【亀戸遊歩】升本本店・香取神社・亀戸天神社・柳嶋妙見山法性寺・本所消防署
法事で亀戸の升本本店に行く機会があったので、ついでに近所を観光してきました。
亀戸を訪れるのはぽん太は初めて。亀戸 Wikipediaによると、元々このあたりは亀の形をした島で「亀島」と呼ばれておりましたが、のちに周囲と地続きになり、「亀村」と名を変えました。江戸時代、亀村には有名な臥竜梅のある庭があり、そこにあった井戸「亀ヶ井」との混同から「亀井戸」と呼ばれるようになり、それが縮まって「亀戸」となったそうです。 ちなみに上の臥竜梅の庭は「亀戸梅屋敷」(かめいどうめやしき)と呼ばれて人気を呼び、歌川広重の「名所江戸百景」(1856年 - 1858年)で「亀戸梅屋舗」という題で描かれています。それが左の写真ですね。
この絵を模写して、ゴッホが「ジャポネズリー:梅の開花(広重を模して)」(1887年)という作品を描いたことも有名です。
まずは亀戸升本本店。「升本」といえば、デパ地下でお弁当をよく見かけますね。ぽん太も歌舞伎座に行く時、よくお世話になってます。本店は亀戸だったんですね。こちらがぐるなびです。
場所は亀戸天神の近く。新しい建物ですが、土蔵っぽくて雰囲気があります。
会社概要|亀戸升本によると、1905年に酒屋として創業。大戦後に割烹料理屋として復興。1998年には店舗が全焼するという災難に見舞われましたが再建し、2001年には弁当製造販売を開始、2006年にはマクロビオテック弁当も販売開始したそうです。 玄関前には、名物の亀戸大根が陳列されてます。
慣れぬ携帯で撮った写真なので、指が写り込んでてすみません。 「亀戸大根あさり鍋めし」です。グツグツと煮込まれたあさり鍋に、さらに薄切りの亀戸大根を投入。ご飯茶碗の「麦菜飯」にかけて頂きます。味噌味の汁にあさりの出汁がしっかりと出ていて濃いめの味付けが、とても美味しいです。「亀戸大根すてぃっく」はみずみすしくて、噛むと甘い汁がしみ出してくる感じ。左上の「おあがり揚げ」は、あさりが入ったすり身の揚げ物みたいな感じ。「亀戸大根たまり漬け」や「辛みそ」は、お弁当でも定番ですね。美味しゅうございました。
亀戸大根については、例えばこちら(亀戸大根 - 升本のこだわり)をどうぞ。文久年間(1861~1864)の頃から香取神社周辺で栽培されるようになったとのこと。早春の野菜として重宝され、浅漬けやぬか漬けとして食べられたそうです。
お食事後、生まれて初めて訪れた亀戸の町をぶらつきました。まずは升本近くの交差点の角にある、但元いり豆本店。「たじもと」と読むようです。創業は大正5年(1916年)創業とのこと。
猫ちゃんがおりました。群がる鳩には無関心のようで、お母さんがピンクのハタキで懸命に追い払ってました。
続いて香取神社。こちらが公式サイトです。
総本社はもちろん千葉県の香取神宮ですね。香取神社は、天智天皇4年(665)に藤原鎌足公が旅の安泰を祈って香取大神を勧請して創立したそうです。御祭神は経津主神(ふつぬしのかみ)。『日本書紀』に書かれていますが、『古事記』には登場しないそうです。『日本書紀』によると、国譲りの際に大神の命により出雲国に下り、大国主命を従わせたそうです。 狛犬向かって左です。ちょっと新しいですね。子狛犬を抱いているパターン。
向かって右です。こちらは鞠。
境内にある「亀戸大根之碑」。
社殿です。
続いて亀戸天神社。こちらが公式サイトです。毎年藤の花の時期にニュースで流れますが、ぽん太とにゃん子は初めて訪れました。
正保三年(1646年)に九州太宰府天満宮の神官が小さな祠に神像を納めたのが始まり。寛文二年(1662年)には社殿が造営されました。
御祭神は、天神社ですから、言わずと知れた菅原道真ですね。
冒頭の写真が、有名な太鼓橋。 太鼓橋から本殿方向を見る。参道の両側には藤棚が並んでいます。う〜ん、確かに一面に藤が咲いたら見事でしょうね〜。藤の花の咲く時期にまた来て見たくなりました。
アオサギが佇んでおりました。しばらく見てたら、突然ゆっくりと動き出したと思ったら、小魚を素早く捕食!ごくりと飲み込みました。アオサギの捕食シーン、初めて見ました。
拝殿です。鈴がでかいですね。
んん?そういえば、ブログを書いていて気付いたけど、狛犬の写真がないな〜。狛犬いないのかしら。ぐぐってみると、いわゆる狛犬はなさそうですが、入ってすぐにある燈籠に狛犬がデザインされているようです。さらに「おいぬさま」というのが、塩まみれで祀られているようです。今度行った時に見てみたいと思います(亀戸天神社 狛犬道)。
次いで、横十間川を北上し、「柳嶋妙見山法性寺」へ。こちらが公式サイトです。
写真に茶色いマンションが写っておりますが、このマンションの1階と2階が法性寺です。お寺がマンションを建てた訳ですが、決して金儲けのためではなく、住宅密集地の区画整理のための立ち退きから地域住民を守るため、住職が決意したんだそうです(柳島・妙見山法性寺 - おやじのつぶやき)。
明応元年(1492年)に開山した日蓮宗の寺院です。ご本尊は久遠実成本師釈迦牟尼佛(大曼荼羅)ですが、妙見堂に祀られた「開運北辰妙見大菩薩」が信仰を集め、「柳嶋の妙見様」と呼ばれて親しまれました。
葛飾北斎が信仰していた寺としてとして有名。また歌舞伎ファンにとっては、初代中村仲蔵(1736年 - 1790年)が、明和3年(1766年)に、『仮名手本忠臣蔵』五段目の斧定九郎の現在でも行われている型を作るきっかけとなったお寺として有名ですね。
もともと斧定九郎は、文楽を見るとわかるように山賊のようだ出で立ちでした。仲蔵は新しい型を生み出そうとしましたがなかなかうまいかず、神仏のご利益にすがるしかないと、柳嶋の妙見様に日参します。八日目の帰り道、法恩寺橋(大横川と蔵前通りに架かる橋)近くで雨に降られて蕎麦屋に入ったところ、黒羽二重のひきときを着た浪人風の男が店に入って来ました。その男の雨のしずくを切るしぐさから、斧定九郎の新しい型を作り出し、大評判となりました。
もっともこの話しの出所は、三遊亭円生の落語「中村仲蔵」ですから、どこまで本当かわかりません。
柳嶋妙見堂はさまざまな錦絵にも描かれました。例えばこちらの柳島妙見堂 錦絵でたのしむ江戸の名所で、そのうちいくつかを見ることができます。 こちらが妙見堂。時間が遅かったせいか、自動ドアは開いたのですが、中の電気が消されていて良く見えませんでした。
公式サイトに「開運北辰妙見大菩薩」のお写真があります。三人の群像になっていて、真ん中の妙見菩薩は、鎧姿で両足を開いてどっしりと腰掛け、右手に剣、左手に宝珠を持っています。輪っか状の光背には七つの玉があり、
七曜を表しているそうです。また亀と白蛇を踏んづけているそうです。
この像がいつ頃つくられたものなのかは、ちとわかりません。
妙見菩薩は、中国の道教の北極星信仰が、仏教と習合したもので、「菩薩」とついていても天部に分類されます。像容は一定していないそうです。
玄武に乗っているものもあるようで、玄武とは、北の星宿を神格化したもので、北方を守護する霊獣です。脚の長い亀に蛇が巻き付いた形で描かれることが多いそうで、開運北辰妙見大菩薩が亀と白蛇を踏んでいるのは、それと関係がありそうです(妙見菩薩 - Wikipedia)。
ちなみに妙見菩薩像で重要文化財に指定されているのは日本にひとつだけで、なんと読売ランドにあります。これを拝観した話しは、以前に書きました。
錦糸町駅に向かう途中、不思議な建物に遭遇。宗教施設か、それとも何かの秘密基地か。まさか原発?なんか怖いです。
下には見慣れた赤い消防車が。表に回ってみると、本所消防署・本所防災館だそうです。設計はだれだろう?ぐぐってみると、設計管理/東京消防庁総務部施設課、設計監理
協力協力
/類設計室とのこと。施工は大林組、鴻池組、坂田建設、岡本工務店。竣工は1995年。類設計室の公式サイトはこちら。
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