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2016/08/25

【仏像】香取神宮の神木から生まれた巨大な十一面観音立像(重文)荘厳寺(千葉県佐原)

Img_1827 6月末、ぽん太とにゃん子は千葉県香取市佐原にある荘厳寺(そうごんじ)に、木造十一面観音立像を拝観しに行ってきました。こちらが荘厳寺の公式サイトです。
 人間の二倍はあろうかという巨大な像ですが、そのお姿はちょっとコミカルな感じもします。しかし作られたのはなんと平安時代。この大きさでありながら一木造で、香取神宮の神木を彫って作られたと言われているそうです。香取神宮の別当(神社を管理するお寺)であった金剛宝寺の本尊でしたが、明治の神仏分離令で廃寺となり、廃仏毀釈のあおりをうけ、畑のなかに長らく雨ざらしの状態で放置されていたそうです。
Img_1847 こちらが荘厳寺の本堂(不動堂)です。
 荘厳寺の開基は寛永18年(1641)ですが、境内の板碑などから室町時代まで遡るとも言われているそうです。明治維新の廃仏毀釈によって廃寺の危機を迎えましたが、菅谷不動尊の勧請に成功し、廃寺を免れました。昭和27年に現在の場所に堂宇を移転したそうです。
 Img_1838 本堂の裏手の収蔵庫に十一面観音が安置されております。
 Img_1826 ジャーン!出た!で、でかいです。像高3.25mで、まさに見上げる感じ。平安後期の荘厳な仏像や、鎌倉時代の躍動的な仏様とは異なり、なんかのびのびとしていて自由奔放な印象。平安初期の仏像の特徴を留めているそうです。長くて丸太のような腕も、多くの人々を救い上げることができそうです。
Img_1836 お顔も、よく見る女性のような十一面観音とは異なり、まるでやんちゃな利かん坊のよう。ちょとネコが入ってる気がします。頭上の化仏は失われてしまってます。
Img_1829 衣紋の表現は、深い衣紋と浅い衣紋が交互に刻まれてさざ波のように見える、翻波式衣文(ほんぱしきえもん)。平安時代の前期に多用され、後期まで続いた様式です。足の部分は、肩や手とともに、元禄13年(1700)に補修されているそうです。
Img_1832 横から見ると、かなり平べったいのがわかります。江戸時代の補修の際に作られた光背には、穴があいているのがわかります。
Img_1834 住職さんの話しでは、仏像の裏面はわざと荒く彫ることで、元々は香取神宮のご神木であったことが伝わるようになっていて、それを見えるように光背に穴があいていたのではないかと考えられているそうです。この像を祀っていたお堂の壁にも穴があいていて、外から見えるようになっていたとも言われているそうです。
 これまで見てきた仏像のイメージとは全く違う仏様を拝むことができて、ぽん太はちょっとうれしくなりました。

Img_1840 荘厳寺は、文化財としては十一面観音で有名ですが、信仰としては「菅谷不動尊」がメインのようです。新発田の菅谷不動尊から、明治18年に御分容を持ってきて、本尊としたようです。
 この本尊は普段は拝観することはできず、かわりに平成27年(昨年ですね)作られたばかりの「大尊像」という大きなお顔を拝む仕組みのようです。
Img_1845 「不動尊」と書かれた扁額は、山岡鉄舟の書だそうです。

荘厳寺
 千葉県香取市佐原イ1110

木造十一面観音立像 欅材 一木造 像高3.25m 平安時代 重要文化財

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