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2016/05/27

【クラシック】これまで聴いてきた「第九」は何だったんだろう?サイモン・ラトル&ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団来日公演2016

 次は「第九」を聴く予定ですが、また超音速の第九を聴かされるのか、高いお金を払ったのに……と、少し気が重くなってきたぽん太でした。

 前回のブログの最後にこう書いたぽん太ですが、いい意味で予想が裏切られ、最高の第九で大感動。う〜ん、聴きに来てよかった。

 こんかいのチケットはP席。当然のことながら、目の前には合唱団とソロ歌手の背中が並んでおり、向こうにむかって歌います。う〜ん、なんでこんな時にP席を取ったんだろう。少し考えればわかるのに……などと自分の知力の衰えをしばし嘆くも、ラトルの表情が正面から見えるので良しとする。

 さて、第1楽章が始まります。「速いんだろうな〜、速いんだろうな〜、やだな、やだな」と思って耳をすませてましたが、ちょっと早めながら普通のテンポ。
 強弱や速度の変化が多く、ダイナミックでパワフルで、情熱的な演奏でした。また細かいニュアンスも大切にし、楽器が交替したりかけあったりするところなども、きっちり強調してました。
 ちなみに楽譜はベーレンライター版でした(第2主題のフルートの音による。ぽん太はそこしか区別がつきません)。

 第2楽章は、繰り返しを省略せずに行ってました。

 第3楽章の美しさは格別でした。特に短い前奏のあとに第一主題が弦楽器で始まり、短い木管とホルンの間奏のあと、再び弦が第一主題の続きを奏でるところ(13小節から)。静けさのなかから弦の音がだんだんと浮かび上がってくるさまは、まさに天上の音楽のごとしで、そこだけで涙が出そうになりました。
 
 第4楽章はパワー爆発。1〜3楽章が少しずつ再現されるところで、2楽章のフレーズの終わり、ラトルが「お前なんかあっち行け」みたいな振りをしたのがおかしかったです。
 ラストの方では、891小節と893小節の頭のffを、するどく叫び声の様に強調してたのが印象に残りました。
 また、916小節から速度を落としてタメを作ったあと、918小節からすでに速度をあげてprestissimoとなってラストに突入して行きましたが、これはベーレンライター版がこうなってるのか、ラトルのアイディアなのか、ぽん太にはわかりません。う〜ん、こんどベーレンライター版のスコア買ってみようっと。
 また、ラストのA音の繰り返しを、一つごとに強弱強弱と演奏したのも、ぽん太は初めて聞いた気がします。
 (2016年5月30日追記:ベーレンライター版届きました。
 第4楽章の916小節目からの速度の指示は、ベーレンライター版だからといって、特に変化はありませんでした。楽譜の「Maestoso(♩=60)」という指示のところを、ラトルは倍くらいのテンポで演奏しているようですが、これはラトルの解釈ですね。
 ラストのA音を強弱強弱としたたのも、楽譜の指示ではないようです。
 ついでに、バリトンの再初のソロの最後の部分がちょっと違う演奏があるのも、ちょっと気になっていたのでチェックしてみましたが、ベーレンライター版は従来版と変わりありませんでした。)

 で、改めて疑問に思ったのは、交響曲全曲演奏会といったものでは、演奏の様式や解釈を統一するものではないんかい?「運命」があんなに速くて、「第九」は普通のスピードというのが、ぽん太には納得がいきません。
 統一的な視点から交響曲全体を解釈するというのではなくて、ラトルは、九つの交響曲という素材を使って、いろいろな手法や味付けでコース料理を作ってみた、という感じなのでしょうか。
 クラシックに詳しくないぽん太にはよくわかりません。

 ま〜細かいことは置いといて、ぽん太がこれまで聴いて来た「第九」はなんだったんだろうと思うくらい、素晴らしい演奏でした。今年の年末の「第九」に満足できるかしら……と、新たな不安が湧いてきました。


ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 来日公演
指揮:サイモン・ラトル
Berliner Philharmoniker
Conducted by Sir Simon Rattle


◆2016年5月15日 サントリーホール

ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 Op.125 「合唱付き」

ソプラノ:イヴォナ・ソボトカ、メゾ・ソプラノ:エヴァ・フォーゲル、
テノール:クリスティアン・エルスナー、バス:ドミートリ・イワシェンコ、
合唱:新国立劇場合唱団 <合唱指揮:三澤洋史>
Beethoven : Symphony No.9 in D minor Op.125 “with Final Chorus Ode to Joy“
Iwona Sobotka(Soprano)、Eva Vogel(Mezzo-Soprano)、
Christian Elsner(Tenor)、Dimitry Ivashchenko(Bass)、
New National Theatre Chorus(Chorus)<Chorus Master:Hirofumi Misawa>

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