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2015/12/19

【歌舞伎】常磐津・竹本掛け合いの「関扉」が疑問。2015年12月歌舞伎座昼の部

 12月の歌舞伎座、夜の部の「妹背山婦女庭訓」は、ここのところ歌舞伎と文楽で何度も見た気がするので、こんかいは昼の部だけの観劇。公式サイトはこちらです。

 「十種香」は若手による上演。七之助がもう若手を引っ張る立場なんですね。七之助、きれいで上手でした。ちょっときついというか、高貴すぎるというか、やえガッキー姫の可愛らしさに欠けた気がしました。松也もちゃんとそれらしく見え、品格や色気が感じられました。ワイドショーの話題性だけじゃなくて、実力もあるんですね。児太郎の濡衣も悪くありませんでした。
 「狐火」が無かったのが残念。次の変な日本昔話を短くして、「狐火」を入れて欲しかったです。

 諏訪法性の兜が実在し、それをぽん太とにゃん子が見に行った話しの記事はこちら
 そこでも触れましたが、ぽん太は「諏訪湖の御神渡りと狐の関係」がずっと気になっているのですが、新たにググってみて、立命館大学アートリサーチセンターのArtWikiの情報を見つけました(こちら)。それによると、御神渡りと狐を結びつける言説は、近松半二らの「本朝廿四孝」(明和3年(1776年)初演)が最初であるとし、その元には中国の故事があるのではないかと書いてあります。

 「赤い陣羽織」は、はっきり言ってつまらなかったです。役者は頑張ってましたが、脚本が悪いと思います。ストーリーが単純だし、まわりくどくて反復が多く、テンポが遅い。意外性もないし、笑いもペーソスもありませんでした。
 「ほうおう」の解説によると、原作は、木下順二がスペインの民話「三角帽子」を翻案して昭和22年(1947年)に発表した『赤い陣羽織』とのこと。翌年に新劇で上演され、昭和30年(1955年)には歌舞伎として初演されたそうです。

 「重戀雪関扉」は、常磐津の大作「積戀雪関扉」(一文字目が違います)を、玉三郎が常磐津と竹本の掛け合いに変更したもの。ぽん太は初めて見ました。
 掛け合いに変更した意図がよくわかりませんでした。掛け合いの方が変化があってダイナミックなので現代の観客には受け入れやすいと考えたのかもしれませんが、古風な味わい(天明調とか言うらしい)が失われてしまう気がします。常磐津の名曲をわざわざ変える必要があったのかどうか。
 七之助と松也、ここでも悪くなかったです。玉三郎はさすがの踊りで桜の精そのものでした。
 ところで関扉って、どうも話しの意味がわかりません。そのうちみちくさしてみたいと思います。

十二月大歌舞伎
歌舞伎座
平成27年12月10日

昼の部

  近松半二 作
一、本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)
  十種香

八重垣姫:七之助
武田勝頼:松也
腰元濡衣:児太郎
白須賀六郎:亀寿
原小文治:亀三郎
長尾謙信:市川右近


  木下順二 作
  坂東玉三郎 演出
二、赤い陣羽織(あかいじんばおり)

お代官:中車
お代官のこぶん:亀寿
女房:児太郎
お代官の奥方:吉弥
おやじ:門之助


三、重戀雪関扉(つもるこいゆきのせきのと)

関守関兵衛実は大伴黒主:松緑
小野小町姫:七之助
良峯少将宗貞:松也
傾城墨染実は小町桜の精:玉三郎

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