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2016/04/21

【歌舞伎】菊之助・勘九郎・七之助の初役尽くし。2016年4月明治座昼の部

 四月明治座の花形歌舞伎は、菊之助と勘九郎・七之助。昼の部のみ観に行きました。こちらが公式サイトです。

 まずは七之助の「葛の葉」。さすがに見目麗しく、舞台がぱっと明るくなります。早変わりや曲書きもお見事でした。ただ、狐の葛の葉ちゃんはとっても可愛かったですが、葛の葉姫の方が、なんかツンツンしてて冷たい感じがしました。それから葛の葉ちゃんの「子を思う情」がやや薄かったかな。
 梅枝の安名も柔らかさのある二枚目で良かったです。

 次いで勘九郎の「末広がり」。ぽん太は初めて見ました。
 「末広がり」を買うように命じられた太郎冠者が、意味がわからず、商人にだまされて「唐傘」を買ってくるという話しで、「高杯」に似たストーリー。「高杯」ではゲタップダンスが見せ所ですが、「末広がり」では傘に鞠を乗せて廻す芸を見せてくれます。勘九郎、ちょっとぎこちなかったですが、何回か廻してくれました。どうせなら、やるかやるか、ひょっとしたらできないのかな、と引っ張って、最後にやって幕にすればいいのに。
 太郎冠者が、小さい頃からお使えしていた福子に密かに身分違いの恋心を抱いていて、結婚すると聞いてがっくりするあたりも面白かったです。
 商人の国生、なんか迫力があって怖すぎ。荒事じゃなくて、軽くて楽しい演目なんだから。

 昼の部の最後は、菊之助と七之助の「女殺油地獄」。菊之助も七之助も初役で、仁左衛門の監修とのこと。仁左衛門は既に獅童や海老蔵にも教えてましたね。もっとも海老蔵は、途中でケガして途中休演しましたが。
 関東勢による公演なので上方らしい柔らかさが出ず、前半はイマイチな感じでしたが、最後の油屋の
場面はさすがの迫力で、思わず引き込まれました。
 菊之助は、甘ったれのダメ男だけどどこか憎めない可愛らしさがある与兵衛というキャラには合ってなかった気がします。でも、最後の殺しの場面は迫力がありました。今回は初役だから仁左衛門の写しですが、そのうち江戸風の二枚目だけどキレやすくて迫力ある独自の与兵衛を開発して欲しいです。
 七之助のお吉も悪くなかったです。ただ、確か仁左衛門さんは以前に「お吉は与兵衛に恋愛感情はない」と言ってたと思いますが、今回の七之助もそうした感じの演技でした。また遅れて徳庵提にやってきた豊嶋屋七左衛門(勘九郎)が、お吉と与兵衛が茶屋の中で服を脱いでいるとお光から聞いた時、勘九郎は大げさに驚いて観客の笑いを誘ってましたが、これによってもお吉が与兵衛に気があるということはない、という印象を強めてました。
 でも、観客が「ひょっとしたら気があるのかな」と思うぐらいに演じないと、「いっそ不義になって貸してくだされ」の下りの妖しさが出て来ないのでは。もちろん菊之助の言い方にも妖しさがないことも問題なんでしょうけど。

明治座 四月花形歌舞伎
平成28年4月7日
昼の部

一、芦屋道満大内鑑(あしやどうまんおおうちかがみ)
  葛の葉

    女房葛の葉/葛の葉姫:中村 七之助
    安倍保名:中村 梅枝
    柵:中村 歌女之丞
    信田庄司:片岡 亀蔵

  大沼信之 作
二、末広がり(すえひろがり)

    太郎冠者:中村 勘九郎
    万商人:中村 国生
    宝斉娘福子:中村 鶴松
    分限者宝斉:片岡 亀蔵

  近松門左衛門 作
  片岡仁左衛門 監修
三、女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)

    河内屋与兵衛:尾上 菊之助
    お吉:中村 七之助
    豊嶋屋七左衛門:中村 勘九郎
    太兵衛:坂東 亀寿
    芸者小菊:中村 梅枝
    小栗八弥:中村 萬太郎
    おかち:坂東 新悟
    白稲荷法印:市村 橘太郎
    綿屋小兵衛:片岡 松之助
    河内屋徳兵衛:嵐 橘三郎
    おさわ:上村 吉弥
    山本森右衛門:河原崎権十郎

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