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2015/12/15

【バレエ】古風なラブロフスキー版がおもろいの〜「ロミオとジュリエット」マリインスキー・バレエ団

 今年のマリインスキー来日公演、お次ぎは「ロミオとジュリエット」です。公式サイトはこちら

 最初に舞台にマイクを持った支配人(?)が登場。ひょっとして誰かが急遽降板かと思いましたが、この舞台をナタリア・マカロワの75歳の誕生日に捧げるという告知でした。マカロワさんが客席に来ていて舞台を御覧になり、最後に舞台に上がって挨拶をなさいました。

 「ロミジュリ」は、先日もシュツットガルト・バレエ団で珍しいクランコ版を初めて見たばかりですが、本日はラブロフスキー版。ということで、「ロミジュリ」の主な振付けをWikipedia「ロミオとジュリエット」を参考にしておさらいしときましょ。

 ヴァンヤ・プソタ振付 - 1938年初演、ブルノ歌劇場バレエ団
 レオニード・ラブロフスキー振付 - 1940年初演、キーロフ・バレエ
 ジョン・クランコ振付 - 1958年初演、ミラノ・スカラ座バレエ団
 ケネス・マクミラン振付 - 1965年初演、英国ロイヤル・バレエ団
 ジョン・ノイマイヤー振付 - 1971年初演、フランクフルト・バレエ団
 ルドルフ・ヌレエフ振付 - 1977年初演、ロンドン・フェスティバル・バレエ

 な、なんだ?プソタ振付というのは?これがホントの初演?
 そこでさらにWikipedia「ロメオとジュリエット (プロコフィエフ)」英語版Wikipedia「Romeo and Juliet (Prokofiev)」を見てみると、プロコフィエフは1935年9月には全曲を完成。キーロフ・バレエ団(つまりマリインスキー・バレエ団ですね)やボリショイ劇場での初演が模索されましたが、ソヴィエト当局の批判によって延期となりました。そこでプロコフィエフは音楽を抜粋して組曲を二つ作り、1936年に第1組曲、1937年に第2組曲を演奏しました。つまりバレエとしての全曲の初演前に、組曲が先に初演されたわけですね。
 で、バレエの方はというと、1938年12月30日にチェコソロヴァキアの国立ブルノ劇場でプソタ振付けにより初演。この公演の評判が良かったので、1940年1月11日に、ラヴロフスキーの演出・振付けでキーロフ劇場(つまりマリインスキー劇場ですね)においてソヴィエト初演が行なわれたんだそうです。このラヴロフスキー版が現在まで脈々と続くロミジュリの振付けの元になっているそうです。
 実はぽん太はラヴロフスキー版を観るのは初めてではなく、以前にアナニアシヴィリがグルジア・バレエ団を率いて来日した時に見たことがあります。が、あんまり覚えてません。

 で、こんかい改めて見てみると、う〜ん、なんか古風というか、ロシアっぽい感じ。クランコ、そしてマクミランの振付が、いかに現代的なのかがよくわかりました。
 仰々しいマイムがすごく多いですね。衣装も色合いを含めてなんか変で、ティボルトは赤いマントに赤い靴、黄色と水色のつぎはぎの服で、ウルトラマンかと思いました。
 ジュリエットのお父さんのキャピュレット卿も、ちょっとコミカルでキャラが立ってて、舞踏会ではちょっとガニマタで踊ってたりして、ドン・キホーテや、「白鳥」の家庭教師みたいな演技でした。
 第一幕では雑踏が人数が少なくて寂しい感じ。剣での戦いも少人数でした。でも大公が登場してきて両家がいったん矛を収めるあたりの演出は、ダイナミックで幾何学的な美しさがあり、自然なリアルさには欠けるものの、ロシア構成主義を連想するような面白さがありました。
 ジュリエットは、最初はパリスを嫌ってない設定でした。というか、ロミオと会うまではむしろ嬉しそうでした。前回のクランコ版でも最初はジュリエットはパリスを避けてませんでしたから、パリスを避けるようになったのはマクミラン版からか?
 ジュリエットとロミオが出会ってのパ・ド・ドゥで、ジュリエットがロミオの目隠しを取ろうとしたりするのが目新しかったです。そして最後には目隠しが何かの拍子で落ちて、二人が見つめ合うというシーンもありました。
 バルコニーシーンはバルコニーがまったくなくて、平土間(?)での踊りでした。先日のクランコ版は「渡り廊下」。するとこれもマクミランが「バルコニー」にしたのかな?
 肝心のバルコニーシーンの踊りは、ジュリエットもガンガン踊るのが良かったですが、やっぱりリフトが少なくて、リフトがいつも同じパターン(女性の足が「ヤ」みたいになるやつ)だったのが寂しかったです。
 この場面だったかどうか忘れましたが、女性が一本足で持ち上げられるリフトが珍しかったものの、なんか持ち上げる前の準備が大変で、よっこらしょという感じだったので、流れが断ち切られる気がしました。
 「騎士の踊り」は、クランコ版でも見たクッションダンス。床に座布団を置きますが、その上にひざまずくことはなく、放置された座布団を他の人が撤収するというものでした。後半で女性がハンカチを指にぶら下げて踊るのを見たのは初めてか?これがどういういわれのダンスなのかも、ちょっとぽん太にはわかりませんでした。
 第二幕の民衆のお祭り騒ぎで、道化師軍団が登場。これまで見たことない気がします。音楽も聞き慣れない感じがしましたが……?
 ジュリエットが、ロレンス神父にもらった薬を飲むまでの「タメ」が長かったです。
 最後のお墓の場面では、なんとパリスが出てきませんでした。また、ロミオと仮死状態のジュリエットとのダンスはありませんでした。ロミオが床を叩きながら大泣きしたりしてましたが、「それを踊りで表現しろよ」とツッコミたくなりました。
 最後にモンタギューとキャピュレットの面々が出て来て嘆いてましたが、「和解」したという感じはしませんでした。

 アレクセイ・レプニコフ指揮のマリインスキー歌劇場管弦楽団もノリノリで演奏。なんだか聞き慣れた暗くて不安な感じではなく、激しくてリズミカルで、ストラヴィンスキーと同じロシアの音楽なんだな〜と思いました。

 最後になりましたが、シャプランのジュリエット、手足が長くて動きが柔らかく、とても美しく、かつ表現力がありました。素晴らしかったです。アスケロフのロミオも悪くなかったです。


マリインスキー・バレエ団2015年来日公演
≪ロミオとジュリエット≫<全3幕>
2015年12月2日
東京文化会館

音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
振付:レオニード・ラヴロフスキー
原作:ウィリアム・シェイクスピア
台本:レオニード・ラヴロフスキー,
   セルゲイ・プロコフィエフ,セルゲイ・ラドロフ,
   セルゲイ・ラドロフ,
   アンドリアン・ピョートロフスキー
   (ウィリアム・シェクスピア作の悲劇に基づく)
舞台装置・衣装デザイン:ピョートル・ウィリアムス
舞踊監督:ユーリー・ファテーエフ
指揮:アレクセイ・レプニコフ
管弦楽:マリインスキー歌劇場管弦楽団

<出演>
ジュリエット:クリスティーナ・シャプラン
ロミオ:ティムール・アスケロフ
マキューシオ(ロミオの友人):アレクサンドル・セルゲーエフ
ティボルト(キャピュレット卿夫人の甥):ユーリー・スメカロフ
パリス(ジュリエットの婚約者):コンスタンチン・ズヴェレフ
ベンヴォーリオ(ロミオの友人):アレクセイ・ネドヴィガ
キャピュレット卿(ジュリエットの父):ソスラン・クラエフ
キャプレット卿夫人:エカテリーナ・ミハイロフツェーエワ
モンタギュー卿(ロミオの父):アンドレイ・ヤコヴレフ
ジュリエットの乳母:リラ・フスラモワ
ロレンス神父:アンドレイ・ヤコヴレフ
ヴェローナの大公:ドミートリー・プィハチョーフ
ジュリエットの友人:ナデージダ・ゴンチャール
吟遊詩人:フィリップ・スチョーピン
道化:グリゴーリー・ポポフ

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