。公式サイトは見当たらないけど、この日本テレビのサイトかな?
 ぽん太はボクシング・ファンというほどではないけど、子どもの頃からボクシングは好きで、テレビで大場政夫、輪島功一やガッツ石松などを見て興奮してました。最近はあんまりテレビのボクシングも見なくなりましたが、それでも一度生で試合を見てみたいと思ってました。どうやってチケットを手に入れたらいいのかもよくわからなかったのですが、今回たまたまチケットぴあで先行販売しているのを買うことができ、うん十年の念願がかないました。
 会場は初めて行く太田総合体育館。席はスタンドAで、選手の姿はテレビで見るよりも小さくて、パンチが当たってるかどうかもよくわからないし、選手の位置によっては隠れてしまって、なんか見にくいな〜と思いました。しかし、クリーンヒットしたときのパンチの音や、飛び散る汗がライトで光る様子など、生の迫力は格別でした。また、パンチが入って形勢が傾く瞬間というのは、生の方がテレビよりもよくわかりました。
 お客さんの多くが、ビールものまずにお茶を飲みながら、真剣に試合を観戦しているのにはびっくりしました。入り口でもらったプログラムに、採点を書き入れる欄があり、ボクシングファンは自分の採点を書き入れながら見るのかな〜などと思うのもぽん太には新鮮でした。

 メインはWBCバンタム級チャンピオン山中慎介にアンセルモ・モレノが挑む世界タイトルマッチ。山中は「神の左」と呼ばれる左ストレートで数々の敵をマットに沈めてきました。アメリカの専門誌「RING」で今年の5月、パウンド・フォー・パウンド・ランキング(体重が同じと仮定した場合の世界ランキング)で日本人で初めて10位にランキング入りした実力者。一方もアンセルモ・モレノはWBAの王座を12回防衛。卓越したディフェンス能力によって相手のパンチが空を切るので、「亡霊」という異名を取っております。「神の左」が炸裂するのか、「亡霊」のテクニックに翻弄されるのか、う、う、う、楽しみです。

 この試合は日本テレビで19:00から生中継されましたが、19:56分からは「ものまねグランプリ」が入るので、放映時間はわずか1時間弱。扱いはこんなものかいな。亀●とはえらい違いだの〜と思う。国歌斉唱とかも、タイトルマッチだと歌手とかが出て来て歌うのかと思ってましたが、誰も出てきはりませんでした。

 国歌といえば、普段は「君が代」にちょっと抵抗があるぽん太ですが、こういうときは、みんなで起立して国歌を斉唱してると、なんか感動しますね。

 見てから日にちがたってしまって、試合内容はだいぶ忘れてしまったので、細かい所が違うかもしれません。ご容赦を。
 ゴングがなって第1ラウンドが開始。山中はオーソドックスできれいなスタイルですが、モレノは細い足を前後に大きく開き、なるほどディフェンスはしやすそうですが、こんなんでパンチが打てるんだろうかというフォーム。「前座」の試合は1Rから結構打ち合ってましたが、この試合では、互いに力を見極めようとしているかのようなゆっくりとしたスタート。手数こそ少なかったものの、テクニックを駆使した両者の駆け引きは見応えがありました。
 前半は、山中がモレノのディフェンスに苦しめられながらも、ときどきいいパンチを入れました。4R終了時の採点で山中がリードしているのを確認し、ほっとすると同時に、「行けいけ〜」という感じ。前半だったと思うけど、インターバル中に会場のモニターに、山中のアッパーをモレノがスウェーを使って鼻先でかわした場面がスローで映し出されると、「おぉ〜〜」というどよめきがわき上がりました。
 中盤は、山中の右が当たってましたが、神の左は空を切り、全体としては責めあぐんでいる感じ。一方でモレノは、ワン・ツー・スリー・フォーの4発目でいいパンチを入れるような攻撃が見られました。8R終了時の採点では、二人がドローで一人がモレノ。こ、こ、こ、これはヤバい。
 後半は山中がパンチをくらってグラッとする場面が。あ、あぶない。モレノが疲れて来たのかクリンチが多くなったのに乗じて、山中は攻勢をアピールしますが、それでもモレノは時おり有効打を放ちます。最後は山中も疲れて来て、お互いにクリンチの場面が増えました。テレビで見てると「バカヤロー、休んでないで打ち合え」という気がしますが、生で見ていると、体力を使い果たしての「死闘」という感じで、むしろ感動しました。
 う〜ん後半は、ドローか山中ちょっと不利ぐらいかと思いましたが、最終的な判定は2-1のスプリットで山中の勝利。やった〜!試合後のモレノの「明確に負けた印象はない。ドローに近いけど山中のホームだから判定は受け入れる」というコメントが、かなり的確だった気がします。
 神の右によるノックアウトシーンこそ見れませんでしたが、ボクシング初観戦のぽん太は大満足でした。

 ノックアウトシーンは、尾川 堅一VS. デイビ・フリオ・バッサで見ることができました。尾川は力のこもったスピードのあるパンチを打ち続けてバッサをノックアウト。素晴らしいパンチでした。もう少しすると、世界タイトル戦に登場するのでしょうか。
 

ワールドプレミアムボクシング(22)
The REAL
2015年9月22日
大田区総合体育館

ライトフライ級4回戦
赤木 直貴(横浜光)VS. 石渡 剛(オサム)

ライト級4回戦
関根 翔馬(ワタナベ)VS. 石井 健司(山上)

フライ級(50kg)契約6回戦
青山 功(セレス)VS. 金子 智之(国際)

ライト級(131P契約)10回戦
尾川 堅一(帝拳)VS. デイビ・フリオ・バッサ(コロンビア)

WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
山中慎介(帝拳)VS. アンセルモ・モレノ(パナマ)

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