【バレエ】フェリさんお久しぶり。オールスター・バレエ・ガラ(Bプログラム)
ジャパン・アーツ主催の「オールスター・バレエ・ガラ」。現役のスターに往年のスターも加わり、なかなか見応えがありました。歌舞伎でいえば、藤十郎の「藤娘」を観る感じかしら(わかるかな〜?)。時間もたっぷりで演目も盛りだくさんでした。
しょっぱなからアレッサンドラ・フェリ(!)の「ラプソディ」。フェリの引退公演を観たのはいつのことでしょうか。ググってみると2007年。そのときフェリは43歳だったから……。そっから先は考えないことにしましょう!お顔はかなりしわがよってましたが、踊りは素晴らしかったです。
次は、アナニアシヴィリの「白鳥」のグラン・アダージョ。う〜ん、これも踊ォりはいいけど……。体型が……。白鳥にしてはコロコロしすぎか
ロパートキナはエルマコフと「Fragments of one's Biography」から何曲かを踊りました。ぽん太は2010年のボリショイ&マリインスキー・バレエ合同ガラで観てるはずですが、記憶なし。
音楽は最初はタンゴ風ですが、途中からフォークロア風のものも出て来たり。ロパートキナは、タンゴ的な情熱や激しさはないけでど、柔らかくていつもながら完璧な踊り。あまり見せない笑顔が素敵でした。
「ジゼル」では、久々に観るザハーロワが素晴らしかったです。指先まで神経が行き届いていて、どの瞬間をとっても美しい動き。どこまでも柔らかく優雅。先日のオシポワのビヨンビヨンとゴムまりのようなジゼル(それも悪くなかったけど)とは対照的でした。
来年6月のボリショイ・バレエの来日公演、ザハーロワはもういかなと思ってパスしたけど、やっぱり観たくなってきました。
しかし、こんなダンサーが、新国立のシーズンゲストで踊ってたなんて、信じられないですよね。
マーフィーとエイマンの「リーズの結婚」は、どうしてもエイマンに目が行きます。若い恋人たちらしく明るく楽しそうな踊りでした。
ロパートキナが再び登場して「プレリュード」。なんか……短かったです。
マーフィーとエイマンの「フーケアーズ」も短いです。またまた若い恋人たちの踊りですが、こちらはガーシュインの音楽にのせたニューヨーク・テイストの振付け。
「ディスタント・クライズ」。ザハーロワのコンテは初めてだと思いますが、とても素晴らしかったです。無音でしばらく踊った後に、アルビノーニのオーボエ協奏曲Op9-2の第2楽章にのせて、大人の男女のしっとりとした踊りが始まります。ロブーヒンもザハーロワに負けず柔らかく美しい動きを見せてくれました。振付けも良かったです。
「レクリ」はジョージアの民族舞踊とのこと。アナニアシヴィリが持ち前の明るさを発揮して楽しかったけど、振付けと音楽は単調でした。
フェリとコルネホの「ル・パルク」は、モーツァルトのピアノ協奏曲第23番イ長調の第2楽章に乗せて、これまた男女の愛が踊られますが、「ディスタント・クライズ」より憂いが含まれてます。フェリならではの、そこいらの小娘には出せない感情表現が、素晴らしかったです。
最後はカッサンドラ・トレナリーとマルセロ・ゴメスの「眠りの森の美女」。トレナリーはいかにもアメリカ人という感じの美人ですね。なんか振付けがちょっと変わってましたが、ラトマンスキー版のせいかしら?
オールスター・バレエ・ガラ≪Bプログラム≫
2016年7月27日
東京文化会館
「ラプソディ」(振付:F.アシュトン) アレッサンドラ・フェリ、エルマン・コルネホ [ピアノ:中野翔太]
「白鳥の湖」より第2幕アダージォ(振付:M.プティパ) ニーナ・アナニアシヴィリ、マルセロ・ゴメス
「Fragments of one's Biography」より(振付:V.ワシーリエフ) ウリヤーナ・ロパートキナ、アンドレイ・エルマコフ
「ジゼル」(振付:M.プティパ) スヴェトラーナ・ザハーロワ、ミハイル・ロブーヒン
「リーズの結婚」(振付:F.アシュトン) ジリアン・マーフィー、マチアス・エイマン
「プレリュード」(振付:N.カサトキナ) ウリヤーナ・ロパートキナ、アンドレイ・エルマコフ
「フー・ケアーズ?」より(振付:G.バランシン) ジリアン・マーフィー、マチアス・エイマン
「ディスタント・クライズ」(振付: E.リャン) スヴェトラーナ・ザハーロワ、ミハイル・ロブーヒン
「レクリ」(振付:V.チャブキアーニ~ジョージアの民族舞踊に基づく) ニーナ・アナニアシヴィリ
「ル・パルク」(振付:A.プレルジョカージュ) アレッサンドラ・フェリ、エルマン・コルネホ [ピアノ:中野翔太]
「眠りの森の美女」(振付:M.プティパ/A.ラトマンスキー) カッサンドラ・トレナリー、マルセロ・ゴメス
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