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2016/03/09

【仏像】鎌倉の仏像を巡る(2)水月観音菩薩半跏像に惚れたぜ!東慶寺

 仏像初心者のぽん太とにゃん子が巡る鎌倉の仏像の旅。続いて東慶寺です。こちらが公式サイトです。
Img_8804 東慶寺。なかなか頑張ってるお寺ですね。入口にはオシャレなショップがあるし、境内の草花はしっかりと手入れされております。おりしも梅が満開で、多くの観光客が撮影に興じてました。

Img_8799 このお寺は、いわゆる「縁切り寺」、「駆込み寺」だったそうです。女性の側からの離婚が許されなかった封建時代に、寺に駆け込むと、離婚することができたというアレです。そういえばぽん太は、飛行機の中で、『駆込み女と駆出し男』という映画(Yahoo!映画)を見ましたが、あれってこの東慶寺が舞台だったんですね。2015年松竹。監督は原田眞人、主演は大泉洋、樹木希林が好演。映画としてはフツーですが、縁切り寺についてよくわかります。
Img_8801 本堂の「泰平殿」は、昭和10年建立の新しい物。
 東慶寺はもう一つ、豊臣秀頼の娘が住職をしていたことでも有名です。天秀尼(てんしゅうに、1609 - 1645)がその人です。
 真田丸で真田信繁(幸村)が活躍した大坂夏の陣(1615年)の敗北で、豊臣秀頼は自害。2代目将軍の徳川秀忠の娘で、秀頼の正室として嫁いでいた千姫は、救い出されました。秀頼の娘・天秀尼は、千姫との間の子供ではありませんでしたが、千姫の養女となることを条件に助命され、8歳で東慶寺に入りました。そして後に、20世住職になったそうです。
Img_8802 本堂のご本尊は、「釈迦如来坐像」。右手を上げ(施無畏印:せむいいん)左手を膝の上に置く(与願印:よがんいん)施無畏与願印を結んだ典型的なお姿。関東大震災で大破したのを昭和元年に修復したそうです。
131224tkhz09 境内の松岡法蔵には、重要文化財の「聖観音菩薩立像」が常設展示されております(写真はWikipedia)より)。
 元々は、いまは廃寺となった鎌倉の太平寺の本尊として仏殿に安置されておりました。この仏殿は円覚寺に移築されて「舎利殿」(国宝)となっております。で、仏像の方は、鎌倉に攻め入った里見氏によって安房に持ち去られましたが、後に東慶寺の尼が取り返し、以来東慶寺に安置されているそうです。
 「土紋」という技法を使っているのが特徴で、土を型に入れて作った立体的な文様(らくがんみたいな感じ)を、多数衣に貼付けた装飾です。中国の南宋で使われた技法ですが、日本では鎌倉周辺に少数見られるだけだそうです。
 ちなみに鎌倉に現存する土紋を使った仏像は7体で、本像のほか、来迎寺・如意輪観音半跏像、覚園寺・阿弥陀如来坐像、宝戒寺・歓喜天像、浄光明寺・阿弥陀如来坐像、浄智寺・韋駄天立像(鎌倉国宝館に寄託)、伝宗庵・地蔵菩薩坐像です。
 像容を見ると、聖観音菩薩は通常は、出家前の釈迦を想定して、インドの王族風の衣装を身につけたものが多いですが、この像では、頭髪こそ菩薩風に結い上げてますが、衣は如来形です。これも宋風の形式だそうです。

 そして今回の目玉、「水月観音菩薩半跏像」。普段は水月堂に安置されて特別拝観となってますが、ちょうど松岡法蔵で行われていた「東慶寺仏像展」で参拝することができました。著作権フリーの写真が見つからなかったので、写真は例えばこちらの東慶寺の公式サイトでどうぞ(水月観音菩薩半跏像 | 北鎌倉 松岡山 東慶寺)。
 岩にしなだれかかったようなお姿の観音菩薩で、天女というか、まるで湯上がりの女性のような色っぽさです。ぽん太はこんな仏像は生まれて初めてで、衝撃的を受けました。鎌倉時代13世紀の作だそうですが、この時代にこんな彫刻が作られてたんですね〜。ぽん太は日本の彫刻というと、厳粛なる仏像しか頭にありませんでしたが、こういうのも彫ろうと思えば彫れたんですね。考えてみれば当たり前ですけど。
 そういえば、昔の日本の「仏像以外」の彫刻って、何があるんだろう。ぽん太は、あと埴輪ぐらいしか思いつかん。これは今後のみちくさの課題に残しておきましょう。
 衣服の襞の流れも流麗にして自由奔放。仏像彫刻が、わざと様式的にデザインされていることがよくわかりました。
 水月観音とは、補陀落山(ふだらくせん)の水辺の岩上に座って、水面の月を眺めている姿の観音様とのこと(コトバンク)。中国の宋から元の時代に流行った様式で、観音と仙人が重ね合わされているのだそうです。水墨がなどで多く見られ、中国では大流行しましたが、日本では鎌倉周辺にしか見られないそうです。
 日本では東慶寺以外にどこに水月観音があるのか、これも今後の宿題です。

 今回の「東慶寺仏像展2016」(2/3〜4/3)て展示されていたものは、他に、「如来坐像」(奈良時代・8世紀 像高38.09cm、木心乾漆造、漆箔)、「木造地蔵菩薩半跏像」(鎌倉時代・14世紀 像高49.3cm、木造、彩色、玉眼)、「如来立像」(平安時代・11〜12世紀 像高84.5cm、木造)、「香薬師如来像」(像高73cm、銅造)、「木造聖徳太子立像」(鎌倉時代・14世紀 像高55.0cm、木造、漆塗り)、「阿弥陀如来立像(天秀尼 念持仏)」(江戸初期)、「達磨図」(白隠慧鶴筆、江戸時代 18世紀)。

 またこのお寺には、鈴木大拙、小林秀雄、西田幾多郎、和辻哲郎など、多くの著名人のお墓があるそうですが、自力で見つけるのはちょっと無理でした。

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