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2016/09/07

【仏像】ちいさくてお優しい薬師如来立像(重文)と五大明王・明王寺(山梨県富士川町)

Img_2001 7月上旬、ぽん太とにゃん子は、山梨県は富士川町にある明王寺に、国重文の木造薬師如来立像を拝観しに行きました。明王寺のホームページはこちらですが、なかなか充実しております。住職さんの気合いが入ってるんでしょうか。
 見学のおりは、御高齢の前住職が、手押し車を押しながら案内して下さいました。本当にありがとうございました。
Img_1995 こちらの収蔵庫に薬師如来さまが安置されております。写真撮影は禁止ですが、ホームページ内のこちらにお写真があります。
 像高43.3cmと小さめですが、肉付きよくどっしりとしており、なんだか慈愛が感じられるお姿です。衣紋の彫りも様式的で深く、いわゆる定朝様式以前の平安初期の仏様。お顔は優しさのなかにも凛としたものが感じられます。右手の施無畏印が、指を延ばして、指と指の間をすこし広げ、ちょっと外側に傾けており、「ほらほら」と手を振ってるみたいです。上から目線の威圧感はなく、小ささもあいまって愛らしいお姿ではありますが、如来としての決意と品格が表情に現れています。素晴らしい仏様です。

 堂内には他に国重文の「鰐口」(鎌倉時代前期 貞応3年(1224年))、県指定文化財の「不動明王版木」(室町時代 文明9年(1477年))などがあります。

Img_1992 こちらが本堂です。
 本堂には冒頭の写真の仏様が祀られております。明王寺という名前の通り、五大明王さまですね。以下、歌舞伎の白波五人男風の解説です。
Img_1996 まず中央に控えしは、明王のなかでも別格で。仏さまとはいいながら、憤怒の形相、火炎を背負う。右手に持ちたる三鈷剣(さんこけん)で、煩悩・因縁を一刀両断。悪へと向かう人あれば、左手の羂索(けんさく)で縛り上げてでもすくいだぁす。おすまし顔の仏さまとはひとぉつもふたぁつも異なった、不動明王とは俺のことだ〜。
Img_1998 さてその右(向かって左)に控えしは、牛にまたがるこの姿。西の方を守るからか、阿弥陀の化身と言われるが、似ても似つかぬ恐〜い姿。三面六臂はいっぱいいるが、六脚あるのは俺くらい。六つの脚で六波羅蜜を、踏みしめながら歩き続ける、大威徳明王(だいいとくみょうおう)たぁ俺のこと〜だぁ〜。
Img_1997 不動の左に控えたる、顔は一つと少ね〜が、三つの目玉がにらみをきかす。八本の腕は伊達じゃねぇ。八つの腕の二つをば、胸で組むのは大瞋印(だいしんいん)。そのほか六つの腕までも、いくつも蛇が巻き付いていらぁ。とぐろを巻いた蛇という、クンダリンと名のついた、その名も軍荼利明王(ぐんだりみょうおう)。
Img_2000 いちばん右にひけぇ〜しは、三面六臂はおとなしいが、目のつけどころがちと違うぜ。Img_2000 御覧の通りの強面にや、五つの目玉が光っていらぁ。この目玉にて嘘を見抜き、悪人とあれば喰ろうてやる。悪を喰ろうて善を救う。聖なる力を持つ金剛夜叉明王(こんごうやしゃみょうおう)。
Img_1999 さておしまいに控えしは、四面八臂のこの姿。おもての顔には三つの目玉。Img_1999 二本の腕を交差して、小指を絡めた降三世印(こうさんぜいん)、組んでいるのは俺さま一人さ。四天王は邪鬼を踏むが、シヴァ神パールヴァティー神。神を踏みつけるのが大きな自慢。その名のとおり三世界を、降伏させる力を持つ、降三世明王(ごうざんぜみょうおう)たぁ俺のこ〜と〜だぁ〜。

 ご、ごっほん。悪ふざけがすぎました。バチがあたらないといいけど。江戸時代前期の作だそうです。だいぶ傷んでますが、五体そろっているのは多くないそうです。

Img_1999 写真は四脚門です(町指定文化財)。天皇家からの勅使を迎えるための門だそうです。
 明王寺は、宝亀元年(770)に開山した真言宗の古刹。江戸時代には七堂伽藍を擁するまでに発展しましたが、天正年間に焼失。
 この門は、室町時代の遺構を伝えるものだそうで、平成21年に改修されました。

Img_1999 明王寺に隣接してある熊野神社の本殿で、江戸時代の建物です。
 明王寺が開山した頃、熊の権現を勧請し、山中に権現堂が作られました。江戸時代に御神体が明王寺の不動堂に移され、明王寺の御本尊の不動明王と神仏習合して合祀されてきました。しかし明治初頭の神仏分離と廃仏毀釈によって、御本尊の不動明王は明王寺の庫裏(台所の建物)に移され、不動堂は明王寺から切り離されて、熊野神社の本殿となったのです。
Img_1999 屋根の下に白鳥の彫刻があります。白と水色の色彩もあいまって、なんだか悲しそうに見えました。

大聖金剛山息障院 明王寺(だいしょうこんごうさんそくしょういん みょうおうじ)

  山梨県南巨摩郡富士川町舂米(つきよね)2番地

木造薬師如来立像 桧一木造 像高43.3cm 平安初期(9世紀末〜10世紀初) 国指定重要文化財

五大明王像 江戸時代前期

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