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2016/04/18

【バレエ】ノイマイヤー初期の理知的な振り付け「真夏の夜の夢」ハンブルク・バレエ団

 ぜいぜい、4月になっていろいろと慌ただしくて、ブログが更新できません。
 ハンブルク・バレエの「真夏の夜の夢」も観たのは一ヶ月以上前で、すでに印象も薄れてしまいましたが、備忘録のためにメモしておきます。公式サイトはこちら(リリオム-回転木馬/ハンブルク・バレエ団 2016/NBS公演一覧)。

 原作はもちろんシェイクスピアですが、ノイマイヤーは、妖精・貴族・職人という三つの階層を想定し、それらが互いに関係し合っているという世界を考えました。そして三つの階層それぞれに、リゲティの現代音楽、メンデルスゾーンの流麗な音楽(「真夏の夜の夢」以外の音楽も使ってます)、手回しオルガンという三つの音楽を割り当て、また踊りの振り付けでも差異化を行っています。
 ということで、楽しいながらも、かなり理知的な作品です。
 リゲティの音楽も、時代によって様々に変化したようですが、このバレエで使われているのは、まるでハウリングのような音楽。妖精のコスチュームも、もっとも〜とたけもっとのお姉ちゃんみたいで、ちょっと古くささも感じます。
 それもそのはず、この演目の初演は1977年とのこと。ノイマイヤーがハンブルク・バレエ団の芸術監督に就任したのが1973年ですから、初期の振り付けですね。

 バレエを観てから、そういえばシェイクスピアの原作を読んだ記憶がないな〜と思って(あるいは読んだけど忘れてたのかも)、読んでみました。松岡和子訳のちくま文庫版です。いや〜、翻訳ですけど、言葉の面白さに魅了されますね。原作を読んでみると、確かに妖精・貴族・職人が文体と言葉遣いで区別されていることが感じられます。
 ちなみにこの翻訳の題名は、「真夏の夜の夢」ではなく、「夏の夜の夢」。原作の題名はA Midsummer Night's Dreamですが、Midsummer Nightはいわゆる「真夏」の夜ではなく、6月24日の聖ヨハネ祭の前夜を指すというのは、豆知識です。

 ノイマイヤーは、妖精と貴族で、オベロンとシーシアス、タイターニアとヒッポリタを同じダンサーが踊ることで、妖精の世界と貴族の世界の相互浸透を表しました。原作ではもともとどうだったんかいな、と疑問が浮かびますが、上の本の解説や、巻末にある日本での上演の配役表を観てみると、元々は別々の俳優が演じていたけど、近年の上演では一人二役のケースが多いようです。一人二役に関しては、ノイマイヤーの独創ではないのかもしれませんね。
 原作のラストでは、パックが観客に語りかけることによって、舞台上の出来事と観客との相互浸透を演出するのですが、バレエではこれはちょっと無理。ノイマイヤーは代わりに、貴族たちのトリプル結婚式を仕切っていた執事が、実はパックだったという結末を用意してくれましたが、なかなかよくできてました。

 長く踊り込んでいるせいか、ハンブルクのダンサーたちは、みなおてのものといった感じで踊ってました。今回もアッツォーニとリアプコのペアが表現力があって輝いてました。
 第二幕で、真の愛に目覚めたタイターニア(エレーヌ・ブシェ)とオベロン(ウラジーミル・ヤロシェンコ)のしっとりしたデュエットが、とても素晴らしかったです。

 音楽はギャレット・キースト指揮の東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団。なかなか良い演奏でしたが、最後の最後でホルンの音が上がりきらなかったのが残念でした。
 


ジョン・ノイマイヤー「京都賞」受賞記念
ハンブルク・バレエ団2016年日本公演
<真夏の夜の夢>
ウィリアム・シェイクスピアの原作に基づく、
ジョン・ノイマイヤーによるバレエ

東京文化会館
2016/03/13

ヒッポリタ/タイターニア:エレーヌ・ブシェ
ヘレナ:シルヴィア・アッツォーニ
ハーミア:フロレンシア・チネラート
デミトリアス(士官):アレクサンドル・リアブコ
ライサンダー(庭師):エドウィン・レヴァツォフ
シーシアス(アテネの大公)/オベロン:ウラジーミル・ヤロシェンコ(ゲスト・ダンサー)
パック:アレクサンドル・トルーシュ

指揮:ギャレット・キースト
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

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