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2016/02/27

【文楽】ありがとう嶋大夫!引退披露/2016年2月国立劇場第二部

 豊竹嶋大夫の引退披露ということで行ってきました。
 昨年5月には住大夫が引退。そして今回は嶋大夫……。文楽初心者のぽん太ですが、熟練の喉を聞かせてくれた大御所が次々と引退するのは、哀しい限りです。

 まずは「桜鍔恨鮫鞘」(さくらつばうらみのさめざや)。ぽん太は歌舞伎・文楽をとおして初めて観る演目です。
 ストーリーは、愛する女が心変わりをしたと思い込んで、男は女を殺すが、実はその裏には女の男に対する深い思いがあったという、いわゆる「縁切り物」。歌舞伎では「曾我綉侠御所染」(そがもようたてしのごしょぞめ)の御所の五郎蔵や、「伊勢音頭恋寝刃」(いせおんどこいのねたば)の福岡貢などが有名ですネ。
 今回の「桜鍔恨鮫鞘」では、八郎兵衛とお妻はすでに夫婦で、娘お半を授かっています。無筆だったお妻は娘お半に自分の思いを覚えさせていました。お妻を殺した八郎兵衛が、幼い娘から妻の遺言を聞くところが、この演目の眼目で、咲大夫が情感たっぷりに語ってくれました。人形遣では、和生の八郎兵衛は、お妻とその母を斬り殺す激昂よりも、お妻の真心を知っての慟哭が際立ってました。

 お次ぎはいよいよ嶋大夫引退披露狂言。たくさんの大夫さんがそれぞれの役を担当するというパターンで、嶋大夫は「おとわ」担当でした。寛太郎の曲弾きや、錦吾の胡弓も加わって、とっても華やかな舞台でしたが、ぽん太としては嶋大夫がちょっと前屈みの姿勢で、一人で切々と語るのを聴きたかったです。賑やかな引退公演を演出したのか、もはや一人で語る体力がないのか、文楽初心者のぽん太には皆目わかりません。
 それでも、嶋大夫のおとわが、夫である猪名川の髪を梳きながら切々と語るシーンは泣けました。
 ぽん太はこれもまた、歌舞伎・文楽を通じて初めて観た演目でしたが、相撲取りが、ごひいきの若旦那のために相撲にわざと負けなくてはならなくなるが、妻が身を売ったおかげで勝利を収めるというもの。
 本日の演目は二つとも、男が女の犠牲で救われるというものでしたね。
 パンフレットに載っていた山川静夫の「文楽思い出ばなし その二十三」によって、嶋大夫が激しいプレッシャーに負けて、昭和30年から13年ものあいだ文楽から遠ざかっていたことを知りました。すごい世界なんですね。
 嶋大夫さん、ぽん太との関わりはほんのわずかの間でしたが、ありがとうございました!
 


第二部  (二時半開演)

桜鍔恨鮫鞘

鰻谷の段

  中 松香大夫 喜一朗
  前 呂勢大夫 清 治
  切 咲大夫 燕 三

  香具屋弥兵衛 勘 市
  てんぽの十兵衛 簑紫郎
  お妻の母 簑一郎
  女房お妻 勘十郎
  娘お半 玉誉
  古手屋八郎兵衛 和 生
  仲仕銀八 玉 志
   
八代豊竹嶋大夫引退披露狂言
関取千両幟

猪名川内より相撲場の段

  おとわ 嶋大夫
  猪名川   英大夫
  鉄ヶ嶽 津国大夫
  北野屋 呂勢大夫
  大坂屋 始大夫
  呼遣い 睦大夫
  行司 芳穂大夫

  猪名川内 寛 治
  相撲場  宗 助
  曲弾き  寛太郎
  胡弓   錦 吾

  猪名川  玉 男
  鉄ヶ嶽  文 司
  女房おとわ 簑 助
  大坂屋  勘 介
  呼遣い  和 馬
  行司   玉 路
  北野屋 紋 寿  

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